闇の研磨士
アギフがドンッ!と体当たりして
地下牢の大扉を開ける。
中は薄暗くじめじめしているが
天井高く広い作りになっている。
「・・次の者を連れて来るぞ。」
低い声が響きザックザックと
足音が近づいてくる。
薄明かりに照らされた
その顔には爪痕が残る毛皮の男。
「何だチェラッドじゃないか
何用だ?俺様は今機嫌が悪いんだ。」
「ゾイアス様、どうしたのですか?
その傷は。」
ゾイアスは忌々しそうに
爪痕を撫でる。
「ガラリア様だ、
あの女裏切りやがった。
何だ?狼族でも連れて来たのかと
思ったら奇妙な眉毛の者達だな。」
凛達をジロジロ眺めるゾイアス。
「お前の新しい部下か?
丁度良い、フリディア姫が
闇の宝石研磨士を連れて来ていてな
新しいカットの服従の宝石を
試したい所だった。」
ゾイアスの後ろから
細身の男が顔を出す。
「リザーノと申します。
フリディア様のお付き兼研磨士兼
御機嫌伺い兼愚痴係兼・・」
ゾイアスが太い手を出して遮る。
「リザーノいいから新しい
服従の宝石を寄越せ。」
それを聞いたチェラッドがぐっと顔を上げる。
「何をするんです?」
「何だ?そいつらで
試すんだよ逆らう気か?
お前はまた俺様の為に
森の主の討伐にでも行けよ!」
ガハガハと醜悪に笑うゾイアス。
「・・騙されて討伐になど
行ったおかげで呪いを受けて
犬の姿にされてしまった。」
ギリギリと牙を剥くチェラッド。
「さっさと退きやがれ!」
拳を振り下ろすゾイアスの手を掴み
勢いのまま投げ捨てるチェラッド。
「僕の部下に手を出すな!」




