アピール
「ほらよ、これが兵服で長靴っと。」
兵舎にはカエル頭の兵士が居て
凛達に装備品をポンポン寄越す。
玉がブカブカの兵服をモゾモゾ着て
凛が袖やズボンの裾を捲る。
アギフはガジガジと帽子を齧ってる。
「え~と、お前らは
あちゃーアイツの下に付くんだな。
ま~精々頑張りな。」
ゲロロッ!と笑うカエル頭。
「はいっ!上官どのは
どのような方でありますか?」
凛が質問するとカエル頭は
飛んで来た蛾を舌でパクッと捕えて答える。
「ん~おっかねェゾ?
スタンドプレーが過ぎてな
上の方も持て余してるって話で
閃く牙でガシッと一撃だそうだ。
まぁ突き当たりの部屋に居るから
挨拶に行きな。」
早よ行けと水掻きの手を振り
次の蛾を狙うカエル頭。
アギフは穴だらけにした帽子を
被りながら然り気無く自らの
牙を誇示して見せるが
気付いて貰えなかった。
突き当たりの部屋のカビ臭く
年季の入って扉を叩く。
「・・入れ。」
「失礼しまっす!」
凛が玉を背に扉を押すが
重くて動かない。
アギフがドンッと体当たりで開けてくれた。
中へ入ると凛より背が高くて
兵服を着ている二足歩行の犬が居た。
人と同じ立ち姿でピンとした耳
クリッした目に濡れた黒い鼻
ズボンから出ているもふもふの尻尾。
「ふむ、お前達が僕の部隊に
配属された者達か?
僕の名前はチェラッドだ。
厳しく指導していくから
覚悟する様に・・」
チェラッドが言い終わらないうちに
凛が走り寄った。
「可愛い~!」
もふもふと首回りを撫で回す凛。
「こらこら」
もふもふもふと撫でくり倒す凛。
「こらこらこら」
凛の激しい撫で回しにも絶妙な
バランスで背中に掴まる玉。
顔は憮然としながらめっちゃ
尻尾を振っているチェラッド。
その横ではアギフが腹を見せて
凛にもふもふ度をアピールしていた。




