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大募集

「ふ~とっても速かったの

楽チン楽チン。」


玉は凛に抱えられて

狼の姿になったアギフの背から降りる。


「一刻も早く捕らえられた

狼族を救いたくて夢中で

駆けてしまいました。

大丈夫でしたか?」


狼姿のアギフはハッハッと

息をしながら舌をダランと垂らす。


「凄かった~高い崖から

バビュンと降りた時には

心臓がキュッてなったよ

絶叫ライドより怖かったよ~。」


安全バーも無いからね!と

興奮冷めやらぬ凛に

申し訳なさそうにもじもじする

アギフ。


凛が中腰になると

玉がよじよじと背中へ上る。


「あの大穴にある

ドロドロした雰囲気のが

三日月城?」


黒を通り越して深紫な闇色の城の

門前には武装した兵士の姿が幾人も見える。


「そうです、

見張りが多いな。

何処に捕らわれているのか

中の様子が分かれば・・」


考えてピコピコと動くアギフの

耳を玉が掴む。


「のうのう。

あの看板は何て書いてあるんじゃ?」


玉が指差す方向に

城の雰囲気に似合わぬ大看板が見える。


「あぁあれですか?

兵士募集中とあります。

『未経験者歓迎、研修期間有り、

兵服貸与、住込みOK、賄い付き、

歩合制、固定残業40時間、交通費無し、

人魔獣問わず、健康な18歳以上の

男子大募集中!優しい先輩が丁寧に

教えます。』とあります、条件は悪いですね。」


ハッと吐き捨てるように言うアギフ。


見張りが往き来する三日月城の門前には

小さな机があり面接官と思わしき

猪顔とトカゲ頭の兵士が

欠伸しながら座っていた。


「兵士大募集ったってよ~

こんな薄給で来るやついるのかね?」


猪顔が頬杖を着くとトカゲ頭が

肩を回した。


「だから其処らじゅうから

使えそうなのを捕まえて

来てるんだろう?」


ぼんやりと曇天の空を見る

面接官の二人。

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