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小競り合い
「どうかどうかお助け下さいっ。
俺はウルハインド王国の・・
イヤッ!元王国の王子で
アギフと言いますっ。」
銀髪のワイルドな雰囲気の青年が
玉に深々と頭を下げる。
玉は凛の背中に乗ると
よじよじと登り顔を出す。
「狼?」
「そうです、あなた様に
服従の宝石を割って頂いたお陰で
人の姿に戻れました。
狼族の仲間が捕らわれてしまい
お力をお借りしたいのです。」
ふ~と頭を振りながら
ゼムが歩み寄る。
「気持ちは分かるがアギフ王子、
ここにおられる方々は
お年寄りに女性に
まだまだかなり未熟者の男だ。」
アキラがイラッとした顔つきでゼムを見る。
「やはり勇者である私が・・」
ゼムが胸に手を当てて言いかけた所で
凛が手を挙げる。
「はーい、良いよ。
玉おばあちゃん良いよね?
アキラ君も。」
玉はコクンと頷き
アキラも勿論だと頷く。
「何故だっ?私が一緒に
戦ってくれと言ったら断ったじゃないか。」
納得いかない様子のゼム。
「え~ゼムの話しは何か
ざっくりしてたし長くなりそう
だったから。
アギフはハッキリ困っているから
助けてあげないと。」
ぱっと顔に希望の光が差すアギフに
アキラが手を伸ばす。
「立つがいい。
玉さん凛さんが居れば安心だ、
俺も協力する。
元勇者は役に立つか分からないが。」
何ッ!と小競り合うゼムとアキラ。




