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裏腹

「女将さんすみません。てへ」

凛は目を瞑って頭をコツンと

叩く仕草をする。

反省していない証拠だ。


「マダムと呼びな!

ふざけんじゃないよ!

とりあえず賄いは何にするんだい!?」

店を切り盛りするマダムは

いつだって口調と態度が裏腹だ。


「いいんですか?

まだ何も働いていないのに。

じゃマダムスペシャル

ビッグプレートA定食で。」


「冗談言ってんじゃないよ!

有頭海老のフライは揚げたてを

出すから待ってんだよ!

デザートはクレメダンジュで良いね!?」


「あーい」

カウンターで足をパタパタさせて

ワクワク待つ凛。


「ちょっとママさん

いくらなんでも凛ちゃんに

甘いんじゃないの?」

店の隅でコーヒーを啜っていた

八百屋の小松ちゃんが

声を掛ける。


「マダムと呼びな!

いいんだよ昼時でも

客なんて居やしないんだから!

それよりアンタはモーニングから

コーヒー一杯でいつまで居るんだい!?」


「え~じゃ俺も賄い・・」


「何でウチの従業員でもない

あんたに賄いを出すんだい!?」


マダムの剣幕にたくあんのように

萎びれる小松ちゃん。


「冷たいなぁ。何なの~

まるでさぁ、あの長年空き家

だった出るって評判のボロ家に

凛ちゃんが住んでくれた

お礼みたいに」


「出るよ?」

真顔で答えるマダム。


「えっ」


「出るよ?」

足をパタパタさせながら

答える凛。

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