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期待の眼差し

凛達に共に戦って貰えず落ち込むゼム。


「え~と名前何だっけ?」


凛が玉を背中に尋ねる。


「私の名はゼムという。」


ちょっと期待の眼差しで

キリリと凛を見つめるゼム。


「一緒には戦えないけど

応援してるよ。

ハイッ!ハイッ!

頑張れ頑張れゼム!」


凛と玉が息を合わせて

ハイッハイッと応援すると流し台で

「ギョッギギ」

っと声がする。


「止しな凛、出て来ちまうよ。」


機嫌が良いのか悪いのか

分からない時にする

血塗られの声がした。


マダムの静止にしぶしぶ動きを止める凛と玉。


「ふ~ひと先ずは部屋の割り当てでも

しようかね。不幸中の幸いと言うか

アレのお陰で家財道具一式ある部屋

ばかりだよ。」


「何故ですか?マダム。」


アキラはごぼうかりん糖を

ポリポリしながら尋ねる。


「アレに出くわして

あっという間に出て行かれ

ちまったからね。

いわく付きの家具は要らないとさ。」


やれやれと両手を上げるマダム。


「では私は此れで

助けて頂いた事に感謝する。」


ゼムはそう言うと一礼し

驚く程ゆっくりドアへと歩く。


どうか止めてくれと

一歩一歩の歩みの重さが

まるで静止画のようだ。



白けた顔で見るアキラ。


「えっ何で何でゼムも

此処に居れば良いじゃない。」


マダムの腕に頭を高速グリグリして

全力でねだりながら凛が言う。


「・・しかし私は共に立ち向かう仲間では

無いしそういう訳には。」


全然立ち止まり

期待を込めた眼差しを向けるゼム。


「でも応援はするよ?」


ハイッ!と応援ポーズを決める凛と玉と

後ろの壁にうっすら浮き出た血塗られ。


複雑な表情を浮かべるゼム。

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