軽い絶望感
「全くみっともないわね。
他力本願もいいところよ、
あー嫌だ嫌だ。」
ドアの隙間から気配0で
ガラリアが見ていた。
「あれ?中に入らないの?」
小松ちゃんがごぼう料理の
お皿を持ってガラリアの横をすり抜け
中へ入る。
「ばあちゃん、ごぼう料理出来たよ。
そして此方の方が・・あれれ?」
凛の膝からピョンッと立ち上がった玉が
皿を受け取る。
「大ちゃんっどうしたの?」
「いや今ここに・・居ないや。」
小松ちゃんは廊下も見るが人影は無い。
玉はさぁさぁどうぞと皆へ
ごぼう料理を振る舞う。
金平牛蒡にごぼうのキッシュ
ごぼうかりん糖にごぼうの唐揚げと
バラエティに飛んでいる。
凛が美味しいとキッシュを頬張り
アキラが夢中でかりん糖を摘まんでいる。
マダムはごぼうの唐揚げを食べて
「こりゃ大したもんだね」
と頷いている。
「そうじゃろ~
大ちゃんはな、野菜料理が上手なのよ。」
自慢気に胸を張る玉。
ワイワイとごぼう料理を
堪能していると
「・・あの、あのうっ」
声を上げるゼム。
「美味しいよ、食べる?」
キッシュを差し出す凛。
「其れは嬉しいのだが、その
一緒に戦ってくれるのでは
ないのか?」
一同を見渡すゼム。
「無理だよ~私は只の人間だし。」
やだもうッ!って感じで断る凛。
「アタシは定食屋のマダムさ。」
興味無さ気なマダム。
「俺はまだまだ未熟者なので。」
かりん糖をポリポリ齧るアキラ。
「小松玉と申します。
八百屋のお婆ちゃんです。」
ピョコッと頭を下げる玉。
「あ、小松大です。
八百屋の孫です。」
玉に釣られて頭を下げる大。
軽い絶望感を覚えるゼム。
ならばと流し台の血塗られの
染みの所へ行き
「どうか力を!」
と念じてみたが無視された。
「そんな・・」
よろめくゼムに凛が声を掛ける。
「大丈夫だよ!
為せば成る為さねば成らぬ何事も
ってね。」
マダムは凛が適当に言っていると思い
呆れている。
「まぁアタシ達は突然この世界に
放り込まれた身さ。
自分が出来なかった事を
会ったばかりの他人にさせよう
何て筋が通らないじゃないか。」
マダムはゼムを見据える。
「其れは、そうなのだが。」
肩を落とすゼム。




