表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/73

二つの月

「この地は元は平穏な地だったんだ。

勿論魔物は居たが二つの月によって

均衡は保たれていた。」


言いながらゼムはおむすびを齧った。


「えっマダム、月って一つだよね。」


玉を膝に凛がマダムを見る。


「当たり前じゃないか、

但し此処は何だか勝手が違うがね。」


マダムは腕を組みゼムを見る。


「月には意思が有り

片方の月はこの地の創造主とも

言われている。」


言いながらゼムは煮物を摘んだ。


「ある日この地の民は

恐ろしいものを見る事になる、

創造の月が堕ちたのだ。」


言いながらゼムは茶を啜る。


「その日を境に天地がひっくり返った。

世の均衡は崩れ、魔物が跋扈し

悪しき者が我が物顔でのさばった。

私は啓示を受けた者として

先ずは囚われた姫君を救いに

行ったのだかそもそも囚われて

などいなかった。」


ゼムが目を伏せると凛が続けた。


「ねえ、可愛い感じの女の人

だったよね大人しそうな

急に後ろから襲って来たもんね。」


玉が膝から凛をみあげている。


「その通りだ。

この地を統べる者達は

とっくに腐敗していたんだ。

私こそが反旗を翻した裏切り者とされ

捕らわれた。誰にも信じて貰えなかった。」


言葉に詰まるゼムに凛は

海苔巻き揚げせんを勧める。


「・・此れだ。あの時

ダックスドラゴンに飛び掛かられて

ダメかと思ったがこの袋が

手元に投げられた。

奴は此れをひどく気に入って

あの場に居た兵士を蹴散らしてくれた。

私も腹が減った時は少しずつ食べて

飢えを凌いだ。」


言いながらゼムは揚げせんを食べた。


「私は獣を操れる者として

あの悪しき者達に囚われていたのだ。

中でも死者を操るという男の

力は強く気力を削がれ

歯向かう事が出来なかった。」


言いながらゼムは揚げせんを

ボリボリ食べた。


「共に立ち向かうハズだった

魔導士や武術士

神獣にヒーラーと

沢山の者達が露と消えて行き

行方が分からなかった。

だがこうして来てくれた!

今こそ再び立ち上がる時は来たのだ!」


ゼムは言いながら梅干しを食べて

口をすぼめた。


「そっか~大変そうだけど

頑張ってね。」


凛が膝の上の玉の手を上に上げて

頑張って!と応援する。


「えっ」


食べてる手が止まるゼム。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ