容赦しない
「ハイーッ」
玉が振りかぶった鉄かぼちゃの
勢いに乗ってガラリアにグンッ!と迫る。
「そんな奇妙な野菜何かでっ
舐めんじゃないわよっ」
ヒラリと身を躱して
爪を立てヒュッと玉へ一撃。
鉄かぼちゃで鉄壁のガードの玉。
「キャーッ痛いっ
爪が割れちゃった!」
イヤ~ッ!と涙目で手を庇いながら
ガラリアはピィッ!と笛を吹く。
ピョンピョンとカバ竜がやって来た。
「もう容赦しないわよっ
この凶暴なダックスドラゴンが・・」
ガラリアが言い終わらないうちに
玉が両手の鉄かぼちゃを振り回して
ドッコンドッコン追いかけ回している。
逃げ回るダックスドラゴン。
後方で俯いていたゼムが
思わずフードを取り顔を上げている。
「あッ!」
凛が声を上げて指を指す。
「私は討伐隊長としてあなた達を・・」
凛が駆け寄りポンポンと肩を叩く。
「やっぱりそうだ。
よく無事だったね~。」
凛の態度に狼狽えるゼム。
「私は・・私を知っているのか?」
「何やってるのよ元勇者!
フェキリオにもっと力を
吸い取らせるわよ!」
キーッ!と叫ぶガラリアだが
気付けば影達は消えていて
ダックスドラゴンも逃げ出し
ゾイアスの姿はとっくに見当たらなかった。
状況を察したガラリアが
恐る恐る血塗られの方に目をやろうと
するとひんやりした黒い人影が
眼前にあるのに気付いた。
「~!!」
恐怖に声も出ないガラリア。
「ハイッハイッ
チョコチップメロンパンだよ!
こっちおいで!」
凛と玉がハイッハイッと
血塗られを家の方へ呼ぶ。
それに合わせて何となく
肩を揺らして着いていく血塗られ。
ゼムに向かってもこっちこっちと
手招きする凛。
凛達が吸い込まれる様に消えて行き
後には呆然とするガラリアが残された。




