凛と玉
マダムがフーッとタバコの煙を
燻らせている。
「まぁ外には出ない方が
良さそうだね。
幸い家の中は広くて
部屋数もあるからね。」
アキラがそう話すマダム越しに
窓の外の景色を目で追っている。
「どうしたんだい?」
口からタバコを離しアキラを見る。
「いや、風呂から出た凛さんと
玉さんが外で遊んでます。」
アキラが窓の外を指差す。
マダムが振り返ると
わーっと楽しそうに駆けっこする
凛と玉。
玉は深緑の大きなかぼちゃを
2個頭に乗せていてぽ~んと
凛に渡すと凛が重いっ!と言って返す。
今度は凛がハイッ!っと
チョコチップメロンパンを2個出して
それを見た玉がキャッキャ言っている。
「何やってんだい全く。」
立ち上がりかけたマダムが
間を置いて座り直した。
「どうしたんです?」
アキラの問いかけに眉間を揉むマダム。
アキラが窓の外を見ると
凛と玉がハイッハイッと
かぼちゃやチョコチップメロンパンを
上げたり下げたりして
何か呼んでいる。
何かを感じてアキラが部屋のドアから
流し台の染みを見ると
人の形が消えていた。
外では凛と玉がハイッハイッと
両腕を上げたり下げたりしている。
「玉おばあちゃん
そのかぼちゃ大きくて
ツヤツヤしてるね~。」
「そうじゃろ~
近所のな農家さんとな共同開発
したのよ。鉄かぼちゃっちゅって
包丁が折れる堅さよ。
味は抜群よ。」
ハイッハイッと2人息を合わせる。
「あ、玉おばあちゃん
血塗られ出てきた。」




