スヤスヤ
「それでねよくよく聞いたら
大ちゃんがマダムさんとこで
ご迷惑掛けたっていうじゃないですか。
おやつ迄ご馳走になって。
私は申し訳なくてすっ飛んで来ましたよ。」
矢継ぎ早に話す玉は
お詫びとお礼にと沢山の野菜や
漬け物や梅干し煮物やおむすびなど
此でもかとばかりに持った来たのだ。
「いやね別に迷惑何て掛けられちゃ
いませんよ。それにしても
凄い量だねぇ店より多いよ。」
玉か運んで来た荷物の多さに
目を見張るマダム。
アキラはおむすびを一心不乱に食べて
つっかえて噎せている。
凛がちゃぶ台の花柄ポットを
アキラの湯呑みの前へ寄せる。
「ま~ま~若者はそうでなきゃ。
いい食べっぶりだ。」
玉は凛の膝へ収まっている。
ちゃぶ台の周りが狭かったので
ここで良いと言ったのだ。
「エヘヘ玉おばあちゃん可愛い。」
「凛、余り失礼な態度を
取るんじゃないよ。」
マダムが嗜める。
マットレスに頭を突っ込み
ガタガタ震えている小松ちゃんが呟く。
「ばあちゃんは可愛くないよ。
おっかないんだ。」
「大ちゃんっ人様の家で
何て格好しているの
頭を出しなさいっ。」
パシッと背中を叩く玉。
ピチョーン
ふいに水滴の音が大きく響く。
玉は自慢の酸っぱい梅干しを
マダムに勧めたりアキラの口に
放り込んだりしている。
酸っぱい!と喉を押さえるアキラだが
直後に美味しいと玉を見る。
玉は満足そうに目を細める。
そのうちに凛がうつらうつらと
船を漕ぎ出した。
「あらあら
それじゃそろそろお暇しようかね。」
玉は凛の膝からよっと降りると
マットレスの下から小松ちゃんを
引きずり出す。
マダムが凛を布団に寝かせる。
お茶を飲みながらアキラが眺める。
家に沢山来客があったからか
嬉しそうにスヤスヤ寝息を立てる凛。




