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鉄ゲタ男
刀を構えてマダムに歩み寄る男。
爆ぜた札の威力でテーブルと椅子の
間に倒れ込んだマダムは
歯を食い縛りジロリと男を見上げる。
男の動きがガクッと止まり
見ると小松が男の脚にしがみ付いている。
「先生っ先生っ
違うんです、その方は違うんです!
祓って欲しかったのは違う奴何です!」
脚を振るって小松を
振り払おうとする男。
「何が違うものか。
間違いなく妖ではないか。」
必死に男の脚にしがみつく小松。
「分からない人だなぁっ
違うって言ったら違うんですっ
キャンセルだ!お祓い何て
しなくていい!」
離すまいと力いっぱい
男の脚にしがみつく小松。
「愚かな。」
小松の腕から脚を振り抜く男。
男の脚がすっぽ抜けて
床に強かに顎を打つ小松。
男が刀を振り上げる。
「うわあ~んっ止めろっ!」
涙声をあげる小松。
その時マダムと男の間に滑り込む影。
騒ぎを聞き付けた凛が勝手口から
飛び込み手には咄嗟に握ったお玉。
「マダムに何すんだこの鉄ゲタ男!」




