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DEATHGAME ~ESCAPE ISLAND~  作者: 陽菜


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7/7

タカシ視点

かなーりお久のこちら無人島編。

はい、時間がある時に書くようにします……。


今回はタカシ視点です。

 俺は三代 孝。ボクサー……なんだが、病気で一時的に休んでいる。

 そんな俺だが、なぜか無人島?にいた。本当になんでだよ。

「うーん……どこだろう、ここ……」

 明らかに頭脳派のすかした野郎がキョロキョロと周囲を見渡している。

「分からないっすね……」

 白髪の高校生も同じように見渡していた。どうやらここには七人集められているらしい。その中には明らかに小学生であろうガキもいた。

「…………」

 そいつはどこか寂しそうな雰囲気をまとっていた。どうしたのだろうとなぜか異様に気になった。



「ナコちゃんはあなたの妹ですよ」

 しかし、ルイスマという奴に呼ばれたかと思うとそんなことを言われた。

「は……?俺にきょうだいなんて……」

「いないなんて、本当に言い切れるんですか?あなたのご両親はどんな人か分からないのに」

 ウフフッと笑ってそいつは立ち去っていった。

 あいつが、妹……。

 如月 奈子。

 どうやら、両親は放任主義らしくかなり孤独な生活を送っているらしい。俺は母方の祖父母に育てられ、確かに妹がいないなんて言いきれない。

「…………」

 俺はただ、呆然と立つしか出来なかった。



 急に料理作れなんて言われて、どうしようかと悩んでいる時にそいつとは会った。

「うわっ!?フライパンがいる!?」

 レイが外を見て驚いた声を出した。ランもそっちを見て「うおっ!?」と反応していたので本当なのだろう。

「おや、バレてしまいましたか……」

「いや普通にバレるからね!?」

 黒髪のそいつはエレンと言ってシェフらしく、こいつらの方も無人島生活を余儀なくされているらしい。事情を説明すると、

「……では、助手を連れてきていいですか?」

 そんなことを言い出した。

「可愛い子ならいいよー」

「美人なら構わないぜ」

 マイカと俺がからかいながら言った。それを受け流しながら「では」と奴は一度戻った。

 ……奴が連れてきたのは、マジで美人だった。

 女子高校生らしいそいつは「ここに海の家なんてあったんですね……」と呟いていた。

「……で、なんで私はここに?」

「あぁ、実は……」

 エレンが説明していると、

「なるほど……まぁ、いろいろ突っ込みたいことがありますけど……なぜフライパンで隠れられると思ったんですか?」

 至極まっとうなツッコミが入った。

「こうしたらいいと祖父に言われて……」

 お前の祖父は一体何を教えていたんだ。

「……私の祖父も同じようなこと言っていた気がしますけど」

 お前の方もかよ。

 もうこっちの方が突っ込み切れねぇよ。これ以上突っ込ませるんじゃねぇ。

「まぁ、乗り掛かった舟です。ちゃんとやりますよ、料理長」

「ありがとうございます」

 ニコッと笑うエレンの姿が、まるで妹を見ているようだった。



 何日も通ってくれて、二人とも仲良くなったある日の夜。ナコが何か悩んでいるようだった。

「どうしたんだ?ナコ」

「あ、タカシさん……」

「ガキはもう寝る時間だろ?」

 どうしたのだろうと隣に座ると、ナコはぽつぽつと話し始めた。

「……スズエさんに酷いこと言っちゃったの。ものを取ってくれたのに、なれなれしくしないでって」

「……そうか」

「……スズエさん、もう来てくれないかもしれない……」

 涙目になっている。相当不安らしい。

 こういう時、どんなことを言えばいいのか分からない。

「……大丈夫だぜ、きっと。スズエはそんな小さな奴じゃないだろ?」

「……そうだけど」

 俺にはそう言うしか出来なかったが、ナコは少し安心したらしい。ようやく笑顔を浮かべた。


 次の日、スズエが脚立を持ってきてくれた。

「ほら、ナコ。これ使えば高いところも取れるだろ」

 ……スズエって、結構器用なんだな……。

 その脚立は動かしやすいようにタイヤもついていた。一日でこれを作れるとは。

「……あ、あの、スズエさん」

 それを受け取ったナコが焦ったようにスズエの名前を呼んだ。

「昨日はごめんなさい、酷いこと言って……」

 ナコが謝ると、スズエは目を丸くして「え、私なんか言われた?」と何も分かっていないような表情を浮かべる。本当に心当たりがないらしい。

「ほ、ほら、昨日、なれなれしくしないでって……」

「あー……」

 本人に言われて、ようやく思い出したらしい。しかし、

「……ごめん、最近疲れてて覚えていないんだよね」

 スズエはそう言って笑った。もちろん嘘だというのは俺でも分かる。ナコも反論したが、

「気まぐれだよ、私はネコ気質だからね。……子供はわがまま言って、甘えるものだよ、だから気にしないで」

 甘えていい、と言われてナコはキョトンとした後、小さく笑った。

「……ありがとう」

 戸惑いながらギュッとスズエに抱き着くと、スズエは優しく抱き返した。

 ――あぁ、今まで甘えられず育ってきたんだろうな……。

「もっとわがまま、言っていい……?」

「何したいの?」

「……ここを出るまででいいから、お姉ちゃんでいて……」

 その言葉を聞いたスズエはキョトンとしていたが、

「当然だろ、ナコは可愛いなぁ」

 どこか嬉しそうに、強く抱きしめていた。

 慣れてるなぁ……。

 こいつ、きょうだいとかいんのか?結構な世話好きだなぁ、なんて思った。



 そんなことがあってから数日後、疲れていたのかスズエが長椅子で寝ていた。

「風邪ひくよ……」

 レントが苦笑いを浮かべながらひざ掛けをかけた。起きてくる気配もなく、何気なく隣に座ると寄り掛かってきた。

「お、おい、スズエ……」

 予想外のことに焦っていると、殺気を感じ取って背中に汗が流れる。

「タカシさん?妹に何やっているんですか……?」

 ……そう、エレンだ。もはや隠す気もないらしい。

「何もやってねぇよ!?てかこいつお前の妹かよ!?」

 慌てて弁明しようにも殺意が収まる気配はない。ヤバイと思っていると、

「え、エレン!ちょっと手伝ってほしいことがあるな!?」

 レイが機転を利かせてエレンを呼んでくれた。サンキュー、レイ。

 ……てか、エレンこいつの兄貴だったのかよ。でも、スズエは何も知らないみたいだし……どうなってんだ?

 さすがに聞かねぇとって思ってエレンに声をかける。

「おい、エレン」

「おや、どうしたんですか?タカシさん。スズエさんが欲しいというのなら私に勝ってからですよ?」

「そうじゃねぇよ……」

「ではなんでしょう?」

「そのスズエとお前の関係性だよ」

 問い詰めると、奴はため息をついて話し出した。

「スズエは私の実の妹ですよ。あなた達は会ったことありませんが、シルヤの双子の姉でもあります」

「でも、あいつ何も知らないようだったけど?」

「当然ですよ。……あの子が覚えているか微妙な時期に私が引き取られましたからね」

 ……なんか、複雑な事情があるんだなぁ……。

「そういうあなたも、ナコさんでしたっけ?彼女と何かしらのかかわりがあるんじゃないですか?」

 そう言われ、心臓が跳ねた。動揺しているのが分かったのか「フフッ」とこいつは笑った。

「分かりやすいですね」

「チッ……お前、ホントスズエの兄貴だな」

 スズエも、意外とそういうところは見ている。観察眼っていうの?そんなのがあるんだよな、こいつら。

「……あぁ、あいつは妹、らしい。聞いただけだからどうなのか分からねぇけど……」

「……ほう。あなたが兄、ですか」

「兄貴らしくねぇって自分が一番分かってんだからそんな反応すんじゃねぇよ」

 俺がエレンを睨むと、「いえ、そんなことはないと思いますよ」とこいつは笑った。

「兄の形もいろいろありますしね」

「……そうかよ」

 ……案外、こいつもいい奴なのかもしれないな。

 なんか見直した。

「……ただし、スズエに手を出したら許しません」

 前言撤回、スズエが関わるとこいつ怖いわ。



 エレンとスズエに料理を教えてもらい、ルイスマが来てテスト?みたいなのがあったのだが。

「……合格だ」

 ルイスマは悔しそうに呟いた。

「よかったですね」

「安心しました」

「特にタカシさんが心配でしたからね」

「そうそう」

 この兄妹、失礼だな……。

 まぁ、まさか俺が料理出来るなんて思わなかったけどよ。

 そこだけは認める。認めるが本当に失礼だぞ畜生。

 どうやらエレン達の方ももうすぐで脱出できるらしい。そっちは怪物とか襲ってきていたようだ。よく生きてたなこいつら。

「脱出する時はまた来ますよ。その時一緒に出ましょう」

「あぁ、そうしてくれ」

 二人と約束し、見送った。


 その数日後、俺が探索していると、

「ニャー!」

「うおっ」

 ガキがぶつかってきた。ちっこいから倒れずに抱えることが出来た。

「ニャ、ごめんなさいニャ……」

「いや、大丈夫だ。お前の方も……」

 俺はそいつの顔を見て、目を見開いた。

 ――あまりにスズエに似ていたから。

「ちょ、フウ!せめて人間でお願い!」

 ガキが走ってきたところからスズエが来た。どうやら追いかけてきたらしい。

「スズエ、どうしたんだ?」

 せめて人間でお願いなんて、よほどのことがない限り言いやしないだろう。

「あー……恋人いないって言ったら、「ぼくが見つけてくるニャン!」って……」

「……それでなんで、人間でお願いになったんだ?」

 そこが分からん。

「……私が細いから、ムキムキの男の人がいいニャーって、森に入っていったから……」

「…………」

 まぁ、そうなるな。ゴリラでも連れてくるつもりだったのかよ?

「ほら、フウ。一人で森に入ったら危ないだろ?」

「ニャ……ごめんなさいニャ……」

「まったく……今度からは気を付けてよ。タカシさんもありがとうございます」

「大丈夫だ。ほら、早く戻りな」

 フウをスズエに預けると、「せっかくですし、何か作りましょうか?」と言ってくれた。

「いいのか?」

「えぇ、ここまで来たからついでです」

 それならと海の家まで連れて行く。

「あ、スズエ。久しぶりだな」

「久しぶり、ラン」

 エプロンを付けながらスズエは話をしている。その間、俺はフウと話をしていた。

「ニャー……落ち着くニャ……」

「そうか?」

「うん!」

「スズエのこと、好きなんだな」

「当たり前ニャ!スズ姉ちゃんは優しいニャ!」

 まぁ、スズエは本当に優しいもんなぁ。子供だからってのもあるだろうけど、追いかけてきたぐらいだし、こうして食事を作ってくれるぐらいだもんなぁ。

 食事を作って、「それじゃ、心配しているだろうし帰りますね」とフウを連れて戻っていった。

「フウ、今日は何食べたい?」

「何でもいいニャ!」

「エレンさん、何作るかなぁ……?」

 手を握る二人が、どこか家族のように見えた。



「皆さん、脱出出来ますよ」

 ある日、エレンがやって来てそう言った。話し合って、一緒に脱出しようということになった。

 そうして、日本に戻ってきた。本当にあそこはどこだったんだ?

 そんなことを思ったが、日常に戻ってくることが出来たから気にしないことにしよう。


「……ねぇ、タカシさん」

 あれから、ちょくちょく会うことがあったのだが、ある日ナコに聞かれた。

「……タカシさんって、兄、なの……?」

 その言葉に動きが止まってしまった。

「その……スズエさんから、聞いたの……」

「あー……」

 あいつ……とため息をつき、「あぁ、そうみたいだな」と頷いた。それにナコは目を輝かせる。

「そ、それじゃ、その……甘えても……いいの……?」

 だんだんと小さくなっていく声に、俺は思わず笑ってしまう。

「当たり前だろ」

「ほ、本当?スズエさん、取ったって怒らないかな?」

 俺はあの後、スズエと付き合い始めた。だから聞いてきたのだろう。

「あいつに直接聞けよ」

 俺がスマホでスズエに事情を説明すると、

『思わないですよ。ナコのお兄さんだし』

 そんな返信が来た。それを見せるとナコは安心した顔で「よかった……」と微笑んだ。

 ……本当に、あいつに感謝しねぇとな……。

 そう思いながら、妹の頭を不器用に撫でた。

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