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Face Bullet  作者: kazu
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プロローグ

 夕暮れ時の秋葉原。

 色鮮やかなネオンが輝く電気店が所狭しと並ぶ。

 そんな街道を行き交う人々に紛れて、学校帰りの生徒たちが歩いている。

 話をしながら歩く姿は、殆どが何故か下を向いている。

 学生だけではなく、若い社会人や中年の主婦層といった大人たちも皆そうだ。

 それは街中だけではない。

 バスや電車といった交通機関の中でもその現象は見られる。

 その手元にはスマホ。

 あれほど社会現象となっているにもかかわらず、いまだにその光景はなくならなかった。

 そんな中、

「何ぃ…… 何か変なサイトがあるんだけどぉ」

 スマホを見ながら歩く数名の女子高生。

 その一人がそう言った。

 見ている画面に映し出されていたものは、真っ赤な背景に登録を誘うUIボタン。

 見るからに怪しい投稿サイトのようだ。

 そしてボタンの下には『ムーサ』と書かれ、更に『このサイトには過去に罪を犯した者だけが参加可能です。

 登録を済ませてサイトにログインして下さい』

 といった不気味なメッセージまで書かれていた。

「えぇーっ!

 犯罪だってぇ。

 このサイト危ないみたいだけどぉ」

 横から別の女子高生が画面を覗き込みながらそう言った。

 だがスマホの持ち主の娘は、あっけらかんとした面持ちで、

「でも、面白そうだからやってみようか」

 と言いながら登録ボタンをタップした。

 画面がフェードされ個人情報を記す画面に変わると、更に別の娘が、

「やめときなよ、怖いよ」

 とスマホを触る腕を引っ張っていた。

 だが好奇心旺盛な年頃の娘は、そんな事には御構い無し。

 余計に面白がって登録を済ませていた。

 そして色んな人が投稿している画面が映った。

ーーオーディーン:この前人を殺しちゃったよ。昔、俺をバカにしたヤツ。ナイフが新品だったから思ったより切れ味凄くってさ。倒れた親の下にいたガキにまで、先っちょが刺さってやんの。草

ーーアダム:誰かドラッグいらねぇ?安くしとくからさ。

ーークロウ:小さな子供だって。今もそこにあるの、その子供の死体。俺も見たいな。

ーーオーディーン:ある訳ないだろうがバカ!でもよぉ、癖になりそうだよ。薬が切れたら、またやろうかな。

ーークロウ:だろう…… 解かるなぁ、その気持ち。

ーーアサシン:……

ーーオーディーン:てめぇ誰だよ。そこで待ってろ。今から行ってボコボコにしてやるからよ。

 投稿された文章の内容は、全てが身の毛もよだつ様なものばかりだった。

 それを見た女子高生たちは、その場で立ち止まったまま言葉を失っていた。

「や、やっぱヤバイよ。

 早くログアウトして消しとこう」

 そう言って消去した。

 その後は、何事もなかったかのように話をしながら街中に消えていった。

 だが、その日を境にその女子高生の姿を見るものはいなかった。

 そして、家族が警察に捜索届けを出して数週間が経った時、とある山奥で腐乱した数名の女子高生の死体が発見された。

 あの『過去に罪を犯した者だけが参加可能』と書いていた意味が、何となく解かる様な出来事だった。

 発見された死体は、どれも別に乱暴を受けた形跡はなかった。

 身に着けていた制服も乱れていなかったし、周りに散らばっていた持ち物も無くなってはいない。

 もちろん財布の中身もしっかりと金銭が残っていたのだ。

 物取りが目的ではないようだ。

 ただ…… 

 三人の死亡原因は、全てが銃弾で殺されたものだった。

 それもその銃弾を受けた場所は、どの娘も顔面だった。

 それはまるで、何も抵抗を出来ない…… いや、しなかったと言った方がいいのかもしれない。

 身体は洋服の汚れ方や乱れた形跡が見当たらない事から、ほとんど暴行を受けていない。

 そして顔面にだけ銃弾を受けている。

 何も考える暇も無く、銃で撃たれたようなものだ。

 青いビニールシートの上に並べられた死体の周りでは、背中に警視庁とかかれた作業服を着た鑑識官たちが、草を掻き分けて必死に証拠になりそうなものを探している。

 そこへ警視庁の刑事たちがやってきた。

「こんな若い娘を…… 一体誰が何の目的でこんな事を…… 」

 一人の若い刑事が、ボソッとつぶやいた。

「顔に銃弾を打ち込むなんぞ、常人じゃやれんことじゃな。

 それも、乙女の顔にだ。

 全く狂っておる」

 若い警察の後ろからやってきた年配の刑事も、そう言いながら顔を顰めていた。

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