大会に向けて
結局僕は武術大会への参加を決めた。報酬として100万円は少なくとも約束してくれるそうだ。
度の資金が欲しいのは正直な所だった為、危険ではあるが引き受けることにした。何より、ここまでしてくれた人の期待を裏切ることは僕に出来なかったから。
大会まではあと1週間…それまでは鳴棍の練習や魔法の鍛錬に当てることにした。もちろん、あの二人が1週間も休みなわけなく僕一人で家のことを任されることもあった。
いくらなんでも無警戒では((((
しかし、殺人をも容易く行われる武術大会か。…いや、魔族からしてみたら野心が高いとはいえ魔族を人が殺すのも殺人と同じか。
だったらそれを行った僕らがやめてくれと言えた同義では無さそうだ。
さて…今日はサラの新しい武装についてラーグが説明してくれるらしい。
「元々お前さんがつけてた武装はまず腕に剣とマシンガン、小型の大砲じゃ。そして背中にはスナイパーライフルが取り付けてある。これだけでも恐るべき武装じゃが…」
「まだ付けられるのですか?」
「うむ。お主の設計者はものすごいものじゃ。まだ武装できるスペースが確保されておる」
「ラーグ、既に何か武装をつけてあるのかい?」
「ああ。腕にレーザー光線をな。試してみぃ」
レーザー光線か。一体どのくらいの威力になるのだろう…この目で確かめられないのが惜しいくらいだ。
「目には照準をつけてある。それで狙いやすくなるじゃろう」
「なるほど。ではあの的をねらいます」
「ウンウン…ん?あの的って…ギャアアアアアアアア!!!!!」
「ラーグ?」
「発射…」
的に当たったら爆発が起きた。こりゃすげぇやと思ったが、冷静になってみるとイムの庭園に窓になるようなものあったっけ?と思った。見えないからなんとも言えないが
「ラーグ、サラは何を…」
「イムの大切にしておる盆栽が…」
「え?((((」
「やはりここにいたか。鍛錬はどうd」
「ア、オカエリーワシハカエルネ」
しかし、ラーグはイムに掴まれた。
「私の盆栽が粉々になっているがどういうことなのか説明して貰えるかな?ラーグよ(#^ω^)」
「えっとあのぉ…助けて((((」
「マスター、何が起きたのですか?」
「…メガミエナイカラワカラナイ((((」
「すまんかった!すまんかった〜!だからあれだけは〜!うわああああああ!!!((((」
ラーグの断末魔が聞こえてきた。ラーグよ…ご愁傷さまです((((
「勝手に殺すなー!!!」
別の日、僕は鳴棍の練習をしていた。いや、鳴棍棒と言うより、闘う練習か。
知っての通り僕には目が見えないというハンデがある。そのハンデを補うにはほかの感覚を鍛える他無い。
僕は聴覚を鍛えることに目を向けた。大会までの少ない期間でどこまで行けるか不明だが。
なので僕は反射されたり相手から出たりする音を聞いて自分からどのくらい離れてるのかを大体で良いので当てられるようになりたいと思った。
まずは止まってる物体からだ。サラに止まってもらい、そこまでの距離をだいたい当てることにした
「始める、サラ音を出してくれ。」
集中する…今回はサラが音を出してくれている。どのくらいにいるのか、そしてどの方角にいるのか。
「…南の10メートル程」
「違います。東南の20.34メートルです」
「くっ…別の位置に頼む。」
当然ながら僕は全然当てることが出来なかった。本当に上手くいくのか分からなかったが、このスキルはこれから旅をする上でも必ず必要になってくる。
ならば、今のうちにできる限りの習得を…。何回も何回も同じことの繰り返しだ。
そうしていった4日目の日
「北西41メートル程」
「正解です。41.56メートル」
正解した。ただし偶然だとしたら意味は無い。そこでこの正解を10回連続で答えられたら次のことへ進められることにした
ついに10回目…
「…東南東19メートル」
「…お見事ですマスター。正解です」
急場しのぎではあるが何とか、この力を手に入れることが出来た。幸いなことにこの修行は普段の会話などから行うことが出来る。衰えることはほとんど無いと言って良いだろう。
次だ。本当ならば大小様々なサイズで先程のことをしたかったが、今は時間が無い。
今度は反響してくる音から距離を当てることにした。こちらもこちらで難易度は高い。
今度もまたサラに立ってもらい、僕の鳴棍から出す音の反響で位置を当てる。
「…北西28メートル」
「違います、北北西32.12メートルです」
「くっ…何とか大会までに仕上げなくては」




