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1度終わったこの世界で…  作者: star of K
5/11

対決

「ぶおおおおおおおおおお!!!」

「くっ…」


バグワームの大きさはとてつもない。それは、マンション5階部にまで届く。

更にはマイク〇のブロック200個の深さまで潜る…そんなとんでもない化け物を相手に目の見えない僕がどうしたら。

幸いここの地盤は硬いのが救いか…地面に潜らないのは助かる。

が、潜らなかったところでこの化け物をどうにかできる訳では無い。ただこの化け物を後退させることができるならば…


「おらぁっ!」

「ぶおおおおおおおおおお!!ぶおおお!!!」


案の定腐った卵をぶつければ見境なく暴れ回るようだ。それを利用しない手はない。


「それ、もう1発だ!!」

「ぶおおおおおおおおおお!!!!」


バグワームは確か柔らかいところがあったはず。多分…ここら辺か!…当たった感触はあった。しかし、狙いは外れてしまったようだ。

やつはすぐに反撃をしかけてきた。っ…!1発1発があまりにも重い!!これを何度も受けたらまずい…!


「次はこれだ!そらよ!」

「?」

「殺虫剤入りの肉団子だ。殺虫剤も買って置いて正解だったな。さぁ…苦しめ!」

「……にちゃにちゃ…ペッ」

「なっ!?効いてない!?いや…毒を吐き出したのか!」


やつの防衛本能なのだろうか、ともかく殺虫剤は効かなさそうだ

すると、町からか車が出る音が聞こえた。恐らく、女優のサラを逃がしているのだろう…ああ、そうしてもらった方が安全だ。

と、思った矢先バグワームのけたたましい雄叫びが聞こえた。これは…卵の匂いが取れたか!?

バグワームは音のしてる方へ向かった!まずい、ガソリンの匂いをたどってるのか!このままだと…


「早く逃げろー!車は捨てるんだ!!」

「ぶおおおおおおおおおお!!」

「!?うわああああ!!!!」

「っ!?間に合わなかったか!?」


車を噛み砕く音が聞こえる。中の人は!?


「いたたた…」


良かった、全員脱出したか。と、安堵するのも束の間…バグワームは車を捨てたようで、地面に落ちた人々に襲いかかった!


「わぁぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!!!助けてくれぇぇええええ!!!」

「くっ!離せ!!その人達を離せ!!」


無我夢中でバグワームに攻撃した。しかし、努力は虚しく叫び声は食べられる音と共にかき消された…


「そんな…」

「あ…あ…っ…」

「ぶおおおおおおおおおお!!!」

「サラさん!逃げるんだ!」


しかし、彼女は足がすくんでるのか走る音は聞こえなかった。くそっ!!守れないのは…なにも守れないのはもううんざりなんだ!神でも誰でもいい…!!どうか僕に守れる力を!


「うぉぉぉぉおおおおお!!!!」

「キャッ!?」

「ごぶっ!!!」

「行っけええええええええええええ!!!!!!あぁああああ!!!!!」

「ぶおおおおおおおおおお!!!?????」

「はぁ…はぁ…」

「あ…あなたは一体…」

「行けっ!!!!早く!!!」

「っ…」


…走り去る音が聞こえた。これでいい。僕は君を守れそうにない…だって鳴棍は折れてしまったから。

これ以上更なる犠牲が増えるくらいなら…


「ぶおおおおおおおおおお!!!!!!」

「がふっ!!!」


くっ…ダメだ…意識が…とお…く…



ーしばらくして僕は倒れたところと同じ場所で目が覚めた。

…僕は喰われなかったのか?はっ!それよりもバグワームは!?町は!?

ボロボロになった体を引きずり町へと入った。しかし、そこは町とは思えぬほどに静かになっていた。

僕の頭の中に最悪な考えがよぎる。けれど信じたくなかった僕はその考えを振り払い人を探す。

…でも、そこの町から出てくる匂いは血と瓦礫の匂いだった。血の匂いの元へ行くと…そこにあったのは残飯と思わしき人の亡骸だった


「あっ…あっ…そんな、嘘だ…嘘だ!!!…嘘だと…誰か言ってくれ…」


人の肌を求め彷徨う。今まで行った場所に…。もちろん武器屋にも

でも、どこにも…人の肌はなかった。

何故こうならなくてはならない。何故人間は再び死ななければならなかった。

何故…僕はまた…1人にならないと行けない。

ふと、武器屋の机の上に手を置くと…そこには点字で書かれた手紙と鍵があった。これは一体…あの時間で点字を書くことはできたのか?いや、それよりも…解読を。


''キンコノカギヲタクス''


…それだけ書かれていた。確かサラの言った通りだと店の奥だったか。

こんなこと今することだろうか…でも…僕は…

店の奥を進むとドアに突き当たった。それを開ける…その部屋は狭かった。まるで倉庫みたいな…そんな感じだ。

僕は足元に気をつけながら目的のものを探す。…そして、見つけた…託された金庫を。

…金庫の鍵を開けた。そして、中に手を入れて出てきたのは…店主が売らないと言ってた鳴棍と一通の手紙…どうやらこちらの手紙は点字ではないようだ。

誰に読んで貰おう…そうだ、サラが…いるじゃないか。早く迎えに行かなきゃ…僕は店の外へと出た。

しかし、再び意識が遠のいていく…僕は…なんと…弱いの…だろう…か。


ドサッ…


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