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1度終わったこの世界で…  作者: star of K
10/11

大会開始

「1回戦目か…負けないように頑張ろう」

「優勝するだけではダメですよ。証拠も撮らないと」

「ああ、そうだね。けど、それは君がやってくれるだろう?」

「ええ、ラーグさんが目に仕込んでくれたカメラで撮影します」


そうだ、この大会に参加するのはあくまで警察に協力するため。僕はそれを忘れては行けない。

しかし、警察本部が一般人に協力を求めなくてはならないくらいの大事だ。気を引き締めなくては。


「命を刈り取られないようにしないと。...はぁ、何かの間違いで不戦勝にならないかな」

「マスター、それは都合が良すぎますよ」

「そうだな、ははは」


...入場門の前に立つ。そこにいて聞こえるのは多くの人の歓声。

どんな人がいるのだろうか...娯楽として楽しむ人、ギャンブルのように賭ける人、非日常を味わいたい人...。どれも理解し難い。

でも、忘れてはならない。そこにいる理解し難いもの達は皆、僕や他の参加者と同じ人や魔族なのだから。そこにいる人達もこちら側になるかもしれないことを。

司会の紹介とともに門が開かれた。...僕らは会場へと歩みを進めた。


「今大会初参加の男達だ!まぁ基本的に初参加の人達ばかりだがな!果たしてどんな戦いを見せてくれるのか!そして、反対のコーナーからは...大きな斧を使って相手を真っ二つにする残酷な処刑人!キラーJ!!!」


シーン...


「...誰も来ないぞ」

「あれ?おい、どうなって...ん?なになに...?おっと、ここで会場の皆様に誠に残念なお知らせです!出場予定でしたキラーJですが...昨晩食べたステーキに当たってしまい下痢で棄権するそうです。よって...ヴェスペとサラ・アラークの不戦勝!」


おいおい嘘だろ...。

ああ、そういや前にもこんな感じのことあったな。都合よく進んでくやつ...自分で体験して末恐ろしいわ。

会場からは当然ブーイングの嵐。しかし、この決定に揺らぎはないようで僕らは本当に不戦勝となってしまった。


「まさか本当に不戦勝になるとは...」

「マスターは運がいいですね」


運がいいで済まされて良いのか分からなくなってきた。ここまで偶然が回数を重ねると自らを疑いたくなるものだ

一方、大会では観客を退屈させぬためかすぐさま二試合目が行われることになった。第二試合はあのちょっかいをかけてきたマッチョマンらしい。

なーんか、見たことある展開だな。大抵こう言うやつって直ぐにやられるんだよねぇ〜ははは


「マッチョマンの勝利です!ものの見事に相手を倒してしまいました!!」


あ、今回は偶然発動せんのね((((

ちょっと意識して言ってみたけどやっぱりあれは偶然だったのか...?

血が見えるような戦いが見れたからか、観客の盛り上がりはどんどん高まっていた。僕にしてみたらあまりにも耳障りな歓声だ。

すると、控え室に戻ってきたマッチョマンがまたちょっかいを出てきた


「へっ、次の試合はてめぇだな。今度はボッコボコにぶちのめしてやるから覚悟しろ」


観客の声も耳障りだが、こいつの声も全くをもって耳障りである。

すると、マッチョマンとは別の人が僕に話しかけてきた


「....ヴェスペ...だな...?」

「ヴェスペだが、君は?」

「我は鎌鼬...剣士だ...」


剣士か...僕も目が見えてたら剣を持っていたのだろうか?しかし...


「鎌鼬、なぜ君は僕に...?」

「我は...強き者に...興味がある...お前は...強い...戦う時を...楽しみに...している」


...何気ない会話をしただけだが、僕は何故か彼が只者ではない気がした。

事実、彼はこの後の1回戦を一太刀で突破したらしいからだ。

鎌鼬...聞いたことはあるが...


「サラ、鎌鼬について調べてくれ」

「検索プログラム実行します...。実行完了、結果を言います。鎌鼬かまいたちは、日本に伝えられる妖怪、もしくはそれが起こすとされた怪異である。つむじ風に乗って現われて人を切りつける。これに出遭った人は刃物で切られたような鋭い傷を受けるが、痛みはなく、傷からは血も出ないともされる」


妖怪か...。日本ということは彼は古来の日本に何かかんけいがあるのだろうか?

話してなかったが、実は100年前、人類が滅んだ時に生き残ったのはあの5人だけではなかったとする説は非常に有力である。

理由は簡単、いくら繁殖したとはいえ、100年でここまで人は増えないから。

...そこは今関係ないか。やはりあの男のことが無性に気になる。いつか彼とも戦うことになる。

武で語り合おうとまでは言わないが、戦いの中で何か得られるものがありそうだ...

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