episode5~受注~
episode5「受注」
会社のオフィスに響く電話の音、それを男性部長が出る。
部長「はい、株式会社東京本部営業部です。はい、はい、え?」
どうやら電話先は、取引先みたいだ。
部長「あぁそれは何かの間違いでは。あっいえ、そちら様を疑っているわけではありません。はい、はい、ではこちらで調べてみますので、はい、本当に申し訳ありませんでした。はい、では失礼します」
受話器を置く部長。近くにいた女性部下が部長の元に来て
部下「部長、どうかされたんですか?」
部長「いや、取引先の日本洋菓子さんだよ。受注したチョコレートがまだ届いてないそうだ」
部下「え?、それって大変じゃないですか」
部長「大変どころじゃないよ。先方さんはすごく怒ってた。もしかしたら契約解除かもな」
部下は慌てた感情をだし
部下「えっと、受注担当誰でしたっけ?」
部長「佐山君だよ。今日は・・・」
周りを見るが、その佐山君の姿はない
部長「彼は今日休みだっけ?」
部下「いえ、さっき見ましたけど」
部長「どこ行っちゃったんだろう」
すると、男性社員が立ち上がり
社員「佐山さんなら、倉庫にいますよ」
部長「本当か?」
部長と部下は、急いで倉庫に向かう。そこには受注担当の佐山が、チョコレートを食べていた。そのチョコレートは受注されて、取引先に送る予定のチョコレートだった。
部長らが入ってくるのを見て、急いで隠すが
部長「おい佐山、何してるんだよ」
佐山「いえ、何も」
部長「口に何かついてるよ」
佐山は口を拭く動きをする。すると、部下がチョコレートを見つける。
部下「あっこれ、取引先に送るチョコレートだよね?。食べたの?」
佐山「いや、食べては無いよ」
部下「でも減ってるよ」
部長「どういうことだ!」
起こり気味に部長が言う。
部長「食べたのか?」
部長が佐山に近づく。佐山は怯えている。
部長「どうなんだ!」
佐山「この人が食べました!」
と部下を指さす。
部下「は?何言ってるの?」
部長は疑うどころか
部長「そうなのか君」
部下「え?、いやおかしいでしょ」
部長「君の事は、重役会議でしっかり審議してもらうからな」
部長は終始キレ気味に倉庫を出ていく。取り残される部下と佐山、部下は佐山を睨みつける。怯えてどうしようも出来ないのこの空気の中、チョコレートを手に取り
佐山「要ります?」
部下「うん要る」
二人で近くの椅子に座り、チョコレートを食べ続ける。
部下「取引先に送んなくていいか」
佐山「そうですね」
~終~