episode4~バンド~
episode4「バンド」
人気バンド「SIGEKI」のメンバーはレコーディングスタジオで悩んでいた。自分らはデビュー曲「シゲキックス」でCMソングなどに起用され、爆発的人気を誇ったが、結局一発屋になり、2作目、3作目は中々売れず、最終的には10作目まで売れずにいた。
メンバーは次の新曲について、ギター担当、ベース担当、ドラム担当、キーボード担当で、ボーカル担当以外の全員男の四人で悩んでいた。
ギター「どうするんだよ」
ベース「何が?」
ドラム「次の新曲だよ。このままだぞ、俺たち危ないぞ」
キーボード「このバンドの何が悪いんだよ」
ベース「曲調か」
キーボード「いや業界内では曲調で人気らしいし、やっぱりメンバーかな」
ベース「メンバーってどういうことだよ」
キーボード「まぁ一言で言えば、リストラをしようって話」
ドラム「会社じゃないんだから」
すると、ギター担当が腕を組みながら、俯き
ギター「いや、有りかもな」
3人がギター担当の方を向く
キーボード「え?、つまり誰かがクビってこと?」
ベース「俺やだよ」
ドラム「俺もだよ」
ギター「俺は一人しかないと思ってる」
とボーカル担当がスタジオに入ってきた。しかし、実はボーカル担当は70歳を過ぎたおじいちゃんだった。4人はボーカル担当を見つめて、しばらくして4人が見つめ合い
ボーカル「なんじゃ」
ドラム「まさかリストラって」
ギターが静かにというジェスチャーをして、ボーカル担当に近づき
ギター「なぁ、大事な話があるんだ」
ボーカル「なんじゃ、いやね、すぐそこにある家から歩くだけで、へとへとだよ。おい水くれ」
キーボード担当が急いで、ペットボトルが入った水を渡した。そしてそれを飲んでいく。その間に
ギター「お前には辞めて欲しいんだ」
ボーカル担当は水を吹き出した。結構の年下からクビだと言われたからだ。
ボーカル「なぜじゃ、なぜにわしが辞めなきゃいけないんじゃ」
そういい、泣き顔になったボーカル担当は、ゆっくりとスタジオを出ていった。4人は気まずい雰囲気になるが、少し落ち着いてから、
ギター「うん、あいつクビ決定」
3人が頷く。
~終~