episode3~悪徳弁護士~
episode3「悪徳弁護士」
裁判所には、弁護士や被告人、検察官などがいた。年老いた裁判長が
裁判長「では被告人、前へ出てください」
被告人が黙って前へ出る。弁護士は自信そうに見ていた。
~回想~
面会室には、被告人と弁護士が対面していた。
弁護士「いいか、まず検察官が起訴状を朗読する。その時に、裁判長から公訴事実に間違いないかと聞かれるから、絶対にやってないと答えろ」
被告人「俺自信ないよ」
弁護士「でもお前はやってないんだろ?」
被告人が頷く
弁護士「だったら、絶対にそう答えろよ。信じてるからな」
被告人「はい」
その弁護士は悪徳で有名だった。実はわざと偽のアリバイを作させ、被告人を無罪にする方向の計画でいた。その思惑でいた。
~現在~
計画通りに行く、そう思い被告人を見ていた。
検察官「主文、被告人坂下太郎は、彼女である清水真美をナイフで刺し殺害した、刑法殺人罪に当てはまります」
裁判長「被告人に尋ねます。今検察官が朗読した公訴事実に間違いないですか?」
しばらく間が続き
被告人「いいえ、間違っています」
会場がざわつく、弁護士は思惑通りで微笑んでいた。
裁判長「被告人は、どの箇所が間違っていると思いますか?」
被告人「私はその時新宿駅にいました」
本当だったら、新宿駅で路上ライブをしているという架空のアリバイだった。それまでが計画だった。だが、
被告人「新宿駅で、全裸で踊ってました」
弁護人は驚きの表情をし、その会場にいた全員が唖然としていた。
裁判長「全裸で踊っていた?」
弁護士は慌てだし
弁護士「ちょっと待ってくださいね」
弁護士は立ち上がり、被告人に近づく
裁判長「ちょっと弁護人」
すると、弁護士は被告人を叩き、
弁護士「お前、なんで全裸で踊ったなんて言うんだよ。路上ライブしてたって言えって言ったよな」
すると、周りの目が弁護士に集まる。弁護士はゆっくりと戻り
弁護士「続けてください」
と周りが
周り「続けられるか」
と物を投げつけ、会場を出ていく。一人になった弁護士は
弁護士「悪徳って大変だな」
~終~