表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

3・身体の変化

 森で白虎に拾われてから、一週間が経った。

 俺はその間、水浴びに川に連れて行かれる以外は、ずっと白虎の巣穴にいた。

 しかもここでしていた事といえば、寝るか、食べるか、ぼうっしているか、これぐらいだ。

 赤ん坊って最高!

 ちなみに、その間の俺の食事って、何だと思う?

 白虎の母乳です。

 …………うん。白虎、メスだったんだ。

 最初に出会った時に思っていた『王の貫禄』、これ間違っていた。

 『女王の貫禄』だった。

 完全にオスだと思い込んでいたから、これを知った時、マジで驚いた。

 どのくらい驚いたかと言うと、この一週間で三番目に驚いた。

 まあ、驚いた事自体が三つしかないけど。

 一つはさっき言った白虎の性別の事。

 残り二つは、初めて川に連れて行かれた時に自覚した、自分の事についてだ。

 その一。

 俺に、狼の様な耳と尻尾が生えていた。

 俺、獣人だった。

 そりゃもう驚いた。ものすごーく、驚いた。

 最初は、自分に耳と尻尾が生えていて、獣人になっている事に。一度落ち着いてからは、獣人なんていう存在がいる事に。

 そしてその後は、妙に納得していた。

 だって、最初に目覚めた時から、頭と腰に違和感はあったんだよねー。

 それが何かは良く分かってなかったけど、元の身体とは違う、って事だけは分かってたし、原因さえ知れば納得だ。

 で、これ知った時に思ったんだけど、絶対ここ日本、というか地球じゃないよね。

 だって、地球に獣人なんていないし。

 そしてやっぱり思い浮かぶのは、ファンタジー世界じゃないか、という事。

 そんな事有り得ない、とも思うけど、有り得ないと言えばあの魔方陣もそうだ。

 あんなのが現実に存在していたのだから、ファンタジー世界があっても不思議じゃない!と俺は思っている。

 となると、この状況はあの魔方陣とも関係ありそうだな、と睨んでいるのだが確証は無いし、検証も何も出来っこない。

 だから今は、特に考えない様にしている。

 で、もう一つの驚いた事だが、俺的にはさっきよりも重要だ。

 俺……女になっていた。

 まさかのTSでした。

 そりゃ驚くに決まっているでしょ!

 しかもこれはつまり、一生彼女なしで童貞のまま……。

 もう、驚くと同時に、かなり落ち込んだ。

 だって恋人作ろうと思ったら、男と付き合わなきゃいけないんだよ?

 男から恋愛感情持たれて、男と手繋いで、男とキスして、男と結婚する……想像しただけで気持ち悪い。吐き気がする。

 俺は一般的なノーマルだ!同性愛者じゃない!!

 という訳で、もう俺は一生年齢=恋人いない歴から脱せない事が決定した。

 父さん、母さん、済みません。霧島家の血は残せそうにありません……。

 いや、転生しているから、もう俺の身体に霧島家の血は流れていないんだった。

 はあ。何にしても落ち込む……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ