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◆00話:プロローグ
異世界ファンタジー物語です。
孤独は人を冷たくする。
見えない部分を埋め尽くすように時間がそっと凍りついていく。
まるで世界を拒むように、じわじわと――。
しかしそれはいつでも壊せる、崩せる、突き破れるものだ。
人の心がその時を待っている。
いつの日か優しげな温もりが凍てつく心を溶かしてくれるのを――。
または凍てつく心を壊すのを――。
今か今かと待ちわびている。
だから諦めない。だから前を向く。だから足を進める。
そんな簡単な事で人は生きれる、過ごせる、そして楽しめるのだ。人生を――。
偶には下を向いて過ごすのもいい。泣くのも拒むのも、だ。
けれど忘れないでほしい。
人は人を求めているということを――。
そして人は場所を求めていることを――。
いつまでも永遠に、心に留めておいてほしい。
だから人は諦めない。
いつまでも続いてほしい日常を――掴むまで、絶対に。