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新世紀革命テロリスト じゃすてぃす武田  作者: 一条人間
レッツ・ジャスティス・これは序章に過ぎないのだ
8/15

遅めのハロウィン祭り!序

前回のあらすじ!

 警察官としていつものように街を巡回するジョニパッチ。道端に落ちている子供銀行のお札を拾おうとした時不幸にも黒塗りの高級者に追突してまう。後輩をかばい全ての責任を負った武田に対し、車の主、極悪帝国皇帝ブラック・デスジャックに言い渡されたおいしいコッペパンの作り方とは……。



「トリックオアロリータ!!ハッピーハロウィン!」

 極悪帝国ジャアックの市街地を駆け抜けジャアック城に疾走するカボチャ頭に黄色いマントのジャックオランタンに扮する仮装者がいた。

 彼の名はジョニパッチ。正義テロ組織ユースティアの下着のメンバーであり特攻隊長である。特技は自分の部屋の電気スイッチまで明かりなしで行くことができる。


『いい叫びだ、これは成功率100%だなオーダー』

「この作戦のどこに100%の成功率があるんだ!」

『ジョニパッチ!通信ではオーダーを付けなさい!ここが本番の戦場だったらあなた5回は死んでたわ!オーダー』

 耳につけた通信機から通信をしたじゃすてぃす武田とアマネ。わざわざそんなミッション風に言う必要ないから、語尾にオーダーつけるのは鉄則ですか。本当はオーバーだからな間違ってるぞ、頼んでどうする。

 走りながら文句を垂れ、それでもやめないのには理由がある。なぜこんなことになったのか説明すると一万、いや二千年ほどの時間を過ごすことになるがいいか?え、だめ?仕方ないこの話はなしで。


『理由は話した方がいいぞ。オーダー』

『そうね、自分で特攻したいと言った矢先、考えた作戦に一人犠牲が必要だったなんて言えないよな?オーダー』

 そうです男口調になったアマネさんのおっしゃる通りです。黒歴史を掘られて死にたくなった俺は自爆を考え、その時にジャアック陥落の作戦を聞かされ、見事その役に抜擢されたのです。


「ジャアック城正門着いたぞ。ここからはどう行動する?」

 しばらく走り続けたところでジャアック城の城門についた。作戦では城に侵入するのだが、正門には衛兵が二人警護についているため堂々とは難しいだろう。


『この門をどう思おう?』

『とても大きい校門ですね……サムライブレイドなら2本丸飲みできそう』

 質問には返答はなく代わりに猥談が聞こえた。おい!下ネタはやめなさい!お下品でしょう。そういう話するなら通信切ったところでやってくれないかな。


『ジョニパッチ、作戦通りだ一発かましたれ!ヘイヘイヘーイ!!……おっと、オーダー』

「あの作戦で本当に大丈夫かよ!?今オーダー言い忘れたな!」

 野球の応援風に指示されたが作戦は正面から堂々入る、それだけなんだよな。不安だけどやるか。


「おい貴様何者だ!ここには通行証を持ったものしか入れないぞ!」

「トリックオアロリータ!ロリの性癖の俺を満足させないと悪戯しちゃうぞ1」

 恥ずかしい、大の大人がこんなことをして城に侵入とか。こういうのはスパイもののように華麗にやるべきだろ。しかもなんでお菓子じゃなくてロリなの?どうするんだこれ。


「おお、そうか今日はハロウィンだったな。ほらロリッ子大百科あげるぞ!あとチョコやるぞ」

 なんか普通に分厚いロリっ子辞典くれた!こんなもの貰っても嬉しくない、むしろ鈍器が増えた。どうしてこの状況に疑問を抱かない。

「なかなかだな、悪戯はしないでやる!」

「そりゃよかった、城内のやつらにもよろしくな!」

 そしてすんなりと城門を開けてくれた。この帝国のシステムがいまいちわからん、しかも今11月末だし、10月末じゃないのハロウィン。


「イマイチわかんないなー」

『ロリっ子辞典が3年前のものだったからか?オーダー』

「違うわ!警備ガバガバ過ぎない?」

 辞典が3年前だったなんて今知ったわ。今すぐにでもリサイクルだ!でも中身少し気になるから見てから捨てるか。


『そりゃあいつらスッパイむーちょだもん、よかったな新た性癖と共にあれ。作戦はここから本番だ俺は必要最低限の指示しかしない。健闘を祈るオーバー』

『城内に入ったら最上階の最高指揮官執務室に向かって、城の警備は頭に入ってる?もしも衛兵に見つかったら気合いで乗り切れ。オーダー』

 この人たちおっそろしいほどに切り替えが早い。さっきまでのお遊びムードが一転、真面目な通信が入った。オーダーからオーバーに代わってるし。


「……了解、オーバー」

 ここからが正念場という事だ、正義の革命者としてテロリズム開始と行きますか。この格好でいれば絶対に目立つけどな!



 城に入ってからは隠密行動だった。壁に隠れ天井登り、衛兵に見つからないように少しずづ着実に目的地に向かっていった。

 衛兵は基本ツーマンセルで巡回をしていた。そのルートは決められた範囲を不規則に見回るもので注意を怠ったらすぐに見つかる。またゲームのようにガバガバの索敵範囲でもないので気が抜けない。

 潜入は順調に進みついに最上階、15階のフロアまで来た。最高指揮官執務室は目の前に迫ってる。


「ふう、あと少し。そろそろこの仮装脱ぎたいな……」

「おい貴様ここで何している?侵入者だな?」

 通路の死角に隠れていたジョニパッチの後ろから声をかけられた。

 あ、終わった。なんで後ろから来たの?しっかり索敵したし、フロアの衛兵人数は定数いる……これはまさか?



『ジョニパッチ、交代の時間と重なったようだ。何とか乗り切れ』

 しまった、安全に進むことにばかり集中して交代時間の事をすっかり頭から抜けていた。この格好と言い衛兵たちの不審な視線と言い絶体絶命だ。


「……わ、私はジャアック戦闘員デブリッツ・キョタインの隠し子、シボゥイン・ボゥインであります。このような形で申し訳ありませんが父の訃報を伝えに参りました」

 口からの出まかせでよくここまで言えた!褒めて遣わす。だがこんなハッタリ信じるわけないだろう、現にあいつはカサカサだが生きている。全てを油として吐き出して今は真っ当な人間として。


「そうだったのか、疑って悪かったな。ところでその仮装は?」

 ですよねこれに突っ込まないでどうしろというのだ、これについてもしっかり言い訳は考えてあるぞ。

「これはジャアック・オランタンです。私の村では死者の魂を導くためにこういった仮装をするのです」

 なかなかしてやったり、これならば疑われることもない。ジャックとジャアックをかけてるんだ、中々しゃれてるだろう。

 それよりも、さっさと逃げて早く目的地を行かねば。


「……彼の魂が救われるといいな」

「はい、では私はこれで」

 その場から逃げ去るように歩き出す。悟られるな、この穴だらけの嘘に騙されたままでいてくれ。

「ん?その手に持っている。本は何だ?」

「っ!!」

 全身に毛が総立ちで俺は鳥肌になると宣言してきた。完全に盲点だった。門の衛兵からもらったロリっ子百科事典を手にしたままだった。これでは今までの嘘が水泡に帰す。どうあがいてもこれは言い逃れできない。


「ロリっ子百科事典?どうしてこんなのものを」

「そ、それは」

 とっさに思いつくのは彼の遺品であるという事。しかしそんな遺品があってたまるか!よって却下。沈黙は疑惑を確信に変える。早く整合性の合う理由を考えないと。


『自分の欲望を具現化する能力と言え。オーバー』

『もしくは伸びに伸びた耳毛と言え。オーバー』

 こいつらやっぱふざけてるわ、どっちもパクリじゃねぇか絶対にばれる。

 もうこれしかない、一か八か賭ける。もしもの時はロリっ子百科事典(鈍器)で眠ってもらうか。


「これはソウルブックで、今までの死者達の魂が眠っているんです。表紙はそれだと思わせるフェイクで……」

「そんな大切なものだったんだな、まぁ早く総統室に行ってきな。彼の魂もそれを望んでいるよ」

 んなわけねぇだろ!バカか。こんな言葉信じるなんて頭スッカラカンだろ。でもこれで何とか目的が果たせそうだ。

『なんてセンスのない言い訳。オーバー』

 耳毛のパクリよりもましだと思いますが、アマネさん。


 爽やかな笑顔でその場を切り抜けついに最高指揮官執務室の前まで来た。これで作戦も佳境に入る、第一段階においてだが。

『今後は君の月9ドラマ視聴率に期待する。全ては正義の為に、十二分に活躍してくれ』

 じゃすてぃす武田さんもそうおっしゃっているので頑張りましょう。


 決意を固めてジョニパッチはその扉を開いた。


読んでいただきありがとうございます。

人間不信というより、行動に関する整合性の合わなさに疑問を感じた今日この頃です。貸したものを返すだけなのにそれで会う事をダメという彼氏。しかしその人は優しくて女の子は惚れてしまったそうです。解せん。

ま、まあ今回は耳毛ですよ!これが分かったら貴方は立派なワタゲストですね!

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