戦えジョニパッチ
最近寿司をよく食べる一条さん
前回のじゃすてぃす武田
「俺たちは止まるわけにはいかない!進め、それが俺の示す答えだ」
「じゃすてぃす武田!!!」
「それでは聞いてください物凄いじゃすてぃすがジョニーする歌」
作詞作曲:ぺぺろん牧野
いえぇぇぇぇい!みんな乗ってるかい?これから応援歌を歌うぜ!行くぞ!
じゃにじゃにじゃニンジン~いけいけレトリック~
燃えるハートは正義の証、そうさ心はいつだってヒーロー
階段でこけても、詐欺にあってもお前なら立ち上がれる!
不屈の心をを持った~鋼の男~
レツゴー、ジョニパッチ!レッツダンス、ジョニパッチ!
お前の闘志がこの街を救う!
かませ正義のプリティーレインボーミサイル爆撃!
「うるせぇわ!気が散るわ!なんでアニメでもないに前回の説明すんの!あと一ミリも掠ってないから!意味わかんねぇから!」
ジョニパッチのツッコミ!あらすじは跡形もなかったことにされた。もうやってられないんだぜ。
「ちっ、さすがに数が多いな。全部相手にしてたら体力持たねぇぞ」
ジョニパッチは侵入の報告のあった正門付近でジャアック戦闘員と交戦していた。
数はおおよそ50前後じゃすてぃす武田の情報通りであり彼に対する疑念がますます湧くばかりであった。
「けっけっけっけ、もう街の警官はお前しかいないぞ?だって他のやつらはお前が来る前に倒しちまったんだかっ……!」
パーン!
「うっせ!まぁ説明ご苦労さん栄えあるモブ1号」
「てめっ、血も涙もない外道だな!」
先陣に躍り出て挑発したジャアック戦闘員を拳銃で撃ち倒す。正義のヒーロー、悪人の言う通りそれは外道だがそんなこと言ってる余裕はない。ま、ただの麻酔弾なんだけどね。
敵は武装しており更には多勢、一騎当千なんて無茶にもほどがあるがやるしかない。行くぞジャスティス・ジョニー紅蓮マキシス。
「まぁいい、それよりお前こいつを見てねぇか?この街に逃げ込んだって情報がある指名手配犯だ」
倒された仲間に塩対応をかまし、モブ2号が人相書きのようなものを取り出してジョニパッチに見せてきた。なんでさっき警備員倒したの?行動が不一致な気がしますけど。
「……こいつは、知ってるぞ!鶏だ!北京ダックになって天に召されたあいつだ」
この鶏のコスプレの男、間違いないじゃすてぃす武田この人以外に誰がいるんだよ!他にいたら教えてほしいレベルだ。
「お?心当たりあるんか、こいつはな俺らジャアック帝国に歯向かう馬鹿野郎や。この前帝国にテロ起こしおってな!落とし前つけなあかんねん」
関西弁のモブ3号が分かりやすい説明で補足した。ナイスモブ3号。
「残念だけど、こんな格好したやつは知らないな、自分で料理になったってことくらいだ。聞きたいのはそれだけか?」
それだけの為に来たのなら早々に帰ってもらおう。これ以上被害を出さないためにも、あいつに聞くこともあるし。
「聞きたいことはそれだけだ。街にいるか確認すっから行くわ」
「は?てめぇら!おとなしく街から帰れよ」
思わず喧嘩口調で争いの種をまいてしまった。おそらく秒で花を咲かすな。
「あ?なに舐めた事言ってんだ?お前もあいつらと同じようにしてやろうか?」
「やれるもんならやってみろよ、クソザコが!」
売り言葉に買い言葉とはまさにこのことだ。争いの種が発芽を通り越し開花して戦闘に発展しました。
「おい!こいつ強すぎねぇか?銃弾を避けるか?」
「素手で俺らの半分以上蹴散らしやがった!」
「青春鳳凰流星拳だと?格が違い過ぎる……」
「ふう、どうした?かかって来いよ!く・そ・ザ・コ・ど・も☆」
啖呵切っただけの事はある。ジョニパッチは拳法の型をとり、襲い掛かるジャアックたちを次々に仕留めた。彼の使う拳法は青春鳳凰流星拳、燃える想いをその拳に込めて放つ特殊な拳法だ。
正義のヒーローに憧れ独学で身に付けたジョニパッチ最強にして最大の特技だ。一端の雑魚では相手にならない。
「お前らは先に行って、そいつを探してろ。こいつは俺が直々に相手してやる」
「で、デブリッツ・キョタイン様!!!すみません私たちが弱いばかりに」
「気にするな、あいつは拳法使い。それなら俺が潰すのが道理だ」
「デブリッツ様の脂肪血界限壊は最強ですから!やっちゃってください!」
「はっはっは、そう誉めるな。殺さない程度にいたぶるとしよう、なぁ?小童?」
後ろでどうでもいいやり取りがされた後、親玉デブリッツ・キョタインがジョニパッチを潰すべく出てきた。
「親玉の登場か、いいぜ俺の攻撃耐えれるんだろうな?デブ」
「今デブって言ったか?わかってないなこれは戦闘スタイル”肥満”だ」
その風貌は肉風船。はちきれんばかりの胴、うずもれた手足。脂肪の塊と言っても過言ではない肥満体系だった。戦闘スタイルだろうがなんだろうが見ればわかる、デブだ。
「なんだそれ?そんな巨体でこれを避けれるわけないだろっ!?」
ジョニパッチが一気に疾駆し一瞬でデブリッツに肉薄する。そして渾身の右ストレートがその巨体の中心、水月を狙い撃つ。一連の動きに要した時間は約2秒、常人でも捉えられないほどの動き。肉塊が避けれるはずがない。
しかし、ジョニパッチよ北斗の掌のラブ様って知ってるか?そいつは拳法殺しと呼ばれていて、だげきや秘孔に関する攻撃が厚い脂肪によって一切効かないのだ、もう結果はご察しの通りです。
「嘘だろ?なんで、今確実に捉えたはずなのに……」
「お前の動きなんて横断歩道渡るカタツムリ並みにに遅いわ!」
「がっ!」
拳が届く寸前、デブリッツがあり得ない速さでジョニパッチの後ろに回り込み蹴りを入れた。
そして反撃をする間もなく、倒れたジョニパッチを四方八方からの高速攻撃で叩きのめした。
「残念だったなぁ、脂肪血界限壊は脂肪を液状化、体内で高速循環させることで爆発的に身体能力を高めるんだ!今の俺は常時の約数十倍で動けるぜ?」
地面に叩きつけられ全身に激しい痛みが走り、口から血が零れる。致命傷ではないもののかなりのダメージを貰ってしまった。
その体にはちゃんと意味があったのだ。動けるデブはモテるそうだ、まさにこいつのことだ。デブのくせに。
「くっそ、やばいな。このままじゃ負ける」
何か手を考えないと、簡単にくたばってたまるか。特性が厚い脂肪じゃなくて加速だったとは意外すぎだぞ、デブのくせに。
軋む身体を叩き起こし何とか立ち上がるが、攻撃が当てられないこの状況ではさっきの二の舞だ。状況は悪い局面へと傾いた。
だがそのタイミングを見計らったように鼓膜を震わす大音声が響き渡った。
「じゃーじゃじゃじゃっじゃ!ジャスティス!!正義なきこの世に光明もたらす我が野心!悪にまみれたその心、正義のダイナマイトで大爆破☆!」
高らかに笑うその声は正門から聞こえ、デブリッツとジョニパッチの視線がそちらへ向かう。
そこにはI♡正義のTシャツにジーパンの姿の男が倒れ伏したジャアック戦闘員の山に立っていた。
「お前俺の部下たちをよくも……誰だ、貴様!」
「地獄からの使者、じゃすてぃすたけ……」
「じゃすてぃす武田だなお前!お前のせいでこいつら来たんだよな!?」
颯爽と登場したのにジョニパッチが遮った。空気の読まないツッコミ役だ。せめてお決まりのセリフは言わせてあげるものだと思う。
「ねぇ?登場セリフに被せんなよ!せっかくのテロリスト感台無しなんですけど?けど、こっからは俺のステージだからな!」
「鶏コスプレの北京ダック野郎がよく言うぜ。だけど今厳しいから任せていいか?」
「期待しとけ、俺は強いからな。安心して結末見てな」
前回を見る限りどのあたりも安心できないが、きっとあれはおふざけなのだろう。今回に限ってはふざけずにやってくれるはずだ。
そう信じてジョニパッチは二人から距離を置いた。
「さて、ラードの塊。お前は俺が今からぶっ倒す!」
「俺はラードじゃねぇ!牛脂だ!俺を愚弄するやつはミンチになるまで叩き潰すことに決めてんだ。覚悟は良いな?」
ラードも牛脂も変わらないと思うのだが、彼には気に障ったらしい。先ほどまでとは一線を画した怒気がデブリッツから発せられる。その雰囲気でわかる、こいつは強いと。
「ああできてるさ、バリカタ油マシマシを頼んで後悔するくらいにな。見せてやるよジャスティス神拳を」
そう言ってじゃすてぃす武田はデブリッツと対峙した。冷静にも見えるその瞳には静かに正義の炎が燃えていた。
次回予告
ついに明かされるじゃすてぃす武田の能力!その型破りな力でデブリッツを倒すことができるのか。正義は必ず勝つこのフラグを建築することはできるのか。
第4話「じゃすてぃす神拳」
次回もじゃすてぃすって行こう!
読んでいただきありがとうございます。この話、なんでもありですから!