逆転論破 大正義の逆転
絶望なクリスマスが過ぎて~この野郎と思う最近この頃
『本日のニュースです、昨夜ジャアック城執務室で殺人事件がありました。被害者は最高指揮官マボボ・テシハン(69)喉を鋭利な刃物で切り裂かれたことによる失血死と見られています。帝国の最高指揮官という事もあり、警察は犯人の捜索を急いでいます。未だ犯人に関する決定的な証拠は発見されておらず、捜査は難航しているとの事です』
「それでは開廷します」
法服に身を包んだ老人が裁判長席の座った。裁判長と言ったら想像できる禿頭と筆のような白い髭。この裁判における最高決定者。
これは裁判、被告人が有罪か無罪か判決を下し、その罪を定める場。
「弁護側準備完了しております」
「検察側、言われるまでもない」
弁護側、検察側と共に立証の準備は整っていることを宣言した。これから彼の審理が始まろうとしていた。
弁護人こと僕は武田リオン。とある組織のリーダーなのさ、今回は弁護士として彼を作戦の要に送り込むはずだったのだけだどアクシデントで、殺人事件の容疑者のされてしまったのだ。なんてこった、パンナコッタ。
「うむ、蟻馬検事冒頭陳述をお願いできますかな?」
「了解だ。それではこの事件についての概要を説明しよう」
資料に目を配らせながら冒頭陳述を始める検事は蟻馬千治、敏腕検事と名高く数々の事件を有罪にしてきたエリートだそうだ。彼の立証には穴が無く完璧を信条に法廷に立つのだとか。
「事件は先日、ジャアック城最高指揮官執務室で起きた殺人事件だ。被害者はマボボ・テシハン69歳、死因は喉を鋭利なものによって斬られたことによる失血死。死亡推定時刻は◯月✕日の16~17時と見られている」
「いたたまれない事件ですな、よもやこういった形で彼が亡くなるのは予想もつきません。冥福を祈るばかりです」
裁判長が露骨に肩をすぼめる。きっと被害者と知久の仲だったのだろう、心が痛む。
ここまでは朝のニュースで少しは知っている情報だ。問題は何故被告人が起訴されることになったのかという理由だ。なぜなら彼はそんなことはしていないからだ。
「本当です。警察が被疑者として逮捕したのは、事件が起こる前に城に侵入し被害者と直接会ったの人物です。検察側は彼をこの事件の犯人として起訴した。それに基づく証拠と証人もいる。以上です」
「その被告人に話を聞くほか事件の手がかりはなさそうですね。早速被告人に入廷してもらいましょう」
そう、この事件の被告人はジョニパッチなのだ。彼はこの事件とは無関係だ、それは僕が一番知っている。だってただ捕まるためにそこに向かったのだから。
「被告人、名前と年齢、職業をお願いできますか?」
「ジョニパッチ・ダリュラ・バルドギュス……です。21歳、カッピョラで警官をしています」
黒のスーツに身を包んだ高身長の男、平凡な顔立ちのそれはまさしくジョニパッチだ。法廷の場ではさすがに場をわきまえた格好をしている。
「それで被告人、貴方は何故その被害者の部屋へ向かったのですか?」
「ただ、話を聞きたかったそれだけだ」
彼は俯きぽつぽつと話す。実際問題彼は本当に何も知らない。それは留置所でも話を聞いたし、その指示を下したのは僕だ。
「ではなぜ、ハロウィンの仮装をして城に侵入した?わざわざそんな事をしなくてもアポを取ればよかったのではないか?それに話の内容も何故黙秘する」
「そ、それは……」
蟻馬検事が追求する、ジョニパッチが逮捕された状況は不可解であった。城に侵入、その後被害者と何かを話し警備員に連行されたというものだ。警察からの情報でも不審な点は多い。
「何か話せない内容だったのか?黙秘するという事は君の心証を確実に悪くする。それにもかかわらずするのだな?」
「できません。けど俺はやっていません」
あの場での話した内容を話さないジョニパッチ。証言の拒否はイコール、疑惑の念を深めるだけだ。そんな事をするという事はよほどの理由があるのだ。
「すみません、これでは被告人には話せない事情があったんんじゃないでしょうか?」
「弁護人、事情がどうであろうと事件の根幹に関わる時点で証言はしなければならないだろう」
「それでも被告が話したくないと言っている以上、事件に決定的な関りが無ければ証言させることはできません!」
「ではそれを証明したらいいのだな?最も話を聞く前に立証できそうだがな」
有馬検事は追及の厳しい検事だ。完璧をモットーにしてる以上、偽証は許さない。ましてや知っているのに話さないなんて持ってのほかだ。
「まぁまぁ、蟻馬検事落ち着いて。被告の犯行を決定付ける証拠と証人がいるのでしょう?それならばその証拠と証人で検察側の立証してくれませんかな?法廷では証拠のみが真実を語りますから。武田君いいですよね?」
裁判長が両者を諭し、事件の本題へと入るよう促す。この状況では埒が明かない、そう判断を下したのだ。
「ふん、話していれば情状酌量の余地があったものを……」
「なんかすみません……」
「この事件の決定的場面を目撃した証人に入廷していただこう」
蟻馬検事はそう言って証人を入廷させた。係官に連れられた証人は甚兵衛を着た青年だった。
「それでは証人、名前と職業を」
「あいあいさー、六角翡翠。城の警備員してっす」
裁判長の問いの対してもふわふわと答える掴みどころのない人物だ。何というか証人としては少し信用ないような感じもする。
「彼は死体の第一発見者だ。信用に足る証言をしてくれるだろう」
蟻馬検事の追加の情報が語られた。この人が第一発見者なのか。
「それでは早速だが証人、証言をお願いします」
「うーっす」
この投げなけにも軽い対応をし、とても軽い感じで証言が始まった。
だが、彼の証言がカギなのだ、そこでジョニパッチがクロかシロかはっきりする。シロなんだが。
「俺事件の日、警備の交代で執務室向かったんですよ。そしたらなんか仮装した男がいて、話しかけたたらよくわかんないんすけどデブリッツさんの事で話があるらしかったんで。そのまま通しちゃいました。その後不審者の侵入で執務室に衛兵たちが集まってその仮装男が連れられて行ったんす。その後は誰も執務室に入っていなかったすね。業務時間が過ぎても部屋から出てこなかったので不審に思って扉を開けるとそこには総統が無残な姿で……」
その言葉を最後に証言は終わった。
「少し辻褄が合わないような内容でしたな。しかし何らかのトリックがあったのでしょうか。ついでに蟻馬検事状況証拠の提出をお願いします」
裁判長の指示で事件証拠が提出された。もちろん弁護側も見れる共有のものなのでよく確認しておく必要がある。
「……現場写真に司法解剖、それと被害者が使った拳銃とその弾。あとはこれか……」
証拠品を確認していく中で少し気になるものがあった。何故ロリっ子百科事典と熟女百選の本があるのだろうか。いやきっとこいつは重要な証拠に違いない。
「私が提出できる証拠は以上だ」
「わかりました受理しましょう。では弁護人尋問をお願いします」
蟻馬検事からの証拠品を受理した裁判長。そして次は証人への尋問だ。
「はい、それでは証人にいくつか質問します」
証人に対する尋問、それは弁護人が真相を明らかにするためにできる唯一の事。この尋問で少なくともジョニパッチの容疑を晴らす。
「本当は被害者を殺したの人物は別にいたんじゃないですか?そしてあなたはその瞬間を目撃した」
「なっ、それは!第三者の可能性という事でしょうか!?」
「バカな!そんなハッタリこの場を繋ぐことにさえなっらない!そもそも根拠がないだろう!証人の証言は十分筋が通っている」
武田は一縷の希望を見出すように鋭い双眸を六角翡翠に向ける。その発言に法廷はどよめき、六角自身も引き攣ったような表情を見せる。
「みなまで言わなくてもわかってますよ。証拠はもちろんありますから!」
少しひと段落してさぼってました
昨日はSOXの日でしたね、S〇〇の回数が多いのはXmas!雪も降ったのでホワイトクリスマス!
……あれですね、逆転裁判が好きです。