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転移転生者が嫌われる世界で俺は成り上がる!  作者: ヨッシー
第2章 ダークエルフの国
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第59話 ヤンデレメイド

 俺はまたヴァイスに再会することが出来た。

 俺はヴァイスに再び出会えた事に驚き、そしてお互いにとても喜んだ。


「カズト様、久しぶりなのです!」

「ヴァイスじゃないか!どうしたんだ、こんな所で。」

「はい、カズト様が拐われた時にカズト様の匂いを辿って来たのです、凄いでしょう?」

「ああ、ホントにすごいよ。」


 ヴァイスがここまで来るなんて思わなかったよ。

 ただ、ちょっと辿り着いた方法が怖いけど………。

 それにしても何か雰囲気が変わったような?

 虚ろな目だし、それに何故か恐怖を感じてくる………。 


「カズト様、一つだけ聞きたい事があるのです。」

 

 するとヴァイスが俺に対して質問をする。

 俺は何故か嫌な予感がした。


「な、何だヴァイス?」

「カールを探しているのですが、どこに居るのか知っていたら教えて欲しいのデス。」


 そう言いながらヴァイスの右手には日光で銀色にキラキラと輝くナイフを持っていた。

 俺はそのナイフを見て、背筋が凍りそうになった。


「なあ、ヴァイス?」

「何デスか、カズト様?」

「その刃物でカールに何をしようと思っているんだ?」


 俺がそう言うと、ヴァイスは微笑みながら答えた。


「何を言ってるのデスか?カズト様の付き添うのを邪魔したから、あのカールという男を殺すのデス。」


 俺はそのヴァイスの発言に頭を抱えた。

 ………えっーと、待てよ。

 これはヴァイスがヤンデレになったという事なのか?

 まさか、俺がカールに拐われたからこんな事になっているのか!?

 マジかよ!これはどうにかしてヴァイスに殺人をさせない様にしないと。

 そうなればヴァイスはすぐに処刑されてしまう!!


「ま、待てよヴァイス、何もそこまでやらなくても………。」

「いいえなのデス。私とカズト様を無理矢理離したあのクソ野郎には制裁が必要なのデース。」


 ちょ、ちょっと!ヴァイスさ~ん、キャラ変わってますよー。

 あの優しくて可愛いヴァイスは一体何処へ………。

 その時、誰かがドアの向こうから声を掛ける。


「おーい、カズト!さっき連絡が入って皇帝居館から急いで来たけど大丈夫か?」


 そこに居たのはヴァイスに今殺されそうになっているカールだ。

 多分、俺を心配になって来てくれたのは嬉しいけど、何故こんな時に来たんだよ!


「ん?この声はあのクソ野郎の声デスね………そこに居るのデスか。カズト様を呼び捨てにするなんて万死に値するのデスよ?」


 オリヴィアの時にも万死に値するって言ってたけど、その言葉ホントに好きだな………ってそんな事を考えている場合ではない!

 早くカールをそこから逃がさないと!

 

「カール、早く逃げろ!」

「今のはカズトの声か?ん?何だって?早く入れ?よしカズト待っててくれ、今から入ってやるよ!」


 俺はカールに逃げるように諭すが、カールは聞き間違えたのか部屋に入ろうとドアノブをガチャガチャと回す。


「飛んで火に入る夏の虫とはこの事deathね。部屋に入った瞬間、このナイフで殺るのdeath。」

「カズト!待っててくれ!今予備の鍵を持ってきて貰うから。」

「フフフ、そんなのは必要無いのdeath。だって私が持ってるのdeathから。」


 ヴァイスさん今、語尾が変わってますよ?

 英語で死を意味する言葉に聞こえましたが………。


「気のせいdeathよ?カズト様、私がそんな事を言わないのdeathよ?」


 ヴァイスが俺の思った言葉に答えた……だと………。

 本当にどうしたんだヴァイス!?

 するとヴァイスはナイフを持ちながらゆっくりと扉の方に近づく。


「さあ、早く開けるのdeath。早く早く早く早くなのdeath!!」


 すると突然扉が開くと、ヴァイスは扉の方にナイフを前に向け跳びかかろうとしたが。

 扉が異様に早く開き、ヴァイスは扉にぶつかり、そのまま壁と扉の間に挟まれた。

 急に扉が開いた為、ヴァイスは避けきれず、壁に頭をぶつけた衝撃でヴァイスはナイフを落とし、そのまま気絶した。

 部屋の出入り口ではカールとマルクス、そして衛兵が何故か目を丸くして呆然と立っていた。

 一体どうしたんだろうと思い、よく見てみるとシルヴィが扉を足蹴りして開けていた。

 扉にはヴァイスの足蹴りで足の形をした凹みの跡があった。

 彼女はゆっくりと足を下げ、俺に向けて微笑む。


「カズト兄!ダイジョブですか、何かされたりしませんでしたか?」

「うう、うん、大丈夫だよ!」

「そう!良かった。」


 じゅ、獣人ってめっちゃ筋力があるのか?

 この世界で俺が一番弱いんじゃないか、マジで。

 シルヴィの八重歯の牙もなんか怖く感じてきたよ。

 でもそこに居るマルクスもドン引きしているしな、シルヴィだけ特殊なのか?

 すると正気を取り戻したカールが声を掛ける。


「か、カズト!お前大丈夫か?それと犯人はどこに居るんだ?」

「あ、ああ大丈夫だよ、それに犯人じゃなくてうちのヴァイスが久しぶりに会った事で甘えていただけだからおとがめ無しにしといてくれ、今、(うな)されながら扉と壁の間に居るよ。」

「ヴァイスって……ああ、お前の専属メイドの魔族か!それなら別に大丈夫だ………って衛兵!!お前知らない奴を勝手に入れるな!カズトの命を狙う奴だったらどうするんだ!!」

「ま、マジで魔族を入れた覚え無いッスよ!!」


 まあ、ヴァイスは誰もまだ殺してないからカールを殺そうとした事を言うのは内緒にしておこう。

 すると、扉と壁に挟まって気絶していたヴァイスが目を覚める。

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