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転移転生者が嫌われる世界で俺は成り上がる!  作者: ヨッシー
第1章 純潔の戦姫
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第18話 昇降機

 俺達はゲルマニアの外務大臣が泊まるホテルに入る。

 ホテルに入るとロビーが目の前にあり、ものすごく広い。

 中央には何かの女神の像が立っていて、その上には巨大なシャンデリアが吊るされており、それによって像がキラキラと輝いていた。

 客はハーフエルフか普通のエルフが多く、人間や魔族などの他の民族の姿はなかった。


 「ヴィルヘルミナ様、ヴァイス様、それにニホンジン。今からエレベーターに乗りますので付いて来て下さい。」


 そう言うと、エレベーターがある。

 普通では見られない頑丈な造りではない中が丸見えの蛇腹式の内扉である。

 俺は驚き、言葉を漏らしてしまう。


 「………え、これ危なくない?」


 そう俺が言った途端、フレイヤとレナが振り返る。

 彼女等の顔は呆れた顔をした。

 フレイヤは嘲笑う


 「お前、エレベーター見た事無いなんて、ド田舎から来たのか!?」


 俺はイラっとして、フレイヤの言葉に対して鼻で笑い反論する。


 「いやいや、だってこんな扉が細い鉄で出来た蛇腹で中が丸見えなエレベーターを初めて見たから………。」

 「………カズト、これは我が国が製造した最新鋭の昇降機よ。」


 レナが真剣な眼差しでこちらを見る。


 「貴方の世界の昇降機は頑丈なのかもしれないけど、我が国の製品を馬鹿にするのは止めて欲しいわ。」


 俺は黙る事しか出来なかった。


 「それにフレイヤもあまりカズトを苛めるのを止めなさい。さっき馬車の中で私言ったよね?」


 レナがフレイヤにそう叱ると、フレイヤは呆れ、溜め息をつく。


 「ヴィルヘルミナ様は何故そこまでニホンジンの彼を庇うんだ?」

 「そ、それは彼が私の命の恩人だから………。」

 「解ってる、だがオレはそれ以外の事があるんじゃないかって考えてるんだよなぁ。」


 レナはフレイヤの発言にドキッと驚き、動揺する。


 「ほ、他に何があるってのよ!?」

 「オレの考えなので、有り得ないと思っているが、あのニホンジンを好いている、とかだな。」


 フレイヤはニヤリとそう言うが、俺には理解出来なかった。

 レナが俺の事が好きだと?

 冗談にも程があるだろう。

 出会った時に銃を向けられ、殺そうとしていたアイツがか?

 逆に惚れる要因は一体何なんだ?

 彼女の怪我を治した事か?

 エトルリア兵に襲われていた所を助けた事か?

 考えても答えが分からない。

 するとフレイヤの言葉にレナの顔は一瞬にして真っ赤になり、激怒する。

 

 「ば、ばばば馬鹿言わないで、あ、あんな人を好きになるなんて、どどど、どうかしてるわ!!」


 レナはそう言うと、俺とヴァイスの方向を向く。


 「ど、どうでもいい話は置いといて、は、早くエレベーターに乗りましょう!」


 レナは俺の空いている手を握ってエレベーターの方向へと引っ張る。

 ヴァイスは手を繋ぐ嫉妬でか、レナを睨むが、俺はそれに気づいていなかった。




 エレベーターに乗り込み、フレイヤが蛇腹式の引き戸をカラカラと音を立てながらゆっくり閉める。

 閉まった事を確認して、中から見て扉の右側にこの世界の数字の文字が書かれていると思われるボタンが無数にあり、一番上のボタンを押す。

 そして、ボタンのすぐ下側にハンドルがあり、フレイヤがそれを右側に傾ける。

 すると、モーター音をブォーンと立てながら上っていく。

 危なそうな見た目と反して、安定した上りを見せていた。

 目的の階に着くと、フレイヤはゆっくりとハンドルを戻し、誤差無しでピタリとその階に平行に止める。

 フレイヤが引き戸を開ける。


 「………着いたぜ。」


 エレベーターを降りると、レトロな雰囲気が感じるフロアである。

 その階には多くのスーツやタキシード、豪華な軍服を着たエルフが廊下に居た。

 多分、外交官や偉い軍人などの要人だろう。

 彼等が俺達を見た途端、廊下の端に並び、一斉に跪く。


 「さあ、行きましょう。」


 レナがそう言い、先陣を切る。

 跪いているエルフの前を歩いていくと、俺に対しての視線が痛い。

 そこまで日本人、というより異世界から来た人間は冷たく接するのだろう。

 逆にヴァイスに対しては温かい目で見守っている感じであった。

 彼等の前を通り過ぎ、大臣の泊まっている部屋の前に来た。

 フレイヤが部屋の扉を軽く二回叩く。


 「フレイヤ、今到着しました!」


 そう言うと、扉の奥から足音が聞こえ、ゆっくりと扉を開く。


 「フゥーレェーイィーヤァー!!やっと来たか貴様、今何時だと思っている!?もう会議は終わって晩餐会の時間だぞ!!!」


 そこに居たのは一人の背の高い、青年の美形の男エルフであった。

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