公園
しかたないのでとりあえず逃げないと約束して姫プーは公園に連れて行ってもらうことにしました
まあしかたないわ、隙をみて今度逃げることにして、今日は公園で遊ぼっと
あのアパートに閉じこもってたらきのこ生えちゃう
日光浴日光浴
道を歩いていると気持の良い風が吹いてきました
あ、これで体についたきのこの胞子が吹き飛ぶわね、なんて姫プーは思いました
公園についた草太は植え込みの陰に古いテニスボールを見つけました
「あ、姫プーいいもん見つけた」
そう言って草太は拾ったテニスボールを池の方に向かって投げました
ボールは公園のはしっこの柵ギリギリのところまで飛んでいきました
あら、花沢くんいい肩してるわね
体は小さいけれど
「じゃっ、今度は姫プーの番ね」
それっと言って草太はもう一度ポールを投げました
姫プーの番ねじゃないわよ
花沢くん、あなたが取ってらっしゃい
「きゃわ」
「えっ、また俺?」
しょうがないなと言って草太はまた走ってボールを取りに行きました
そしてこのやり取りは草太がクタクタになるまでくり返し続けられました
傍から見れば自分でボール投げて自分で取りに行ってるバカな男と、それを冷笑して見ているプードルなのでした
でも公園から帰る二人の後ろ姿はとても楽しげに見えたりもします
姫プーさん約束どうり逃げずにボロアパートに帰るんですねえ…