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草太の過去

「ん?」


「俺がどーしてこんなに貧乏なのか知りたいって顔してるな、姫プー」


「まあ話せば長くなるんだけどさ…」


「聞く?」


まああなたのことに興味はないけど暇だから聞くわ


「きゃんきゃん」




草太が姫プーに語ったのはこんな話でした




草太は小学校のときはそこそこ人気者だったのです

でも五年のときに、草太にとって悪魔のような女の子と同じクラスになってしまったのです

政治家の娘である彼女は花沢草太と言う名前の花と草もじってハナクソと言うあだ名をつけました


中学に入ってからはそのあだ名がからかいの対象になりました

それが原因で学校を休みがちになった草太は世間体を気にする両親によって高校はアメリカの学校に進学させられました

その留学費用が花沢家の家計を圧迫し両親は不仲になり離婚してしまったのです


草太は日本とアメリカを行ったり来たりしていましたが、三十を期に日本に定住することにしました


アメリカのハイスクールも中退したので草太には学歴がありません

その為定職には就かず、日雇いの派遣やパソコンでの印刷物の版下作りの内職などをして、今は細ぼそと暮らしています

もともと労働が嫌いなのでほんとにぎりぎり必要な額しか稼ぎません

その日暮らしに近い生活を送っているのです




「でも俺、充分幸せなんだ」


「明日はスーパーの棚卸しの派遣があるから姫プーには寂しい思いをさせちゃうけど…我慢してね」


うん、じゃあ逃げるのは明日にしよう

暗くなってきたし外雨降ってるし

あー早くペットショップ真帆子に帰りたい

あそこには私専用のカッシーナの座り心地の良いソファーがあるし、オーナーの真帆子さんもトリマーの雪乃ちゃんも超優しいし…


それにしても小学生ってほんと、たち悪いわねぇ

私にもあるわ小学生のときの嫌な思い出


中学からは私立だったんだけど父がお祖父様の地盤を引き継いで選挙に立候補する都合上子供は公立の小学校通ってた方が好感度いいだろうっていう理由で公立に入れられた


ほんと周りの子たちと合わなくて合わなくて

隣の席の男の子にハナクソつけられたりして、もう気絶しそうになったわ


ブルブルッ

思い出したくもない

だから私、小学校時代の思い出は封印してるの


花沢くん、あなたもそうしなさいよ


…ん?花沢…草太…?

なんとなく聞き覚えがあるような…


まっ、多分気のせいね






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