さゆみってば…
「…返す」
「え?」
「ごめん、俺この前嘘ついた」
「姫プーは多分真帆子さんとこのプードル」
「だから…真帆子さんに返す」
そう真帆子さんに告げた草太はとてもつらそうでした
その時です
フラフラと姫プーが立ち上がりました
ちゃっとお座りしたかと思ったらお手をしました
そしてその後ヨタヨタとうっふんをしました
真帆子さんと草太はその姿を見て思わずハッとしました
うるうるっ
もう、さゆみってば
この期に及んでもまだ別のプードルだと思わそうとするさゆみさんに真帆子さんは涙しまた
…しょうがないわね
深いため息をついたあと真帆子さんは草太に言いました
「さては…あなた、医療費を払うのが惜しくなったのね」
「そうはいかないわよ」
「この子はあなたのプードルなんだから」
「ここの治療費14000円はちゃんと返してもらうわよ」
「さあその子を抱いて車に乗りなさい」
「アパートに送って行くから」
あ…
真帆子さん俺と姫プーのこと認めてくれたと、草太は思いました
…ちゃんとしなきゃ
働かなきゃ
自分もいつまでも逃げてはいられない
姫プー、俺姫プーのために働くよと車の後部座席で草太は小さくつぶやきました
真帆子さんと連絡先の交換をして草太と姫プーはボロアパートの前で車を降りました
時刻は午前三時をまわっておりました
走り出した真帆子さんの車を見送って草太は思いました
あれ?俺、道案内しなかったけど真帆子さんどうしてここがわかったのかな?
…
そうか…
そういうことか
姫プーはいい友達を持っているなと思いながら草太はアパートの階段を姫プーを抱いて上って行きました




