きのこ
起きて、花沢くん起きて
「きゃんきゃん」
「うーん姫プー…今日は派遣ないからもう少し寝かせて〜」
草太は押入れの中で寝返りを打ちました
事件よ!花沢くん!起きなさいっ!!
「きやんきゃん!」
「もう、なに姫プー大げさな…」
押し入れの上の段に寝ていた草太はよいしょと降りてきました
そして「わっ」と叫びました
草太が目にしたものは畳に生えたきのこだったのです
「うわあ、姫プーがよくきのこの生えそうな畳って言ってたけど…」
「本当にきのこ生えてきた〜」
北の窓の下畳のへりの間から二本ほどきのこが生えていました
私の予想が当たったわ、花沢くん!
「きゃんきゃん」
「いやーまさかほんとに生えてくるとは…」
「これ味噌汁に入れられないかな…」
そう言って草太はきのこに近づきました
ダメーっ
「ガルルルルーッ」
慌てて姫プーはきのこの前に立ちはだかりました
「…冗談だよ姫プー、いくら俺が貧乏でも畳から生えてきたきのこは食う気にはならないよ」
「姫プー…なんかきのこ生えてきたの喜んでる?」
そんなことないわよ
「きゃん」
「いや、でもさっきからずっと目が釘付けだよ」
そんなことないわよ
「きゃん」
そんなことあります
なぜならこの日姫プーさんは朝から晩まできのこを眺めていましたから
そう言って振り返った姫プーさんの目にはうっすら涙が浮かんでいました




