表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/29

第参話 《疑問だらけの深谷龍馬》

《疑問だらけの深谷龍馬》


二千二十二年、四月十三日。

「じゃあな龍太!」

アホなクイズも授業も終わり、夕陽が校舎を照らす。

今日一日、とても長く感じた。

高梨龍太としての日常を演じて、しかしただ平凡に過ごしていた。

すごく、楽しく感じた。


俺は、深谷龍馬は去年のクリスマスイヴに死んだ。

駅のホームで、背後から誰かに押されて。


そして、高梨龍太になった。


俺が、なぜ高梨龍太になったのか。

高梨龍太は、少し根暗で人見知りだったらしい。

龍太は死にたいと願ったのだろうか?

それで死んだ俺と入れ替わって……いや、きっと違う。

何か、何か理由があるはずなんだ。


病室で目が覚めた時、隣にいた彼女は、佐藤月羽という名前らしい。

聡に聞いても、分からないという言葉しか返ってこなかった。

母親や、先生に聞いても。

なぜ泣いていたのだろうか、なぜ俺の隣にいたのだろうか。

それだけが、ただ疑問で仕方がない。


そして、俺を殺した犯人。

突き飛ばされた瞬間に見えたのは、フードの下に隠れた笑顔だけ。

深谷龍馬を殺す時、奴は嘲笑うようにして俺を……。

考えるだけで悪寒が走る。


結局、今は分からないことばかりだな。

でも、せっかく高校生になったんだ。


灰色の人生には、もう戻れない。


戻りたくない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ