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第弐話 《親友が出来た深谷龍馬》

《親友が出来た深谷龍馬》


二千二十二年四月一三日

「よっ!龍太!」

朝から陽気な声が、頭に響く。

高校生と言うのは、未知のエネルギーを隠し持っているのだろう。

高梨龍太も、そうだったのだろうか。

「……おはよう」

「お?元気ないな龍太」

こいつは原口聡。

この高梨龍太の幼馴染であり、親友らしい。

「いつも通りだろ」

「あ?そうか?」

「ほら、急がないと遅刻するぞ」

「お、おう!」


俺は、高梨龍太じゃない。

だから、聡の事も知らないし、周りの交友関係についても情報はない。

唯一救いだったのは、医者にショック性の記憶障害と判断されたこと。

それによって、話の矛盾が起きたとしても何とかなる。


「なあ龍太、お前どこまで覚えてるんだ?」

「は?」

「えっと、記憶喪失なんだろ?」

「まあ、そんなもんだな」

違う。

「俺の事も微妙だったし、中学の奴らとか覚えてんのかなってさ」

「うーん……多分少しなら」

「……おし!じゃあ中学の頃クイズ出してやるよ!」

「図書室で大声出すなアホ」

周りの視線が聡に突き刺さる。

「す……すんません」

「中学の頃クイズって何だよ」

「まあまあ」

中学のアルバムと文集は、とりあえず見てきた。

スマホのトーク履歴も一応。

大丈夫だろう。

「第一問!」

「はい」

先生の名前とか、仲良かった奴の趣味とかかな。

「田中がお前に告った時、俺はどこで何をしてたでしょうか!」

「ハイワカラナイ」

「なっ……序の口だぞ!」

分かるわけないだろうが!!!!!

田中?告った?知るかそんなの!!!

それもお前の事って!!馬鹿なのかお前!!

「あのな……もう少し簡単なのを頼む」

「しゃーねえな、第二問!」

次こそは大丈夫だろう。

「三ツ島先生が授業中にブチギレた時……」

おお、文集に書いてあったぞそれ。

確か『おまんらなめとんじゃねえぞ』だよな……。

美人な先生だったらしいし、その時はクラス全員が凍り付いたらしい。

「インフルで休んでいた俺は、何のゲームをしていたでしょうか!」

「ぶっ殺すぞテメエェェェェェェ!!」

高梨龍太、お前も大変な親友を持ったな……。


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