第弐拾参話 《三浦秋穗と、深谷龍馬。》
《三浦秋穗と、深谷龍馬。》
「高梨君って、なんか龍馬に似てるよね」
「……は?」
「いや、なんか話し方と言うか……雰囲気と言うか……似てるの」
こいつ……。
「龍馬先輩とよく話していたから、それでじゃないですかね」
「そうだよね!」
「……秋穗さんは、龍馬先輩の事好きだったんですか?」
「なっ……!」
仕返しだ。
「だって言ってましたし」
「そ……それは……」
「どうなんですか」
秋穗は顔を真っ赤にしながら、こちらを睨む。
「もう……!高梨君って結構意地悪だね!」
「……はあ」
「あ、そろそろ降りるよ」
ここは……。
「龍馬が事故にあった場所、切花駅だよ。高梨君はあまり知らないかな?」
知っている。
ここで俺は、深谷龍馬は朔夜に……。
「あのね、ここの防犯カメラの映像を見せてもらえるの」
「ほ、本当ですか!」
「ええ。でも……」
「……どうしました?」
「龍馬が事故に遭う瞬間の映像なんだけど、高梨君は大丈夫?」
「……はい」
「…………じゃあ、行こっか」
ここは、事務所だろうか。
初めて入ったが、またこれは地味な……。
「こちらになります」
駅員が持ってきたのは、少し埃の被ったポータブルプレーヤー。
それと一枚のディスク。
きっとこれに、入っているのだろう。
「じゃあ、見終わったらまた声を掛けてください」
「あ、分かりました」
ディスクの表面に書かれている。
『二千二十一年、十二月二十四日。防犯カメラ映像』
その文字を見て、俺は胸を手で抑える。
自分が、この日殺されたのだと。
「……じゃあ、再生するよ」
「はい」
「……あれ」
「どうしました?」
「……飛ばすのって、どうすればいいの?」
「はぁ……」
「ちょっ!何その呆れた表情!」
確か俺が死んだ時間は、仕事が終わって帰る時間……。
夜の十時くらいか?
ここを長押しして……。
「ストップ!これ!これ龍馬だよ!」
夜のホームに立つ、スーツを着た男。
それは、彼女にも、俺にもすぐ分かる。
深谷龍馬だ。
「あれ……?ここ!」
「……なっ!」
そしてその後ろの柱に隠れる、人影。
「これって……高梨君……じゃ……!!」




