第十三話 魔術発動……早速壁にぶち当たりました。
更新が遅れてすみません。今回から数話は再び本編に戻ります。
「へんげ!まめしゅけ、はむしゅたになぁれ!(訳:変化!マメ助、ハムスターになぁれ!」
ボン
「あれれぇ~?これって…………はむ?」
『……おい、姫さんよぅ……』
「しめじゃないよリーナだよ?あははは。しゃべりゅはむっておもちろいかも(訳:姫じゃないよリーナだよ?あははは。喋るハムって面白いかも)」
皆さま、ご無沙汰してます。子ウサギリーナです。
只今カテドラルにて魔法の特訓中です。ういずマメ助で。
何でマメ助と一緒に特訓しているか…って言うと、彼等の中でマメ助が一番防御魔法が得意らしいから。
では、何で、今、魔法の特訓をしているかと言うと……
『そなたの最初の患者が決まったぞ?そのウチ会わせるから変化だけでも練習しておくのじゃ』
……と、まあいつもの如く夢の中に出てきた和神に言われてしまい、事情を知っている“彼等”にこうして付き合って貰っている訳である。
そうそう。こっちの教育施設にも長期休みがあるらしい。今はその真っ只中なのだ。
姉ちゃんズは合宿後にママンと合流して一緒にじーじ(ママンのじーじでニホンオオカミさんです)宅に。兄ちゃんズも同様。使用人の皆さんにも休みを出している(勿論有給休暇よ?)ので、家には私しかいない。
………忘れるところだった!!パパンはお仕事ですよ。お城の警備には長期休暇があまりないのです。その上、お泊りになる事もしばしば。
そうそう。あの日の事を思い出すと今でも“遠い目”になるよ。うん。
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「リーナたぁ~んっ!」
私がアノ夢を見た翌朝…つまり、幼稚園の長期休みの最初の日なんだけど、ゴンタ…もとい、大司教様は神官達をゾロゾロ連れて私を迎えに来た。
実は、私が和神と契約?(…って言うより一方的に押し付けられたって感じだけどさ)した事はゴンタ達以外には知られていない。
故に、今朝、竜神から神託があった…という御大層な理由で彼は真っ白なズルズル集団を引き連れてやって来たのだ。
私の顔を涙で汚しながらスリスリして離さないパパンを、顔を引き攣らせながら宥めようとするゴン…じゃない!大司教様。
「隊長殿、御嬢さんには神託が降りてます」
「何度も言わずともわかっておるっ!!だが、俺がこのひと時をどれほど待ちわびておったか…!!愛しい娘とずぅーーーーーーーーーーーーーーーーっと共にいるこの時を!!」
ちなみに、私より一足早く長期休みに入った姉ちゃんズと兄ちゃんズはそれぞれ外出中です。ママンはお仕事です。
「……心中お察しいたします」
「ならば娘を連れて行く事は出来まいっ!」
「……神の思召しでございます」
「ええい!竜神よ!貴方はどれほど無情なお方なのだ!!この哀れな父の心の叫びを聞くがいい!」
「………はぁ~~~~~~~~~~っ(溜息)」
長い溜息をつき、私の顔を見てアイコンタクトをする大司教様。
……うんうん。わかってるよ。
私はパパンに見つからない様に大司教様に向かって小さく頷くと、パパンの手を掴んだ。
「おとーたま?(訳:お父様?)」
「ぐすっ…ひっく…リーナたん?」
「わたち、かてどりゃりゅにいきましゅ(訳:私、カテドラルに行きます」
「リーナたん……」
「ね、おとーたま、きいてくだしゃい。わたち、まだおちごとちてまちぇん(訳:ね、お父様、聞いて下さい。私、まだお仕事をしてません」
「リーナたんはまだ小さいからそんな事しなくても…」
「でも、ねーたまたち、にーたまたちはがくえんのおちごとを。
おかーたま、おとーたま、のんなたちも、おうじちゃまたちやおうちにくるひとたち、みんなおちごとちてましゅ(訳:でも、姉様達、兄様達は学園のお仕事を。お母様、お父様、ノンナ達も、王子様達やお家に来る人達、皆お仕事してます)」
「…そうだね」
「だからわたちもおちごとちたいでしゅ。
かみたまのおやくにたつのが、わたちにあたえられた“おちごと”だとおもうんれしゅ!おとーたまおねまいっ!わたちをかてどりゃりゅにいかちぇてくらしゃい!(訳:だから私もお仕事したいです。神様のお役に立つのが、私に与えられた“お仕事”だと思うんです!お父様お願いっ!私をカテドラルに行かせて下さい!)」
パパンの手を掴んでうるうるお目目で上目使いに見上げる私。
……異性に“お願い”する時はこうすれば良いと姉ちゃんズに教わったのだ。そして最後の仕上げにアレとアレをすれば一発必中だと。
「~~~~っ!!リーナたん、そんな可愛い可愛い顔して“厳しいお願い事”をするなんて……酷いけど、けど!可愛いっ!」
……パパン、ごめん。来年の休みはお城について行ってでもずっと一緒に居てあげるから……
「おとーたま、ありがとお(にーーーーーーーーーっこり)」
「うっ…リーナたん!……ぶつぶつぶつ…やっぱり可愛いやっぱり可愛いやっぱり可愛いやっぱり可愛いやっぱり可愛い…」
「おとーたま?(コテン)」
「っ…!!!!」
【(ッブッ!!】
「……(ぼそっ)お嬢、なんて罪作りな…」
姉ちゃんズに『とびっきりの笑顔の後は首をコテンよ?』って言われたんだけど、パパンは石化しちゃったよ?
あれ?何故か神官さん達、口と鼻を押さえてるんだけど……もしかして吹き出すのを堪えている?
ん?こら、ゴンタ、今何か言ったでしょ?
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……ってな訳で、マメ助を相手に魔法を練習しているんだけど……
『……ハラ減ってるのか?』
「どちて?」
『俺さ、さっきから食いモンにしか変化してないぜ?最初は枝豆。その次はゴマ団子に餃子。ピロシキと続いて今はハムかよ……』
確かにその通りです。さっきから胃袋がぐうぐう催促しています。
「おかちいなぁ……ちゃんとちばいにゅになあれとかしぇっとらんどちーぷどっぐになあれとかみにちゅあだっくしゅになあれとかごーるでんれとりばあ…(訳:おかしいなぁ……ちゃんと柴犬になあれとかシェットランドシープドッグになあれとかミニチュアダックスになあれとかゴールデンレトリバー…)」
『すとーーーーーっぷ!』
「うりゅ?」
『はぁ~~~っ。全部犬じゃねーか。ってか殆ど詠唱出来てねーし』
そうなのだ。まだちゃんと喋れない私は正確に詠唱が出来ない。
それなのに……
『大方、柴犬の時はビールのつまみ、その次二つは中華料理、その次はロシアの菓子、前世の記憶で今食いたくなったモンを思い浮かべてたんだろ?』
「う………」
『最後は“ハム”だけ正確だったからこうなったんだろうなぁ。ま、いっからメシにしよーぜ?早く俺を元に戻してくれよ』
「まめしゅけ、ごめちゃい。へんげ!まめしゅけもとにもどりぇ…あ!かんじゃった!」
ボン
『……おい』
「ごめしゃぁ~いっ!!またえだまめ~~っ!!」
この後私は泣きながら詠唱を唱えてまめ助を焼き鳥やつくね、ハンバーガーやホットドッグに変化させ、私の泣き声を聞いてすっ飛んできたみーこによって元に戻して貰えたのだった。
ご愛読ありがとうございました。




