第一話 私、転生しました
異世界転生モノです。
・世界観・舞台設定・法則すべて作者が決めてます!
・思いっきりご都合主義で『お約束』なストーリー展開です!
・逆ハー要素含みます
・もしかしたらこの先過激な表現が出てくるかもしれません。
以上の内容でばっちこーーーーーーーいっ!!…という方だけ先に進んで下さい。
「あ゛~~~あぶ~~~~(これってどうゆーこと~~~?!)」
動物園獣医師だった私。朝、調子が悪いらしい熊の診療をしていたら突然“患者”に抱き着かれた。
そのまま倒れてコンクリートに盛大に後頭部をぶつけ、脳震盪を打った私は救急車に運ばれ………どうやらあの世に逝ったらしい。
ただ、即行で異世界に転生させるってのもどうかと思うよ?神様?
『そんな事言ったって仕方がないであろ?』
「う゛~~~(だからって!)」
『“こっち”に欲しいと言われておるのでな?既に“契約済み”でもあるし』
今、私と会話しているのは“向こう”の神様。
和神とかいうやつらしい。
『お待ち申し上げておりましたよ。貴方様がこちらに来られるのを……』
頭に角を生やして背中にでっかい翼をしょった神様……モーニングを着ているのは無視した方がいいのか?が、西洋式の挨拶……所謂、片腕を上げて半円を描くようにして胸の前に置くと同時に少し上半身を傾けるやつ……で突然割り込んできた。
「ふぇっ?……(あんた誰?!)」
『これは自己紹介が遅れました。朕はこの世界の神……獣人達からは竜神と呼ばれております』
そっかぁ…竜だから頭に角があって背中に翼があるのねぇ…………って!
「ふんぎゃあああああああああっ!!!(“獣人”って何?“獣人”って!!)」
バタバタバタバタ
「「「リーナどうした?!」」」
「「リーナちゃんどちたんでちゅかぁ?」」
「あらあらリーナ。お腹がすいたのかしらね…」
私の叫びと同時に駆け込んできたのは……
犬少年×3匹
猫幼女×2匹
そして狼女性一人。
うん。これだけじゃないよ?だって、パパンは獅子男だし、ウチの中にはまだ栗鼠女が1名、鼠女が1名、猿女が1名、狐男が1名、熊男1名いるの。パパン付きの執事さんなんて羊男(笑)なんだよ?
「ふぇっ…ふぇっ…あぶ…あぶぶぶぶぶ……(夢見てただけなの。騒がしくてごめんなさい)」
これでも必死で謝ってるんですよ?!でも、今の私は赤ちゃんだから言葉を話せない代わりに態度で示してみます。
「あらあらリーナのなが~いお耳が……」
「「「へにょんって折れてるっ!」」」
「「かわいちゅぎ~~~」」
はい。お分かりのとおり、わ・た・し・はウサギ乳児です。そう。私が転生したのは獣人界?らしきところでした。
三つ子のお兄様と双子のお姉さま、そして綺麗で優しくて、とおてもスレンダーなママンと、妻溺愛子供馬鹿でとっても頼りになってイケメンなパパン。
くるくると良く働くお手伝いさんと愉快な庭師さん、豪快なコックさん、そして滅多に会えないけど厳しいらしい執事さんに囲まれて楽しく赤ちゃんライフを送っています。
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「あそびにきてやったぞ!!カチェリーナをだっこさせろ!」
「ふええええええええええんっ!(拒否っ!!)」
来訪者の声を聞くと同時に雄たけびを上げる私。
「こら!リーナが怯えて泣いてますよ?王子様、赤ちゃんにはもっと優しく話しかけて下さい!!」
「はぁ~~い」
尻尾と耳を垂れてママンの説教を聞く狼少年王子
「あはははは。また母上に怒られましたね」
「ほら、アレクセイ様」
「今度は泣かれないと良いですね?」
抵抗むなしく、兄ちゃんズはご自分より年下の王子様に私を渡した。
「うっわぁたまんないっ!カチェリーナはきもちいいなぁ。それにいいにおいがする」
………言葉だけだと少々卑猥な響きがあるが、狼少年王子様は私のほっぺに顔をすりすりしているだけである。
お母様が家庭教師をしている……今は育休中だけどね……この王子様は、私が生まれたその日もお祝いの花……花壇の花をむしり取った…を持ってやってきたらしい。
以前、お手伝いさん達が
『初対面の時から何度も泣かれていらっしゃるのに、懲りずに何度もやって来られるんですよ』
『よっぽどカチェリーナ様がお好きでいらっしゃるのね』
…と、話していたのを聞いた事がある。
ただ、前世の記憶や知識をそのまま持って生まれてきた私は……
「びええええええええ(“餌”はいやああああああ)」
と、再び泣き出すのだった。
獣人は顔や身体は人間ですが、頭には耳がお尻には尻尾が生えてます。
補足ですが、ママンはタテガミオオカミで王子はドールです。パパンはインドライオン。