不穏な気配
放浪の翼を結成してから2週間が経った。
私の名はセリナ アマミヤ!!
どこにでもいる高校1年生でした。
今は異世界で冒険者をやっています。
因みに最近、冒険者ランクがCランクに上がりました。
シエラちゃんも冒険者ランクがDランクに上がっています。
たった2週間で!!
このままじゃ、冒険者ランクが抜かれるのではと最近ヒヤヒヤしています。
このままでは、私の威厳とやらが無くなってしまいます!!
もう無いって?
まぁ、そうだけど..............
あ!冒険者パーティーのランクもCランクに上がりました!!
いや〜、ようやく私達も中堅クラスの仲間入りですよ!!
案外楽勝でしたね!!
「でも、ここからランクは上がらなくなってくるのよ」
「そうなんですか?」
「えぇ、Cランクまでは依頼を普通にこなしていけば簡単になれるわ」
「誰にでもなれる、例え魔物が倒せなくても...........は言いすぎかな?」
「まぁ、少なくともギルマスに賄賂でも渡せば簡単よ」
「ようするに、金さえあれば良いのだから」
「だけど、Bランクからはそう簡単には行かない」
「Bランク冒険者は貴族や王族の依頼を受けることが多くなるの」
「だから、Bランクに上がる際は試験を受けないといけないし、試験を受けるにも最低でも5人のギルマスから推薦して貰わないといけないの」
「試験も不正がないよう、その人を推薦してないギルマスが試験担当になるし」
「まぁ、Aランクになるにはもっと大変だけどね」
「こんな制度だから、アリアちゃんがAランクになりたがらないのよ」
「面倒くさいんだってさ」
「Aランクの実力はあるのにね、本当にもったいないわ」
「Sランク冒険者はどうなんだって?」
「Sランク冒険者は簡単よ」
「化け物であれば良いのだから」
「化け物よ化け物」
「化け物であればいいのよ」
「Sランク冒険者は貴族や王族から依頼が来ることも滅多にないし、冒険者の特典もAランクとは格別だし、自由に過ごしていても誰も文句をいわない」
「まぁ、それもそうよね。なんてったって、人類の最終兵器みたいなものだから」
「私とアリアの師匠もSランクはいいぞ〜って自慢してくるし」
「ん?私達の師匠はSランクなのって?」
「そうよ?アリアから聞かなかった?」
「そう、聞かなかったのね」
「まぁ、アリアはあんまり師匠のこと話したがらないから」
「なぜって?ん〜」
「独占欲みたいなものかしら」
「私だけ知ってればいい、私だけの者でいて欲しいってところかしら?」
「あの子はまだまだ子供だからね〜、心も身体も」
「それに、戦争で親を失っていて、ガルドさんもこの前の戦いで亡くなってしまったから.......」
「きっと、愛情に飢えているのよね」
「親も親代わりの人も失ってしまって」
「それに、姉弟子の私や一緒に育ったカイルやエレナちゃんはあまりかまってあげなかったし」
「え?かまってあげればよかったって?」
「嫌よ、面倒くさい」
「それに、私はアリアちゃんと出会った頃は修行で世界中を飛び回ってる最中だったし、あまりかまってあげれなかったのよ」
「え?カイルやエレナちゃんはって?」
「さぁ?そこまでは知らない」
「それはカイルやエレナちゃんに聞いて」
「私もカイルやエレナちゃんのことはよく分からないし」
「会ったことはあるわよ」
「カイルにはね」
「エレナちゃんは知らないわ」
「あの子には会ったことないし」
「だから、聞いたことあるだけね」
「まぁ、でもエレナちゃんは噂だけどかなり強い冒険者みたいだし」
「Aランク冒険者らしいわよ」
「噂だけど龍を一撃で倒すとかなんとか」
「龍と竜の違い?」
「アリアから教えて貰わなかった?」
「ふ〜ん......、まぁ、アリアは龍と竜を同じに見てるし、そこら辺は適当なのよ」
「いいわ、私が教えてあげるわ」
「龍と竜は全くの別物よ」
「まず、龍はリュウノカミと呼ばれる者の子孫ね」
「リュウノカミは昔いた神様みたいなものね」
「亜神って言ったほうがいいかな?」
「しかも、龍は色んな種族と交尾できるの」
「その結果、竜人族と呼ばれる種族が出来たの」
「次に竜ね」
「竜は言ってしまえば魔物ね」
「魔物は太古の昔に魔神から生み出された生き物よ」
「魔神は龍を参考に竜を作ったの」
「まぁでも、竜は龍の劣化コピーになってしまったから、龍には及ばないけどね」
「他にも、龍はコミュニケーションが取れるけど、竜とはコミュニケーションが取れないとかあるけど」
「まぁ、竜は魔物だからコミュニケーションが取れないのは当たり前だけど」
「これが、龍と竜の違いかしら」
「こんなものかしら、私が教えられるのは」
「リュウノカミと魔神について?」
「さぁ?私も知らないわよそんな事」
「神様としか言いようがないと思うけど」
「今はいるのかって?」
「さぁ?聖書では魔神の体を複数に分けてそれぞれ何処かに封印したって書いてあったけど」
「リュウノカミは知らないわ」
「あれは龍の生みの親って師匠から聞いただけだし、龍やドラゴニュートはこの世界の真の神様とか言ってるし」
「だから、真実はわからないわ」
「皆がそう言ってるだけだし」
「もし、貴方が本当に知りたいのなら誰かに聞くんじゃなくて自分でみつけなさい」
「貴方も冒険者でしょ?」
「ま、いいわそんな事、別に」
「さてと、そろそろ行くわ」
「ん?あぁ、これから私、皇都 神威都にいくの」
「仕事よ、黒紅団の本拠点を潰しに」
「え?いっしょに行きたいって?」
「リリアちゃん?ふぅ〜ん........」
「別に良いんじゃないかしら?」
「黒紅団の殲滅には少しでも戦力が欲しいって言ってたし」
「頼んでみるわね」
「ただ、あまり期待しないで頂戴ね」
「今回指揮を執るのはこの国の皇帝様だから」
「皇帝様がこいつ弱いからいらないなってなったら討伐隊には入れないし」
「えぇ、足手まといは必要ないわよ」
「黒紅団の殲滅作戦は2ヶ月後だし、それくらいにまた連絡するわね」
「え?殲滅作戦が2ヶ月後は遅いって?」
「知らないわよ私が決めることではないのだから」
「まぁ、でもそう言っておくわ」
「でもあまり、期待しないでちょうだいね」
「じゃ、そろそろ行くわね」
「あとついでにだけど、最近この街の近くで魔物がよく現れるのよ」
「まぁ、ほとんどの魔物はこの街を通り過ぎてってるのだけど」
「まるで、逃げるように」
「だから、気をつけなさいね」
「最近はちょっと不穏だから」
「黒紅団も魔王軍も.............」
「おっと、早く行かないと」
「またね世莉奈ちゃん」
そう言って、朱雀 陽璃さんはここから去っていった。




