異世界召喚と追放
「よくぞ来てくれた勇者達よ!」
王冠をかぶった中年の男――国王らしき人物が高らかに宣言した。
周りには白いローブを纏った人達が倒れていたり、疲れた顔をして座っている。
「まずはスキルの確認をさせてもらおう。」
国王らしき人が合図をし、豪華できらびやかな法衣を纏った人達がクラスメイトの前に次々と立ち、スキルを鑑定していく。
「この者は『聖剣召喚』!! 勇者に相応しい能力だな!」
「こちらは『大賢者』!まさに国の宝だ!」
「『不死身』……………素晴らしい!!」
クラスメイト達は次々と称賛され歓声が上がる。
羨望と興奮の視線が飛び交い、空気はどんどん熱を帯びていく。
「ランダムスキル?」
私の担当していた人が眉をひそめる。
「聞いたこと無いな?」
「ランダムにスキルが使えるようになるらしいぞ」
「12時間たてば得たスキルも消えてしまうらしいな」
「要するに運任せか……」
クスクスと笑い声が広がる。
王の口元が冷たく歪んだ。
「ハズレスキルではないか。そんな不安定な者に我が国の未来は任せられるものか。」
「スキルも不安定で使えたものではない」
国王らしき人がゴミを見ているかのように
「貴様のスキルはどうやらハズレのようだ。勇者様達と共に戦えるほどの強さもない。すまないが、なんの役に立ちそうにない貴様は邪魔なだけだ。悪いがこの国から出ていってもらう。」
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気づけば私は、王都の門の外に放り出されていた。
何人かのクラスメイトは私を助けようとしてくれたが無駄みたいだった。
手の中には小さな袋。金貨が2枚と、黒パンが
一つ……
「………追放、か」
情けない悔しさで涙がにじんだ。
でも同時に、奇妙な解放感があった。
不安と、ほんのわずかな奇妙な高揚感。
胸の奥に灯った小さな炎を抱えて、歩き出した。
――役に立たずと追放された私の、異世界での冒険が始まった。




