それぞれの戦場にて1
アストリア帝国シャルム鋼壁都市
近くの戦場にて..........
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「な、なんなんだよコレ.........」
帝国の兵士の誰かがそんな事を言った
私、白石 真央は絶望している
いや、私も絶望している........か............
帝国の兵士達は見るも無残な姿で横たわっており、酷い匂いがする
しかもそれが、戦場全体で起こっている
鼻を抑えてないと吐きそうだ.........
あ、でももう吐く物もないか.........
いっぱい、吐いたもんね...........
殴られ、蹴られ、叩かれ、殺されかけた.........
戦争っていうのは、そういうものだって知ってたのに私は絶望している
私達は勇者だからそういう目には遭わないって勝手に思ってた............、私達は悪を成敗して楽しく元の世界に戻れると思ってた..............
でも、いざ酷い目にあったら絶望するんだ................
気持ち悪い............、自分に心底嫌悪感を示すよ......
この戦いで、たくさんの人が死んで、たくさんの人が魔族に連れて行かれた.............
もちろん、それは勇者も例外ではなかった.........
「.................うぅ..................グッ.................ゔぁ.......」
「..............ガァ................ガァ...................ゴフッ........」
例えば、私の目の前にいる主人公気取りの勇者。
天城 悠真はこの戦いで両手を失い、全身は酷いやけどを負っている。
戦いの前は、自信満々で「僕に任せな!!」とか言ってたのに.........
今では、芋虫の動きしか出来ない残念勇者に成り下がってしまった。
さらに、肉の焼け焦げたような腐敗臭が天城から漂っている。
天城の近くにいると、また吐きそうになる.........
.................気持ち悪い
あと、私と同じ班だった聖女の水瀬 結衣、変体の久我 圭一は魔王軍に連れて行かれた。
正直、私はアレはしょうがないと思う。
だって、アレは不可抗力だったもん............
アレは、私達が戦場に投入されて直ぐのことだった。
戦場に投入されて、いざ魔族と戦うぞって時に私達の目の前に魔王軍四天王の1人がいたんだ............
ソレは、瞬間移動でもしてきたんじゃ?って思うくらい、ソコにいなかった者がいきなり現れた。
まず初めに思ったことは「は?」だった。
私達はいきなり現れたソレに反応できず固まってしまった。
だけど、ソレが攻撃態勢に入ると同時に天城が一番最初に動き出し、私と水瀬を守る行動に入った。
私と水瀬の間に天城が入って来ると同時に天城は両腕を失い、その場に倒れた。
次に久我が動いたんだけど、拳を振るう前に久我は倒れた。多分、気絶したんだと思う。
その後は、帝国の兵士達が助けに来てくれたんだけどバタバタ殺された。
私はその時に絶望で何もかも放棄しそうになったけど、結衣が私を鼓舞してくれたんだ............
で、私は自分のスキル《大賢者》を使って転移魔術を発動させて天城だけ助け出すことが出来た............
だけど、結衣や久我、他の兵士達は助け出せなかった...............
あの後、私はヤツと戦闘になった場所まで行ったけど、みんなはいなかった..............
近くにいた生き残りの兵士の証言によると、結衣と久我は四天王のヤツに連れて行かれ、それ以外は死体すら残されずに焼滅したそう............
その後は、私は魔力が底を尽きるまで魔術を使い続けて、天城も魔術要員として戦場に復帰したけど、結局戦況は何も変わらず私達は魔族に敗北した。
ただ、魔族共は特に私達を殺すことなく近くの拠点まで下がって行ったんだ...............
なんで、ここを落とさなかったんだろう?
私達が弱すぎて、後回しにされたのかな?
まぁ、何でもいいけどさ.........
そんな事で、私はこの戦いで生き残ってしまった
特に何もせずに、生き延びてしまった.........
「.................ヴッ」
あぁ、あの戦場を思い出すだけで吐き気がする........
本当に気持ち悪い...........
なんで、私なんかが生き延びちゃったんだろう.........
私なんて、家族にも求められてない邪魔な子なのに...............
死んでいった兵士達には、大切な家族がいただろう
私には、大切な家族なんていない。
私にいるのは、気持ち悪い家族だけ............
なんで、私なんかが勇者になんてなれると思ったんだろう............
私なんかより、よっぽど勇者に向いてる人はたくさんいたはずだ...............
いや、それより私なんかより生きてたほうが良い人がいたはずだ..............
なんで、私なんかが生き延びちゃったんだろう.........
これから、どうしよう...............
私はもう戦いたくなんてない.........
それに弱い私なんか、もう王国の人達は誰も必要としないだろう。
私は捨てられるんだ..........
もう、元の世界には戻れないんだ.........
いや、元の世界に戻った所で私に居場所なんてないか............
.................死にたい
でも、死ぬのは怖いよ...............
私はどうしたら良いのかな............
誰か............私を助けてよ..............




