魔王vsリリア
「はぁ、はぁ、はぁ.........」
もの凄い魔力を感じる............
街の外からだ。お姉ちゃんもシエラも大丈夫だと良いけど...............
それと、さっきから嫌な予感がする...........
このままじゃ、ダメだと...............
いや、そんなの関係ない!!
待っててねお姉ちゃん、シエラ!!直ぐに行くよ!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「へぇ、失敗作がこんな所にいるなんて予想外だったよ。今日は運がいいね、僕♪」
「ねぇ?リリアちゃん」
ゾクッ――
.............................は?
...........は?..........あ?.......................えっ?
私は幼い声を聞いたと同時に、首に黒いナイフが突きつけられていることに気付いた。
なに、これ........
見えなかった.........、いや気づけなかった.............
この私が............
それより...........、この声、どこかで...............
「フフフ、まさかゼノンの回収に来たら脱走した実験体がいたんだ。いいね、今日の僕は本当に運がいい」
「丁度、新たな戦力も欲しかったしね」
コイツ、どこかで...........
どこだ..........、思い出せない...............
でも、どこかで...........
「おっと、そうか。君は僕を忘れちゃったのかな?」
「じゃあ、改めて。久しぶりだね、リリアちゃん。僕はコクヤ」
「覚えているかな?確か黒紅団のとこで2度会ったよね?」
「............っ!?お前、まさか!!!」
そうだっ!!思い出した!!
確か、黒紅団の人達から魔王と呼ばれてた...............
で、でも、なんでコイツが..........
「いや〜、まさかここで再会するなんて驚きだよ~」
「あの時は僕の支配下に置く前に逃げられたからね〜。いい研究材料だったし、勿体ないな〜、なんて思ってたけど」
「丁度いいや。ゼノンの回収が目的だったけど君を持って帰ろうか」
「おい、ケケケ。お前はゼノンの回収をしろ」
「僕はコレを持って帰るからさ〜」
「ケケケ.........」
「了解しました、魔王様..........」
「どうか、ご無事で...........」
シュンッ――
周囲にあった気配が1つ消えた............
いつの間にいたんだろう...............、まったく気づかなかった..............
「貴方は私をどうするつもりなの?」
「ん?あぁ、持って帰る」
「無くしたと思ってた玩具が見つかったんだ〜」
「今の僕は気分が良い。何か聞きたいことでもある?」
「今なら、なんでも教えてあげるよ?」
ふうぅぅ..........
だいぶ、心も落ち着いてきた.........
問題ない。奴はナイフ一本で他の武器は持ってない
しかも身長も私と変わらない、まだ子供だ。それに、いくら魔王とはいえここは敵地。直ぐにコイツの強い気配に集まって味方が駆けつけてくる
なら、私は時間を稼いで全員でコイツ片付ける!!
「ほらほらぁ、なにか聞きたいことないのぉ?」
「無いんだったら、もうやっちゃおうかな.........」
「無いよお子ちゃまから聞くことなんて、部位変形・《竜の手》!!!!」
私の手が変形して、竜の手となる。その手で奴をぶん殴る!!!!
もちろん、私は黒いナイフで首を切られたが問題ない!!この程度の傷なら回復できる。
はぁ、しかしここは奴にとっては敵地だけど、私にとっては守るべき故郷。つまり、大技が使えない。
大技が使えないと、私にはコイツを倒せる手段が少ないから、時間を稼いでなんとか足止めを.............
「痛いなぁー!!人をバカスカ殴るんじゃないよ!!」
「それに、敵が集まってきてる。早く終わらせるかな。」
「魔具《黒刃・堕命》」
奴が黒いナイフで切りつけてくる。
まぁ、当たってもかすり傷しか与えられないけどね!!
私の頬に黒いナイフがかすった。
少し血が出てくるが、問題ない。すぐに回復する。
「わーお!驚きだよ、まだやられないなんて........」
そりゃそうだ、その程度のかすり傷で私を倒すなんて出来ないよ!!
いや、かすり傷じゃどんな生物も倒せないけど.......
ん?でも、奴はかすり傷を負わせるだけで私を倒せると思ってるみたい...............
もしかして、あのナイフに毒でも塗ってあるのかな?
まぁ、毒程度なら私は全く効かないけど............
嫌な予感がする............。さっさと、コイツを倒した方が良いかも............
「もう、そろそろかな?」
「魔具《黒刃・堕命》」
マズイ!!また、あのナイフが掠ったら駄目な気がする!!!
大技は使わないって、言ったけどやっぱり無しで!!!!
駄目だ!!アレに当たったら駄目だ!!!!
「《竜因子=竜炎覇衝》!!!」
超高温の竜のブレスを腕から放つ。この衝撃波は周囲一帯の建物を破壊し、奴に直撃する。
焼失、爆砕、灼熱の3重効果の衝撃波。全てを壊す竜のブレス!!!!
「これは、ヤベェな!!」
「僕を守れ!!《黒衣・王権幕》!!!!」
衝撃波は奴を飲み込み、破壊する!!!!
破壊し、消滅させ、消し飛ばす!!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「やったかな?」
私の《竜炎覇衝》で周囲一帯が消滅した。
建物も道も全て消え去った。
だけど、
だけど............
「痛てて、黒衣がなきゃ重傷だわ」
「おっと、刺さってる刺さってる♪」
私の肩にあの黒いナイフが刺さっていた。
私が《竜炎覇衝》を放ったと同時に黒いナイフを上に投げて、刺さった............
私の肩に............
「グッ.........、この程度の傷なのに............」
体がおかしい..........、上手く制御できない............
やっぱり、毒............なのか?
「やっと、効き始めたか。《黒刃・堕命》が.......」
「どうせ、仲間になるんだから教えてあげるよ。ソイツは僕の能力を物質化した物なんだよ」
「その効果は.........」
なんだ........、私は...............
これは..............、ダメ.......................
お姉ちゃんを.........
.............私は
「《パラライズニードル》!!!!」
「おっと、危ない危ない」
「悪いね、この子は貰っていくよ」
「させないわよ!!《パラライズニードル》!!!」
魔力の針が魔王に向かって飛んでいくが......
「《黒衣・王権幕》」
魔王のローブによって防がれる。
「いいねぇ、君も欲しい」
「だけど、君まで相手には出来ないよ。悪いがまた今度、会ったらその時は僕の手駒にして.............」
「テメェ!!!!リリアちゃんに何してやがる!!!!!!!!」
「死ねぇ!!!!魔力砲!!!!!」
「..............《転移》!!!!」
リリアちゃんと魔族の子供はローゼンブルクから消え去って行った............




