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ランダムスキルの冒険者  作者: 蝶國堂
西方大陸・人魔戦争編
193/211

魔王vsリリア



 「はぁ、はぁ、はぁ.........」


 もの凄い魔力を感じる............

 街の外からだ。お姉ちゃんもシエラも大丈夫だと良いけど...............



 それと、さっきから嫌な予感がする...........

 このままじゃ、ダメだと...............




 いや、そんなの関係ない!!

 待っててねお姉ちゃん、シエラ!!直ぐに行くよ!!





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





 




 「へぇ、失敗作がこんな所にいるなんて予想外だったよ。今日は運がいいね、僕♪」

 「ねぇ?リリアちゃん」





 ゾクッ――





 .............................は?

 ...........は?..........あ?.......................えっ?


 私は幼い声を聞いたと同時に、首に黒いナイフが突きつけられていることに気付いた。



 なに、これ........

 見えなかった.........、いや気づけなかった.............

 この私が............


 それより...........、この声、どこかで...............





 「フフフ、まさかゼノンの回収に来たら脱走した実験体がいたんだ。いいね、今日の僕は本当に運がいい」

 「丁度、新たな戦力も欲しかったしね」






 コイツ、どこかで...........

 どこだ..........、思い出せない...............


 でも、どこかで...........





 「おっと、そうか。君は僕を忘れちゃったのかな?」


 「じゃあ、改めて。久しぶりだね、リリアちゃん。僕はコクヤ」

 「覚えているかな?確か黒紅団のとこで2度会ったよね?」






 「............っ!?お前、まさか!!!」


 そうだっ!!思い出した!!

 確か、黒紅団の人達から魔王と呼ばれてた...............

 で、でも、なんでコイツが..........





 「いや〜、まさかここで再会するなんて驚きだよ~」

 「あの時は僕の支配下に置く前に逃げられたからね〜。いい研究材料だったし、勿体ないな〜、なんて思ってたけど」


 「丁度いいや。ゼノンの回収が目的だったけど君を持って帰ろうか」

 「おい、ケケケ。お前はゼノンの回収をしろ」


 「僕はコレを持って帰るからさ〜」






 「ケケケ.........」

 「了解しました、魔王様..........」


 「どうか、ご無事で...........」






 シュンッ――






 周囲にあった気配が1つ消えた............

 いつの間にいたんだろう...............、まったく気づかなかった..............


 「貴方は私をどうするつもりなの?」






 「ん?あぁ、持って帰る」

 「無くしたと思ってた玩具が見つかったんだ〜」


 「今の僕は気分が良い。何か聞きたいことでもある?」

 「今なら、なんでも教えてあげるよ?」






 ふうぅぅ..........

 だいぶ、心も落ち着いてきた.........


 問題ない。奴はナイフ一本で他の武器は持ってない

 しかも身長も私と変わらない、まだ子供だ。それに、いくら魔王とはいえここは敵地。直ぐにコイツの強い気配に集まって味方が駆けつけてくる


 なら、私は時間を稼いで全員でコイツ片付ける!!






 「ほらほらぁ、なにか聞きたいことないのぉ?」

 「無いんだったら、もうやっちゃおうかな.........」






 「無いよお子ちゃまから聞くことなんて、部位変形・《竜の手》!!!!」



 私の手が変形して、竜の手となる。その手で奴をぶん殴る!!!!

 もちろん、私は黒いナイフで首を切られたが問題ない!!この程度の傷なら回復できる。


 はぁ、しかしここは奴にとっては敵地だけど、私にとっては守るべき故郷。つまり、大技が使えない。

 大技が使えないと、私にはコイツを倒せる手段が少ないから、時間を稼いでなんとか足止めを.............




 「痛いなぁー!!人をバカスカ殴るんじゃないよ!!」

 「それに、敵が集まってきてる。早く終わらせるかな。」


 「魔具《黒刃・堕命》」




 奴が黒いナイフで切りつけてくる。

 まぁ、当たってもかすり傷しか与えられないけどね!!


 私の頬に黒いナイフがかすった。

 少し血が出てくるが、問題ない。すぐに回復する。





 「わーお!驚きだよ、まだやられないなんて........」





 そりゃそうだ、その程度のかすり傷で私を倒すなんて出来ないよ!!

 いや、かすり傷じゃどんな生物も倒せないけど.......


 ん?でも、奴はかすり傷を負わせるだけで私を倒せると思ってるみたい...............

 もしかして、あのナイフに毒でも塗ってあるのかな?

 まぁ、毒程度なら私は全く効かないけど............


 嫌な予感がする............。さっさと、コイツを倒した方が良いかも............






 「もう、そろそろかな?」

 「魔具《黒刃・堕命》」





 マズイ!!また、あのナイフが掠ったら駄目な気がする!!!

 大技は使わないって、言ったけどやっぱり無しで!!!!


 駄目だ!!アレに当たったら駄目だ!!!!



 「《竜因子=竜炎覇衝りゅうえんはしょう》!!!」





 超高温の竜のブレスを腕から放つ。この衝撃波は周囲一帯の建物を破壊し、奴に直撃する。

 焼失、爆砕、灼熱の3重効果の衝撃波。全てを壊す竜のブレス!!!!




 「これは、ヤベェな!!」

 「僕を守れ!!《黒衣・王権幕》!!!!」





 衝撃波は奴を飲み込み、破壊する!!!!

 破壊し、消滅させ、消し飛ばす!!!





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 「やったかな?」




 私の《竜炎覇衝》で周囲一帯が消滅した。

 建物も道も全て消え去った。



 だけど、





 だけど............












 「痛てて、黒衣がなきゃ重傷だわ」

 「おっと、刺さってる刺さってる♪」






 私の肩にあの黒いナイフが刺さっていた。

 私が《竜炎覇衝》を放ったと同時に黒いナイフを上に投げて、刺さった............


 私の肩に............


 「グッ.........、この程度の傷なのに............」




 体がおかしい..........、上手く制御できない............

 やっぱり、毒............なのか?






 「やっと、効き始めたか。《黒刃・堕命》が.......」

 「どうせ、仲間になるんだから教えてあげるよ。ソイツは僕の能力を物質化した物なんだよ」


 「その効果は.........」






 なんだ........、私は...............

 これは..............、ダメ.......................


 お姉ちゃんを.........








 .............私は








 「《パラライズニードル》!!!!」







 「おっと、危ない危ない」

 「悪いね、この子は貰っていくよ」







 「させないわよ!!《パラライズニードル》!!!」


 魔力の針が魔王に向かって飛んでいくが......






 「《黒衣・王権幕》」


 魔王のローブによって防がれる。



 「いいねぇ、君も欲しい」

 「だけど、君まで相手には出来ないよ。悪いがまた今度、会ったらその時は僕の手駒にして.............」







 「テメェ!!!!リリアちゃんに何してやがる!!!!!!!!」

 「死ねぇ!!!!魔力砲!!!!!」







 「..............《転移》!!!!」


 リリアちゃんと魔族の子供はローゼンブルクから消え去って行った............





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