作戦と決行
暗い………………。
痛い…………………………。
苦しい……………………。
お姉ちゃん……………………、助けて。
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はい、あれから3日が経ちました。
どうも、こんにちは雨宮 世莉奈です。
魔術は大分上達しました。魔力の変質や魔力操作も完璧です。です?まぁ、まだちょっと下手くそですが師匠にもう充分だと言われました。
師匠が言うには魔力の変質だけでも、普通なら一カ月はかかると言っていました。
やはり、ステータスは嘘をついてなかった。
魔術適正が高っかたのは間違いじゃなかった。
私ってやっぱ天才なのでは!!
うん、きっとそうに違いない!
「おい、コラ何やってる!」
「え?師匠の頭を撫でています。」
「なんでだよ!撫でるな!私は子供じゃないぞ!!」
「良いじゃないですか。減るもんじゃ無いんですから。」
私は師匠が出した課題を無事、終わらせて今はヤツラのアジトが見つかるまで待機中です。
ちなみに、魔術を安定して扱えるようになるには普通、半年から1年くらいかかるらしい。
ちなみに、私は一カ月も経っていない。
やはり、天才か!
師匠は一週間もかからなかったらしいけど。
上には上がいるな………。
そして、そんな師匠でも冒険者ランクはBランクらしい………………。
AランクやSランクは化け物なのかな?
あ、そうだ、師匠の名前はアリア=クロフォードと言うらしいです。今更ですが。
2つ名は(小さな大災害)だそうです。本人はとても嫌がっていましたけど。
私も2つ名欲しいな〜。なるべく、かっこいいやつがいい!
どんなのがいいかな?天才魔術師?魔法少女?う〜ん、決められないな〜。
「おい!いい加減、頭を撫でるのやめろ〜!」
とか言って、本当は嬉しいのが師匠なんですよね〜
「なに、ニヤニヤしてる!やめろ〜〜!私は子供じゃない〜〜!」
「はいはい、そうですね〜。師匠は子供じゃありませんよ〜。」
「グガーー!!」
と、最近はずっとこんな感じです。一応、私も魔術の修行もしながら、アジトを探していたんですけど……見つからませんでした。
『ランダムスキル』なんかも使ってみたんですけど、使えないスキルばかり引いてしまって……。
このままじゃ、本当にマズイです。リリアちゃんが危険な目に遭っているかもしれませんし。下手したら売られているかも……………。
う〜ん、どうしよう………
その時、ものすごい勢いでドアが開いた。
バタンッ――
「た、大変だっ!!」
「どうした?」
「奴らのアジトが見つかったぞ!!」
「ただ、予想外のことが起こった!」
「予想外のこと?」
「あぁ、とりあえず後で説明をする!もう、騎士団や冒険者達も会議室に集まってる。」
「お前たちも急いで来てくれ!」
「そうか、分かった。」
「いくぞ、弟子よ!」
「了解です!師匠!」
私達は急いで会議室に直行した。と言っても、走って十分かかるので着いた時には私はバテていた………。
というか、なんで師匠は疲れないんだろう。魔術師だから体力はそんな無いかと思うんだけど………。
軽いのか小さいから………
ボコッ――
殴られた……。なぜ分かったのだ師匠よ………。
「私等で最後か?」
「あぁ、そうだよ。(小さな災害)。」
「そうか、それはすまなかった。ギルドマスター。」
へぇ~。これがギルドマスターか。
「ん?そこにいるのがアリアの弟子か。お前が弟子を取るとはな。」
「ふん!私の勝手だろう。」
「いや、お前にしては珍しいと思っただけだ。」
「そうだ、お嬢ちゃんとは挨拶がまだだったな。」
「俺の名前はガルド=ハインツだ。Bランクの冒険者だったがいまはギルドマスターをやっている。よろしくな!」
「あ、はい、よろしくお願いします。」
「おう!あと、そこにいるのがこの町の騎士団長様、セリシア=ヴェルトラインだ。後で挨拶していくといい。」
「よし、これで全員揃ったな!」
「では、作戦についてだ!」
「セリシア!後は任せた!」
「任された。ここからは私が作戦について説明をしよう。」
「この町には前回制圧したアジト以外にも3つのアジトが見つかった。」
「なので、我々は戦力を3つに分けてそれぞれのアジトを叩くことにした。アジトは大劇場、闘技場、中央市の近くにそれぞれある。大劇場側は騎士団が、闘技場側はギルドマスターと冒険者達、中央市は(小さな災害)アリアさんと残りの冒険者達にそれぞれ担当してもらう。」
「捕まっている人々に関しては一人も死なせずに助けろ!」
「中には、貴族のガキや沢山の子供たちが捕まっている。なるべく、怪我を負わせることなく助けろ!」
「「はっ!!」」
3つもアジトがあるのか…………。その、どこかにリリアちゃんがいる。どうしよう………。
「あと、足手まといはいらない。弱い奴らは周辺地域の市民の避難をしてくれ。」
「それと、冒険者ランクがDランク未満の者も避難の手伝いに回ってもらう!」
え?私って確かEランクだったような………。
「待て、私の弟子は冒険者ランクがDランク未満だが、この作戦に参加させてもらってもいいか?」
「すいませんが、先程も言ったように足手まといは必要ありません。」
「私の弟子だ。Dランク以上の力はある。」
「まぁ、良いでしょう。貴方が認めた者なら信用できるでしょう。」
よ、良かった〜………。師匠ありがとう!!
「いいんだよ、別に。」
「では、奴らの制圧作戦を開始する!!行くぞ!!!」
「「はっ!!」」
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そんな訳で、私は師匠と同じアジトを制圧することになった。
「師匠、ありがとうございます。」
「なにがだ?」
「私を参加させてくれたことです。」
「いいんだよ、別に。少しでも多くの戦力が欲しかっただけだ。」
「お前はそんなことより、リリアちゃんを助けることに集中していろ。」
「はいっ!師匠、大好きですよ!」
「んなっ!な、なにをバカなことを言ってんだ。」
「は、早く行くぞ!バカ弟子!」
「はい!師匠!」
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「これより、黒紅団の制圧作戦を開始するっっ!!」
「始めっっっっ!!!!!」
こうして、黒紅団の制圧作戦が開始した。