不死身の勇者
「これで、3人......」
「いや、勇者は2人か......」
「勇者は殺そう。元勇者は生かした方が良さそうだな.........」
「では、さらばだ.......、勇者よ」
「いや、巻き込まれただけの異世界人よ」
奴の手刀が莉央の心臓に狙いを定め.........
...............心臓を
.................貫かなかった。
「ごめんねぇ、お兄さん」
「その子は僕の友達なんだ」
「いや、友達?う〜ん、顔見知り?」
「ま、まぁ、クラスメイトって所で.........」
不死身の勇者、桐生 翔太は奴の手刀を自らの体で受け止めた
「なんと!!喉を貫かれているのに、言葉を発せるのか!!」
「一体、どういう仕組みなのだ?脱走勇者よ」
「あはは......、まぁ声や音ってのは空気振動だからね。魔力を使って真似してやれば、案外いけるもんなんですよねぇ〜」
「それより、僕って脱走勇者なんて呼ばれてるんですか?」
「ん?あぁ、だが間違いではないだろう?」
「さて、お前も勇者だから始末しておかないとな。不死身の勇者がどこまで不死身なのか、確かめてやる」
奴が攻撃の姿勢を構える
「あはは.........、カイルさんの命令だからね.........、手短に頼むよ」
桐生が喋るのを終えると同時に【最強】が動き出した
【最強】は、まず桐生の後ろにいた莉央を狙う
「グハッ!?」
【最強】は桐生の喉に刺していた腕を引き抜く
桐生は血を吐くと同時に術式の構築を始める
もちろん、【最強】はそれに気づいているが、術式の構築はどんなに熟練した魔術師でも数秒はかかる。その数秒があれば【最強】には十分だ。莉央を殺すことは簡単だろう
まぁ、大師匠や神様なら術式の構築は一瞬だからそんな隙ないけどね〜
さて、失神したフリはもう良いや。さっさと莉央を回収して桐生 翔太くんに全部お任せするということで.........
「魔力弾!!!」
魔力球を数十発。【最強】に半分、地面に半分放つ。
「なっ!?雨宮さん!?!?」
「なぜっ!?お前は気絶していたはずだろう?」
と、男共がなんか言ってますが知りません
周囲に土煙が舞い、いい煙幕になっています。
さて、桐生くんが構築した術式は.........
ちょい、マズイかな?
「我が命よ、守るために在るのではない。燃え尽きるために在れ。血は火となり、息は炎となり、生きているという事実すら、今ここで燃料と化せ。我は灰となる。されど終わりではない。
――《命焔自壊》!!!!」
「多重・魔力壁!!!!」
桐生くんの魔術が発動し、 周囲一体が炎に包まれる。
桐生くんの構築した術式は、自身の生命力や魔力を全て還元して放つ一撃必殺の自爆技!!
地面が熔け、空気が熱を持つ。
多重・魔力壁もバリバリ破られる。
多分だけど、この炎に触れたら自分の生命や魔力が燃やし尽くされると思う。
肉体もだけど、魔力や命の方が先に燃やされる技.........
そりゃ、魔力壁がこんなにも簡単に割れるわけだ
マズイ、魔力壁が全部割れる!!!!
私はともかく、莉央が当たったらマズイ.........
仕方ない!!!莉央、ちょっと痛いかもだけど我慢してね!!!!
「身体強化による必殺、魔力投げぇっ!!!!!」
飛んでいきます!!人が空を飛んでいきます!!
すげぇ、親方!!人が空を飛んでやすよ!!!!
うわぁ、飛んでるよー
一応、シエラちゃんがいるローゼンブルクの方に飛ばしといたから着地は大丈夫かな?
まぁ、着地が失敗しても最悪、リディさんがいるから大丈夫かな?
それでも駄目なら、もう知らない。
一応、勇者なんだから自分でなんとかしろ。
さてと.........
私は炎の中を見る。
本当に、化け物だよ【最強】さんは.........
この炎を浴びれば、普通なら生命力は燃え尽きるはずなんだけどなぁ...............
まぁ、私はちょっとズルしてるから問題ないけど、【最強】は素の肉体強度で耐えてるよ..........
ナニソレ、コワい............
下手したら、さっきいた龍すら殺せる炎を人族がなんのズルもせずに耐えている...............
なんだ、ただの人間の皮を被った化物か!!!
「ふん!!そんなものか?不死身の勇者とやら?」
【最強】が、生命焼却炎を息で消し飛ばす。
「ゲホッゲホッ.........」
「あ゙ぁ、まったくいくら死なないと言っても痛みはあるし、傷は治らないんだぜ」
「本当はこの一撃で決めるつもりだったんだが.........」
「すまん、逃げてくれ雨宮さん............」
「俺は..................、魔力切れ...............だ..............」
そういって、桐生くんは莉央を逃がす時間を稼いでリタイアした。
「さて、後はお前だけか。偽物の勇者」
【最強】が、コッチに顔を向ける...........
いや、コッチ見んな
「はぁ〜」
「面倒くさいし、さっさと終わらせようか、Sランク冒険者【最強】さん?」




