一話 特殊な入学式
1話 (特殊な入学式)
グーグーzzz
「起きてー学校行こう、じゃないと遅れちゃうよ。」
窓から差し込む光と、OO(ヒロイン1)の声で目覚めた。
「はぁ~はぁ~」
つばを飲み込んだ。
布団を蹴飛ばし、寝ぼけた目をこすりながら立ち上がる。
今日は”すごく怖い夢”を見たな…。
早く忘れよう。
でも…なにか忘れてはいけないような…。
そう思いながら、ペタペタ足音をたてながら声がする窓の方へ行った。
眠い目をまたこすり、あくびをして言った。
「朝から元気だな…着替えるから少し外で待っといてくれ。」
玄関前にいる元気な少女OO(ヒロイン1)は言った。
「はいは〜い。」
と手をぶんぶんふって返事をしていた。
「今日はほんとに”怖い夢”を見たな。」
──ああ、今日から高校生活が始まるのか。
OO(ヒロイン1)と同じ学校に行けるなんて…。
OO(ヒロイン1)とは幼なじみだ。
元気で活発な女の子だ。
今日は梅色の髪をおろしてストレートヘヤーか…かわいいな。
頭を左右に振った。
それより制服や教科書を探さなければならない。
部屋は散らかり放題。机には”OO(主人公)”と自分の名前が刻まれたかわいいお化けのキャラが一つ置かれている。
机の上も床の上も何かで埋め尽くされている。
探すのが大変そうだ…。
「あーあもっと掃除しないとな…。」
部屋が真っ暗なままだったのでパッチとボタンを押し部屋に明かりをつけた。
その頃外にいるOOは、まだかな〜と思いながら梅色の長い髪をかきあげていた。
OO(主人公)はこのままだと長くなりそうだと思った。
「もう少し時間かかるから中に、
入っといてくれ。」
「わかったー。」
と返事しOOは茶色いドアを開けようとドアノブを押した。
バン、バン音が鳴り響く。
「あれ…おかしいな~。」
もう一度、ドアノブに手を添えて
バン、バン、また音がするだけ
玄関ドアは開かなかった。
OO(ヒロイン1)は不思議そうに
首を傾けてOO(主人公)に言った。
「鍵あいているの〜?あかないよ〜。」
OO(主人公)は窓からひょこっと顔を出して言った。
「鍵かけてないぞ。」
彼女はそのことを聞き驚いた。
少し頭をポリポリかき少し考えた。
「じゃあなんで開かないの?」
OO(主人公)がすこし腕を組み考えた。
はっとした顔でOO(主人公)はOO(ヒロイン1)に言った。
「もしかして押し戸、引き戸、間違えてるじゃない?」
OO(主人公)は窓からだしている顔をすっと引っ込め入学式に必要なものをまた探し始めた。
OO(ヒロイン1)の顔が赤くなったのが、自分でもわかった。
「引き戸だったのね…。」
恥ずかしくなって、急いで扉を開きOO(主人公)の家の中へ入った。
家の中に入った後にもしばらく両手で顔を隠していた。
言葉では表現することができない恥ずかしさがOO(ヒロイン1)を襲った。
その恥ずかしさを少しでも和らげるために心の中で自分、OO(ヒロイン1)の頭をポコポコたたいた。
バタバタ…何か崩れた音がする。2階から…。
OO(主人公)は今、”赤い封筒”を探している。
これは入学式の時に必要だと高校…学園から言われている。
「今日は、入学式だからこの制服、あれどこにやったけ、どれがいるんだろう?」
ベットの布団はクシャクシャで部屋にはものが散乱している。
何かが僕を滑らせた。
「うわっ〜。」
足をすべり、ケツから地面に落ちていった。
地面と接触すると同時に想像を超える痛みがOO(主人公)のケツを襲った。
「うー…ヨレヨレになったシーツか?
これ妙に伸縮性があって…足もってかれる。」
本当にムカつく…。
OO(ヒロイン1)はバンっと上から大きな音がした。
「だいじょうぶー?」
OO(ヒロイン1)の心配そうな声が聞こえた。
OO(主人公)はケツをおさえ…痛み…こらえて言った。
「ああ、大丈夫だ。」
こんな恥ずかしい姿をOO(ヒロイン1)に見せられるわけがない。
まだ、パンツしか身につけてない。
イモムシのように体を必死に動かし、スパイ映画の最後の覚悟するシーンのように
壁にもたれた。
今までこんなに制服のボタンを止めたことはなかった。
OO(主人公)は自分のシャツのボタンを止め終わったシャツを見て…ショックを受けた
「なんだと…クソってなんかうまいこといくと思ったら一個ズレてるじゃないか。」
彼女は、OO(主人公)を心配していた。
やっぱり何かあったかも、あんな苦しそうな声聞いたことないんだもの。
それにあいつの部屋は散らかってるから…物の下敷きに。
OO(主人公)の部屋に向かって走り出した。
階段が上がってくる音がする。
OO(主人公)の心臓のBPMが、どんどん上がっていく。
「どうすれば回避できる。」
OO(主人公)は手をパンとたたき、手をあわせた。
そして地面に手をそえた。
「こんなしょうもないことでチカラを使いたくないが…仕方ない。」
OO(主人公)の散らかって汚い部屋がどんどんきれいになっていく。
シワシワで伸びたシーツが新品同然になり
クシャクシャ布団のシワが綺麗になくなった。
地面に落ちているたくさんの書類がプカプカ浮き、どんどん元の本棚へと戻っていく。
「間に合うか?」頼む…。
ズボンはOO(主人公)のもとに…。
その瞬間ドアが開いた。
OO(主人公)の心のなかでセーフっというポーズをした。
OO(ヒロイン1)はすぐ
「何があったのってあれ…普通だ。」
と言った。
「そんなにあわててどうしたんだ。
OO(ヒロイン1)。」
OO(主人公)は、すました顔をして…窓から漏れている最高の朝日を…。
うん?OO(ヒロイン1)の様子がおかしい。
OO(ヒロイン1)は急に顔を両手で覆い隠した。
彼女の頬が赤くなっている。
僕はOO(ヒロイン1)に近づいていった。
「どうしたんだ?」
珍しく恥ずかしそうな顔をして、
「ズボン…あ…る。」
あれ…聞こえなかった。
OO(主人公)はもう一回言ってくれるようにお願いした。
「ズボン開いている!。」
と彼女はすこしキレ気味?で答えてきた。
なんだと…と思いながらズボンを見た。
OO(主人公)に衝撃がはしった。
あわててゲートを閉じた。
OO(ヒロイン1)が教えてくれなかったら…終わっていた。
「教えてくれてありがとう。」
と言い肩を軽くポンとたたいた。
OO(ヒロイン1)の体が、わなわな震えている。
「朝から変なものを見せないでよ。」
と言いながら、OO(ヒロイン1)の拳が容赦なく僕の左頬を捉えた。
プンプン怒りながら、部屋から出ていった。
「イテテ…なにそんなに怒ってるんだよ。」
と言いカバンと”赤い封筒”をとりOO(ヒロイン1)を追いかけた。
外でたって待っている。
玄関の鍵を締めた。
OO(ヒロイン1)外で待っていてくれる。
OO(主人公)がそばに駆け寄ると無言でOO(ヒロイン1)は歩き出した。
無言のままはなんというか…気まずい。
OO(主人公)が話しかけた。
「………。」
何も答えてくれない。
黙ってしばらく歩き続いていたら
突然、OO(ヒロイン1)が
「さっきはごめんねっ」とソッポを向きながら言った。
「僕のほうこそごめん。」
そんなことを言い、仲直りできてOO(ヒロイン1)から手をだしてきた。
手を繋いで仲良く登校した。
しばらく学園に向かって真っ直ぐ歩いていると、街にいるおばさんたちがチラチラこっちを見ながら何か話している。
なんだろう?とOO(主人公)は思った。
OO(主人公)は気になって聞き耳を立てた。
「あの子達付き合っているのかしら。」
紫色の無地のTシャツを着ている人が言った。
「絶対そうよ〜私もそんな感じがする」
薄い黄色のカーディガンを着ている人が手を前振り下ろし少し笑いながら言った。
「そう言えば今日入学式じゃない?OO学園の。
制服がそうだからそうに決まっている。」
黒と白のしま模様の服を着ている人が言った。
「そうね、一緒のクラスになるといいわね。」
薄い黄色のカーディガンを着ている人が言った。
三人のおばさんたちが下品な笑い声を大きくあげている。
OO(主人公)はOO(ヒロイン1)の顔を見つめそう思った。
僕はそんなふうに意識したことはないけど、OO(ヒロイン1)はそんなふうに
思っているのかな?
そんなことを思って前を向いて歩いていると気づいたら交差点前。
振り向いてこの僕の疑問を訪ねようとした。
「なぁ〜、あれ…いない。」
どこに行ったんだ?とあたりをみまわしていると
交差点の向かい側に何か屋台のようなものがある。
そこに梅色の髪の長い、元気活発の女の子が立っている。
OO(主人公)と同じ制服を着ている。
「あれ…なんか見たことがあるぞ。
OO(ヒロイン1)!?」
そうだ、あいつは甘いものには、目がない。
OO(主人公)は急いで向かいたいが、向かえない。
なぜなら信号が赤だからだ。
足踏みしながら待っていると、青にきり変わるのと同時にOO(主人公)は走り
OO(ヒロイン1)の方に向かった。
「何買ったんだ?」
OO(ヒロイン1)がクルリとこちらを向き
手に持っているものを見せてくれた。
「いちごアイスだよ〜。」
ニコニコしながら答えてくれた。
へぇ〜この時間帯に売ってるんだ?とOO(主人公)は思った。
彼女はそのままアイスを持って、一緒に学園の方に向かっていった。
OO(ヒロイン1)は道中「食べる?」と聞いてきたが
「いらない。」と言った。
だがしつこくOO(ヒロイン1)は「本当に? これすっごく美味しいよ!」
OO(主人公)は少しキレ気味に「いらな…。」
「本当に?」
とOO(主人公)の顔を見つめてきた。
少しドキッとした…顔が近い…。
そんな彼女をを見ていると、つい気が緩むが──その瞬間。
「おい、こんなバカップルと同じとこに行くなんてよ〜。」
振り向くと、黒いフードを被った男がこちらをあざ笑う。
「その制服っ…君も同じ学園の新入生なんだね。」
こういう人とはあまりかかわらないほうがいいとOO(主人公)は思った。
さっさとこの場を離れて急いで学園に向かおとして、
OO(ヒロイン1)の手を引っ張ったが、微動だにしない。
OO(主人公)は思った。
もしかして…こいつ…。
「初対面の人にバカって失礼よ、あんた。それにバカって言ったほうがバカなんだから。」
と言ってビシッと指を指した。
やはり予想はあたったとOO(主人公)は頭に手を…。
黒いフードの男は缶ジュースを振りながら口元に薄い笑みを浮かべていた。
「面白いな…俺の名前はOO(弾丸シュート)。」
OO(弾丸シュート)は持っている缶ジュースを持ちながら指を指してきた。
「俺は世界人口の3分の1の能力者にバカだと…。」
OO(主人公)はヒロインの腕をつかんだがOO(ヒロイン1)は腕を振り払った。
男はフードを脱ぎながら言った。
「俺が入学するOO学園はエリート中のエリートが行くようなとこだぞ。
と言い缶ジュースのタブのとこを引きちぎった。
俺みたいな選ばれた優秀なやつがいくのにふさわしい学校だ。無能力者め…。」
そう言って彼はをとって言った。
「すこし試させてもらう。」
(主人公OO)は(ヒロイン1)を自分の背の方におおい隠した。
OO(主人公)は言った。
「何をするつもりだ!」
OO(弾丸シュート)の引きちぎったジュースのタブが右手を銃のポーズの指先に浮いている。
フードの男は静かに言った。
「今にわかるぜ。」
OO(弾丸シュート)の栗色の髪をなびいていた。
OO(主人公)は言った。
「うちのOO(ヒロイン1)が悪かった…やめてくれ。」
弾丸シュートは二ヒィと笑い、こう言った。
「やだね。」
缶ジュースのタブが、勢いよく、こちらに向かっていく。
OO(主人公)は見て思った。
飛んでるくるタブが遅く見える。これならいけるかも…。
OO(主人公)は人差し指で飛んできたタブに触れた。
「はぁっはぁ危なかった。」
OO(弾丸シュート)の額からは汗はでている。
「てめぇ何をした。」
タブはOO(弾丸シュート)の指先にあった。
OO(弾丸シュート)は思った。
タブが俺の方へ近づくほどタブが加速しやがった。
普通なら徐々に減速するはずのに…。
しかも俺をぶち抜かなかった。
OO(主人公)はすました顔をして言った。
「僕の名前はOO(主人公)…えっと…よろしく。」
OO(弾丸シュート)はポカンとした顔でしばらくこっちを見ていた。
「フフフ…いきなり自己紹介か?面白いなお前…気に入った。」
その瞬間…OO(主人公)の右手は血だらけ…。
「いってぇぁ゙〜。」
激痛の痛みとともに、指先から滴る赤い雫がポタポタと地面に落ちていく。
タブはOO(主人公)の手を貫通しそうになるほどの威力だった。
声を出さずにはいられなかった。
弾丸シュートは急に慌てた。
「撃ったのは俺じゃない…本当だから…いきなり。」
OO(主人公)は痛みをこらえて言った。
「わかっ…て…。」」
OO(ヒロイン1)は慌てて優しくハンカチで手を巻いてくれた。
「あ、ありがとう。」
OO(主人公)は手を抱え込みそう言った。
「あんたは、なぜこんなことをするの?」
眉をひそめて彼女は言った。
「そんなの…知る…。」
フードを被った男が喋ろうとした瞬間。
一瞬にフードの男に近づきOO(ヒロイン1)は 顔面右ストレートを顔面に決めた。
OO(弾丸シュート)は軽く空中にまって背中から地面へ落ちていった。
「最後まで言わなくても、どうして大した事ないことをいうのはわかるのよ。」
冷たい眼差しで彼女は言った。
「さぁ〜学校に向けてさいしゅっぱつ〜!」
OO(ヒロイン1)は何事もなかったようにOO(主人公)の手をそっと握り学園の門の前まで歩いていった。
門の前に来ると門に立っている先生、警備員があわててこちらの方へ走ってきた。
「大丈夫ですか?」
真っ先に声をかけてくれたのは、警備員さんだった。
OO(主人公)が口を開ける前にOO(ヒロイン1)がこう言った。
「大丈夫じゃないわよ、はやく手当してあげて。」
必死に訴えていた。
OO(主人公)は思った。
何事もなかったようにしていたが…僕のことを心配してたんだ。
警備員の隣にいた先生は、あわてて学園へ走って救急箱をとって来ようとして走り出した。
OO(主人公)はこのケガは自分のせいでしたのですこし気まずかった。
警備員さんが全てを見透かしたような目でこちらを覗いてきた。
「私の名前は青木ミクルと言います。これからよろしく。」といいペコっとお辞儀をした。
警備員の目の色は右は鮮やかなワインレッド…。
左目はなにか神秘的なものを感じさせるレモンイエロー。
突然、警備員…青木ミクルが自己紹介をしてきた。
OO(主人公1)、OO(ヒロイン1)はあわてて自己紹介した。
「OO(主人公1)です、隣にいる子がOO(ヒロイン1)。」
自己紹介をしているとたくさんの新入生が門をくぐっていく。
青木さんは「すこし待っててね。」といいメガホンを持ってトコトコ歩いて行った。
「新入生の皆さんおはようございます。右側の通路に行ってください。まっすぐ進めば、 案内してくれる先生たちがいますので。」
そう言って青木さんだけはまたOO(主人公)達のところに戻ってきた。
OO(ヒロイン1)が疑問に思ったので質問した。
「他の警備員さんたちは、私達、新入生を導いているのにいいんですか?」
青木さんはハハッと笑いながら言った。
「私はもっと”重要な役割”がありますので…。」
左目の黄色い瞳が輝いて見えた。
青木さんは手をパンッとたたき言った。
「そうだ、もうすぐあの子来ますよ…フードをかぶった男OO(弾丸シュート)が…。」
その言葉に思わず目を大きく見開いた。
そして門の方へしばらく目線を向けた。
するとボロボロになっているOO(弾丸シュート)が鼻を手でおさえている。
制服には血がついている。
おそらくOO(ヒロイン1)のパンチが原因だろう。
OO(主人公)はOO(ヒロイン1)に目で「やりすぎだろ」と言い
OO(ヒロイン1)は「だってむこうが…。」とアイコンタクトで会話していると
OO(弾丸シュート)はOO(主人公)達を見つけて、ドスドスと足を地面に叩きつけながらこちらに向かってきた。
青木さんはスッとOO(主人公)達の間に入って言った。
「もうあの子達と喧嘩するのはやめてください。」
右目の赤い瞳が何か強い圧をかけている。
「これで全員そろいましたが、まだ君…OO(主人公)の手の手当してないね。
あの先生が戻って来るまで待っててください。」
OO(主人公)は何が全員?と思ったが質問をしなかった。
OO(ヒロイン1)は冷たい目をたもったまま睨んでいる。
OO(弾丸シュート)は気まずそうにOO(主人公)達とすこし離れたところに立っている。
それからしばらくすると走り疲れた先生が息をきらした先生が来てくれた。
「救急箱…ハァハァ…です。」
OO(ヒロイン1)はすぐにその救急箱を力強く奪った。
素早く包帯、消毒液を出した。
青木さんがOO(ヒロイン1)の手をおさえる。
「私がやります。あなたはじっとしてください。」
そっと包帯と消毒液を受け取りながら言った。
「OO(弾丸シュート)こっちに来て私を手伝ってください。」
OO(弾丸シュート)は主人公の手首をぎゅっと握った。
青木さんはゆっくりハンカチをほどいてOO(弾丸シュート)に傷を見せつけた。
OO(弾丸シュート)は思わず目をそむけた。
「あなたがつけた傷…あなたが思わずそむけたくなるほどのことをあなたはしたのですよ。」
青木の言葉を聞き、OO(弾丸シュート)は深く反省した。
今は、ただただ申し訳ないという気持ちが心のコップにあふれるほど注がれていく。
「すまなかった…。」
主人公の目を見て謝った。
OO(弾丸シュート)は今まで…自分のチカラを使い…気に入らないものにぶっつかっていた。今回は…誤爆だった?だが…これからはもうこのようなことが起きないように今までの俺は捨てよう…。
OO(主人公)たちが見た、謝る姿はなんというかぎこちなかった。
「もう、いいよ気にしてないよ。」
OO(主人公)は笑顔で答えた。
「本当か?」
OO(弾丸シュート)は聞いた。
「本当だって、顔が近い。」
OO(主人公)は左手でOO(弾丸シュート)の顔を押し返した。
OO(弾丸シュート)は言った。
「すみません、青木さんに…。」
あいつに手当をしようと思って言ったが、青木さんがすでに終わらせていた。
「そろそろ行かないと遅れますよ。」
青木さんはそう言った。
OO(主人公)達3人は右側の通路を渡ろうとした時
「あなた達はこっちですよ。」
と言い、青木さんはさっきまでなかった左の道を指を指した。
「あなた達が遅れたら、私が怒られるんですから。」
OO(主人公)達は青木さんを信じて左に進んだ。
一歩足を踏み入れるほどに…重くなる…。
そして視界がシャボン玉に映るものようにグニャグニャ捻れていく。
なんだ…カバンに入れた”赤い封筒”が赤く輝いてる。
「ここは?」
気づいたら暗い大きな体育館のような部屋の中にいた。
だがなにかの軍隊とかなんかの集会場のようなとこみたいだった。
周りのみんなはすでに整列していた。
青木さんが急にひょこっと出てきて、ここだよっと指を指した。
「ありがとうございます。」
OO(主人公)達は小さな声でお礼を言った。
青木さんは、あわてて前の舞台に走って言った。
OO(主人公)は、”重要な役割”ってこのことかと思った。
舞台の前に立っているのは、おそらく校長先生と思われるものと、後ろに立っている7人の人たち。
校長らしき人がゆっくり舞台に上がった。
マイクを手でポンポンと手で叩いたあと、あ〜っとマイクテストをしていた。
「え〜校長でありあなた達が入る組織のボスであります。」
校長はいきなり意味がわからないことをスラスラと言った。
校長の声が会場全体に響き渡る。
周りがざわざわしている。
OO(弾丸シュート)は思った。
みんなが騒ぐのは当たり前だ…俺だって意味わからない。
校長の姿は貫禄のある初老の男性だった。
しかし、その柔和な笑顔の奥にどこか冷徹なものを感じ取れる。
まるで全てを掌握しているような眼差しだ。
「落ち着いてください。この学園は、単なる進学校ではない。ここにいる者たちには選ばれた理由がある。」
校長はスーツの内ポケットから、”赤い封筒”を取り出して掲げた。
皆さんには普通の学生にはお渡ししてないものがあります。」
校長はある”赤い封筒”を取り出して、みんなに見せた。
新入生たちはカバンの中をあさり、みんな”赤い封筒”を出した。
私たち全員が持っていた“赤い封筒”。
まさか入学前に送られてきたこの謎の赤い封筒が、こんな意味を持っているとは誰も知らなかった。
なぜか急に
OO(主人公)の頭に今日の夢──いや、
あれは夢なのか──が再びよぎる。
研究室、遺体、黒い靄。
あの光景は何だったのか…?
偶然ではない気がしてならない。
校長は続けて言った。
「この封筒はモジュモジュの木を使って封筒を作りました。
モジュモジュの木というのはある世界で一本しか生えていない不思議な木で
この木にある思いを込めると、その特定の人だけに見て、触れられます。
私が込めた思いは、この組織に必要な人材、世界を救うような…。」
校長は涙を流して言った。
みんなは世界を救う、自分たちが特別、その感情に支配された。
校長、いやボスの後ろに並んでいた7人が前に出て、色々説明してくれた。
一番先頭の長身の男──きっちりとしたブラックスーツを纏い、フランス貴族を思わせる冷徹な雰囲気の彼が、一歩前へ出る。
彼の服装はフランスの貴族を思わせる、洗練されたブラックのスーツに、銀の装飾が施されていた。
「我が組織の名を言っておこう”《O.M.E.G.A》”だ。
《O.M.E.G.A》の目的を一つ教えよう。
それは…”世界を悪の手から防ぐまず”これが1つ目だ。
2つ目は”遺体の回収だ”。
皆が知っている15年前に起きたある研究の事故がその原因は遺体だ…。
世界の人口の3分の1が能力者の原因もそれだ…。」
一人の男が手をあげた。
「なぜ遺体を回収するのですが?」
一番先頭の長身の男は少し鼻で笑った。
「知りたければランクをあげろ。」
OO(主人公)は思った。
僕が見た夢って…。
一番先頭の長身の男は続けた。
「君たちにはまず“ランク”という概念を理解してもらう必要がある。
低い順にアルファ ベータ ガンマ デルタ イプシロン、ゼータ。」
その鋭い銀色の瞳が私たちを見渡した。
「我々ゼータクラスは、この学園において最高位に位置する者たちだ。
そしてお前たち新入生は、その階層の一番下、“アルファランク”からのスタートとなる。上に行きたければ自らの力を磨け。」
男はさらに言った。
「ランクが上がることで開示される情報、与えられる権利が増える。
アルファでも月100万円。デルタになれば専用武器のオーダーが可能となる
イプシロンからオペレータがつくんだがより優秀なものにはデルタでもオペレータがつく。
つまり…デルタ以下は現場での判断がより重要になる。
次にイプシロンだ。
“任務”の内容がより重要なものに変わる。
そしてゼータ……これは選ばれし7人だけが許される地位だ。
時には協力し、そして“真の世界”と向き合え。」
みんなのやる気が最高潮に高まった。
彼がそう言い終えると、後ろに控えていた他のゼータクラスのメンバーたちがそれぞれ一言ずつ自己紹介を始めた。
ゼータ第1位:冷酷な秩序
「私はこの学園に秩序をもたらすためにいる。無秩序を許さない。それが私の信条だ。」
きっちり整えられたショートヘアの男は、言葉少なにそう語った。彼の存在そのものが、異常なほど完璧だった。
ゼータ第2位:ニューワールド
白金の髪を持つ優雅な男が言った。
「この学園は楽園への第一歩にすぎない……。その真の姿を見たいのなら、君たちは成長するしかない。」
ゼータ第3位:血液操作
「僕に気軽に話しかけてくれると嬉しいな。」
キツネのような目をした彼は、少し笑みを浮かべながら語った。
ゼータ第4位:イマジンソード
「剣は僕の心の投影だ。自分の剣に負けないように頑張ってくれよ!」
明るく爽やかな彼は、どこか挑発的な笑みを浮かべた。
ゼータ第5位:空間切断
「僕は無駄が嫌いだぁ。お前たち犬死にだけはヤメロよ。」
嫌味な笑みを浮かべ、彼は細身の体をわずかに揺らした。
ゼータ第6位:不死
ゼータ4位の男がゼータ6位の前に立ち、金髪に紫のメッシュを入れた女性の首を
バッサっと切断した。
頭は舞台にコロがっていった。
首元から徐々に床を紅色に染めていく。
コロがった頭の目には光がなかった。
頭が黒い霧に包まれ切断された首もといき頭が形成されている。
「びっくりしたでしょう♡僕は不死身。
ふふっ、頑張れ、新入生たち。まぁ一番君たちと関わること多いからよろしくね。」
金髪に紫のメッシュを入れた女性が、軽く手を振る。
ゼータ第7位:無効
最後に現れた少女は絵本とクマのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめ無表情で静かに前に出た。
「……。」
その目はどこか幼さを残しながらも冷たい光を放っている。
無言でたっていった。
その少女は小学3年生くらいのようだ。
校長がゆっくり手を上げゼータクラスの面々を後ろにさがらせ言った。
「一つ言い忘れましたが、あなた達は本来なら、普通の入学式をやるはずだったんです。
表の方では入学式にきてない、問題児となっていますのでご理解ください。
そうしないと辻褄が合わないでしょう。あとこれらのことは内緒で。」
ニヤと笑って言い去っていった。
ボスが去ったあとに走ってきた男が言った。
「これが君たちの“目標”であり“越えるべき壁”だ。そして今日が、その第一歩となる。」
走ってきた男の言葉が終わると、突然、会場の床が震えた。
ガガガガッ……!
床下から巨大なエレベーターがせり上がってくる。生徒たちは驚きの声を上げた。
「さて、新入生たちよ。これから“初任務”だ。」
冷たい笑みを浮かべながら言った。
「地下へ行け。そこに君たちの力を試す相手がいる。」
OO(主人公)たちはただ呆然とするしかなかった。
だが、その後に待ち受ける恐怖など、まだ誰も知る由もなかった。
重厚なエレベーターがゆっくりと降下を始めた。
新入生たちは押し黙り、不安げに周囲を見回している。
薄暗い照明の中、かすかに聞こえる振動音だけが緊張を煽っていた。
僕達新入生総勢300人だけをエレベータに乗せドンドン下に向かっていく。
そのエレベータはすごく頑丈だった。
みんなはまださっきの優越感に浸っている。
すごくやる気みたいだ。
チーンと到着の合図の音がなったが扉は開かない。
その代わり走ってきた男、あいつの声が聞こえた。
「今君たちがとあるものと戦う。その生物の名はサイキョウノニンゲン。
サイキョウノニンゲンについて詳しく知りたいものは生きて帰ってこい。
やつを甘く見るな…。」
ブツッと音が切れ重く頑丈な扉が開いた。
殺風景な景色が広がってた。
扉の向こう側の景色は上にはたくさんの明かりがあり壁は分厚いコンクリート、地面は土
で覆われていた。
あちらこちらにコンクリートの柱が立っている。
思わず後ずさりする新入生たち。
「うわっ……。」
それは“人間”の形をしていた。
どこか異様だった。
体は黒い粒子で構成されている。
頭だけなぜかミイラのように黒い包帯が巻かれている。
両腕は異様に長く、
指先には鋭い爪が生えていた。
すみません名前とかまだ決まってなくて読みにくいと思いますが、これからも応援よろしくお願いいたします。
感想が励みになります。
もっとこうしたらいいよ
みたいなアドバイスあるなら気がるに言ってください。
次回もお楽しみに…