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関ヶ原の戦い 開戦

「石田め、準備は万端か。」

「あの陣容、正面がかなり厚くなってますな。正面からぶつかってはそう簡単に破れないでしょうな。」

 

 眼前に広がるは西軍が完璧に布陣を整えた関ヶ原。

 立花、長宗我部等の猛将の旗も見える。


「直政、忠吉はどうしておる?」


 家康の問いに直政は良い顔をしなかった。

 

「赤坂の夜襲が思いの外効いたようで、気を落としておりまする。」

「……名将になるかどうかは初陣で決まる。あの鬼島津に殺されかけたのでは無理は無いか。此度の戦、お主がついてやれ。」

「はっ!」

 

 既に東軍の布陣も整っている。

 が、現状東軍は岐阜、合渡、赤坂の夜襲の損害そのままで来ている。

 まともにぶつかれば敗北は必須であった。

 

「……殿、これ以上長引かせては大津城を攻める西軍の一万も来ましょう。秀忠様の別働隊を待っていては負けまする。」

「……忠勝の言う通りじゃな。秀忠ももうすぐ来るであろう。が、待てぬ。何処を通って何処に布陣するかは既に文で伝えておるし……。」

 

 家康は立ち上がった。

 

「うむ、戦の最中に敵の援軍が来たとあれば敵の士気も落ち、味方の士気は上がる。直政、先陣はお主じゃ。井伊の赤備えの力を見せつけてやれ!」

「はっ!」

 

 直政は頭を下げると本陣を出ていった。

 

「忠勝は儂を守れ。頼りにしておるぞ。」

「お任せ下され。」

 

 家康は歩き出し、三成の本陣を見据える。

 

「この戦の勝ちの目は、小早川。……あやつがどちらに転ぶかで天下の行く末が決まる。……秀忠よ。急ぐのだ。」

 

 

 

「三郎。いよいよだな。」

「……。」

「三郎?」

 

 敵に福島、田中はおらず、池田、藤堂には痛手を与えた。

 しかし池田は後方、あまり意味は無かったかもしれない。

 だが、こちらは長宗我部、長束、立花が陣に加わっている。

 

「……この戦で勝てば歴史は大きく変わる。」

「……うむ。」

「そうなってはこの先どうなるかは全く分からん。未来の知識で手助けしてやれるのはここまでかもしれん。」

 

 関ヶ原の後、織田家がどうなるか全く予想がつかない。

 

「だから、戦後ほんの少しでも優位に立つために武功を上げねばならん。秀信。ここが正念場たぞ。」

「……うむ。」

 

 最も怖いのはここで負け、戦の最中に秀信が討ち死にすることだ。

 そうなっては元の史実の方が良かったという結論にすらなるかもしれない。

 すると、銃声が鳴り響く。

 

「っ!始まったか!」

 

 戦場を見渡すと井伊の赤備えが宇喜多勢に銃撃を開始した。

 宇喜多勢も負けじと撃ち返している。

 関ヶ原の戦いが、今始まったのだ。

 

「……三郎、我らには杉江勘兵衛、松田重太夫、それに木造長政という武の者がおる。決して負けぬ。」

 

 秀信はこちらの不安を感じ取ったのか慰めてくる。


「……されど、苦戦は必定であろう……。が。」

 ……面白い。

 素直にそう思えてしまう。

 刀を抜き、敵へ向ける。

 

「……是非もなし。」

 

 今ここに、天下分け目の大戦が始まった。

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