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【完結から1年。順次補正中】正史・銀河四國史(未来における英雄の生涯)  作者: 嶋 秀
RIU・落龍篇

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第88話(復讐の準備)


リウは護衛の2人を殺され、夫のレイが意識不明のままになったことに対して、復讐をすることに決めた。


そして、暗殺犯の情報収集を始めたのであった。


 翌日。


 母の葬儀と埋葬を終えたクルス・ラートリーは、入院中のブルーム准将の怪我の見舞いと今後の生活相談をする為、レアー号を訪れていた。


 総司令官の自宅でもある艦艇に、民間人を乗せる訳にはいかないので、准将は外に出て見舞いを受けていた。


 「クルス。 今後どうするんだ?」

 准将も、まだ17歳のクルスの行く末を案じていたのだ。

 「暫くは、この惑星に居たいのですが......」

 クルスはそう言ったので、准将は少し驚く。

 「お前の祖父母は、ヘーラーに住んで居るのだろ? それに大佐が亡くなった以上、軍の官舎にはずっと住んで居られないぞ」

 「そうなんですよね。 それでどうしたら良いのかと思いまして......」

 「俺と一緒に住むか? 独身だから気兼ね無いだろ?」

 「そこまでご迷惑を掛けたら、亡くなった母に怒られます」

 「他の方法だと......何があるかなあ〜」

 そんな話をしていると、ケイト・パルトネール准将が艦の外に出て来た。


 「こんなところで、立ち話なんて、どうしたの?」

 ケイトに声を掛けられる2人。

 事情を説明すると、

 「それなら、財団がこの惑星に作った施設に入る? 戦災孤児等の為の施設だし、まだ出来たばかりだから、殆ど利用者が居なくて空いているわ」

 パルトネール准将はそう言うと、

 「詳しくはリウに聞いたら? 他にも色々な財団を作っているから、補助金だけで大学まで卒業出来るかもよ」

 その様にアドバイスをすると、そのまま出掛けて行ってしまった。

 どうも墓参りに向かったようだ。


 「クルス。 まだ色々と忙しいだろ?」

 「はい。 家族が亡くなると、こんなに手続きが沢山有るとは思っていませんでした」

 「まあな。 あまり経験したくは無いがな」

 「ところで、どうしてこの惑星に残ろうと思っているのだ? クロノス星系に戻った方が選択肢も多いのに」

 「母が、この惑星を気に入っていたのです。 そして、総司令官に感謝していました。 特殊部隊ですることが無く、腐っていた自分を変えてくれたと」

 「女性でも、努力すれば最高位まで昇り詰めることが出来ることを示してくれたと言って。 尊敬していました」

 「そっか〜。 腐っていた自分を変えてくれたというのは、俺も同じ思いだな」

 「だから、この惑星に埋葬したのです。 祖父母にもその話をしたら賛成してくれました。 親が娘の墓参りなんてあまりしたくは無い。 ネイト・アミューなら遠くて、頻繁には行けないし、キエラが気に入っていたのなら、そこでお願いするよって言って」


 クルスと話をして、ブルーム准将は思い出したことを口にした。

 「この惑星には、他に亡くなった同僚も埋葬されているからな。 さっきの准将もここに墓を準備しているんだよ。 病気の悪化で、もう長くは無いんでね」

 「それなら、母も寂しくないですね。 直接言われたことは無かったですが、あの墓地を選んで喜んでくれていると思います」

 「その墓地って総司令官が買ったところだろ? 随分早く準備しているけど......そう言えば不老装置を使っている方だから、寿命が短いのだったな」

 「母と一緒に亡くなった副官の方は、総司令官の隣でしたよ。 英雄の隣ってちょっとスゴいですよね? 僕が希望を言ったら、母の場所は隣の区画を準備してくれました」

 「みんなが纏まって埋葬されれば、しょっちゅう誰かが墓参りに来てくれて、寂しくないかもな」

 ふと感じたことを准将は答えると、

 「パルトネール准将が言っていたさっきの話は、総司令官に尋ねておくよ。 今は、ちょっと質問出来る状況じゃないから、折を見て」

 そう言うと、辛い状態の中、見舞いに来てくれたことへの謝礼を言って、別れたのであった。


 


 リウは、レイが横たわる医療用カプセルの隣にベッドを移動させて、寝起きしていた。

 「おはよう、レイ」

 「レイ。 行ってくるね」

 「レイ。 ただいま〜」

 「おやすみ〜、レイ」

 毎日、4回の挨拶とキスは欠かさず。


 レアにレイの病状を毎日確認もしていた。

 「おっかしいんだよね~。 意識戻っても良い筈なのに......」

 手術は成功して、最新の医療システムの効果で、大きな傷も消えつつあり、怪我の影響は無くなっている。

 レアはリウにそう語るものの、意識は戻らない。


 ずっと、寝たままのレイの姿に、ことある毎に涙を流しているリウ。

 その姿に、パルトネール准将は心配をしていた。

 「このままだと、情緒不安定なリウになってしまう。 それが長引けば、統治面にも悪影響が出てくるのではないか」


 当のリウも、そのことは意識していた。

 ただ、今回は一度に3名もの側近を失い、しかもレイが含まれている。

 死んでいないとは言っても、意識が戻らず寝たきりでは、居なくなったのと大差がある訳ではない。

 そして、こんなことをした犯人に、報復することだけしか考えていなかったのだ。



 各方面から情報収集の結果、首謀者の目処はおおよそついていた。

 ヨハン・シルバーバーチ

 アウグスト・リューネ

という、帝國の地方軍閥の当主であると。

 これらの情報の大半は、帝國内に精緻な情報網を持つ西上国からもたらされたものであった。



 「丞相。 今回の同時テロは誰が立案、実行したものなのですか?」

 レアー号とアプロディテ号との間の専用通信回線で話をするリウとシヴァ丞相。

 「アンナー派の外戚であるシルバーバーチとリューネの2名だな。 帝國4大地方軍閥の当主でもある」

 「なんで、私達まで......」

 「推測だけど、アンナーが皇帝になった時に、長期安定政権を目指してなのだろう。 国力も軍事力も逆転されているから、皇帝の跡目争いに乗じて、邪魔者は纏めて消しておこうという......」

 「邪魔者って......」

 「お坊ちゃん達だから考えが浅慮なんだよ。 苦労せず帝國内の高い地位を、出自だけで手に入れている人生だろ? しかも彼等の軍閥は帝國に税も納めていない、特別扱い」

 「出自といえば、私も大差ないですよ」

 自嘲気味に話すリウ。


 「とは言え、帝國内のエウドア派に属する長老や老将の一族を万単位で暗殺している。 三国同盟内では傭兵と暗殺屋だけで実行したのだから、お坊ちゃん2人が立案したものでは無く、相当な謀略家が立てた緻密な計画だったのだろうね」

 「一族で万単位の殺戮っていうと?」

 「相当な遠縁も含まれているらしいよ。 そこまで手を広げられたら、お手上げっていうくらいの範囲だったらしい」


 リウは、徐々に怒りが籠もった表情に変化し始めていた。

 「丞相。 その謀略家の名前はご存知ですか?」

 「知ってどうするんだ。 まさか、報復する気か?」

 「ええ。 もちろん」

 「一般論になるけど、報復に意味は無いぞ。 復讐を果たしても、一時的な自己満足にしかならない。 あとで後悔するだろうよ」

 「わかっています。 でも、今それを成し遂げておかねば......私には時間が無いので」

 「一応忠告はしたからな。 お嬢様の決意の固さはよく知っているから、止めはしないけど......」

 思わずお嬢様と言ってしまい、違約金の支払いを求められるかと身構える丞相。

 「今出た禁句は聞き流しておきます。 情報料ってことで」

 冷たく言い放つリウ。

 一安心した丞相。


 「謀略の立案者は、シルバーバーチの懐刀と呼ばれている、帝國軍諜報部のシルスタ・ヨステダール少将だろうな。 諜報部の将校だからほぼ間違いない」

 リウは、3人の名前を記憶すると、直ぐにレアに調査を依頼する。

 「無理するなよ。 いくらリウ殿でも今回ばかりはノイエ軍も動かせないし、新型艦艇も使えない。 どうやって報復するのだ?」

 丞相も少し気になって確認する。

 「潜入して、殺ります」

 そう答えた時のリウは、今まで見たことも無い冷酷な表情だった。

 「それではな。 新しい情報が有ったら連絡するよ」

 最後にそう言うと、リウの方から通信は切れた。


 後ろでやり取りを聞いていたエミーナ。

 心配そうに、

 「止めなくて大丈夫なの? リウ、一人で帝國領に侵攻する気でしょ?」

 夫に尋ねる。

 「だろうね。 でも、止めたら聞き入れてくれる様な方じゃないよね?」

 「確かに、そうだけど......」


 「今までの彼女は品行方正、間違ったことはしない、倫理観の模範のような軍人・政治家だったけど、一度ぐらい、その路線から外れたことをしてもイイんじゃないかな?と僕は考えているよ」

 夫から、予想外のことを言われて戸惑うエミーナ。

 「そういう経験も、一度くらいは必要だと?」

 「流石エミーナ。 僕はそう思うんだ」

 「貴方がそう言うのなら、止めれる人は誰も居ないわね。 仕方が無いか」

 エミーナは諦めた表情をみせる。


 「今回ばかりは、ノイエ軍を使えないし、部下達も巻き込めない。 レイカーも居ない中、たった一人で3人を処刑しに行くのだろ? どういう手段方法を取るのか、興味が有るよ」

 「ついでに、膠着状態の皇帝の跡目争いにケリがつくことを期待しているのでしょ?」

 「いやあ〜。 そこまでお見通しでしたか。 シュンゲン四姉妹はやっぱり英傑揃いだね~。 大元帥に任命しようかな? エミーナのことを」

 少し嬉しそうな表情をしながら、丞相は妻にキスをすると、子供達が遊んでいる部屋へと移動するのであった。




 その後のある日。

 リウは、ルー中将のところに行って、長期休暇の申請を出していた。

 「宇宙艦隊司令長官代理に、休暇申請に来ました」

 リウは敬礼して申告したので、中将が驚いた表情を見せる。

 「リウ、いやアーゼル中将。 そんなに畏まった申告しなくても」

 ルー中将はそう返事をする。

 司令部室内の者達も、2人のやり取りに注目していた。

 周囲の視線が気になったルー中将は、ソファーに座る様に促す。

 「それでは、失礼します」

 最近、ずっと表情が暗かったリウが、今日は妙に明るい。

 『少しおかしいなあ』

と感じていたが、申請書類を見て驚いた。

 「2か月間も......」

 思わず、大きな声を上げてしまった。

 周囲の視線が再び2人に集中する。

 「急にどうして」

 「大事な側近を失っただけでは無く、夫も意識が回復せず。 このままでは仕事に支障が出てしまい、周囲に迷惑を掛けてしまうので、休養が必要だという結論に至りました」

 神妙な面持ちで語るリウ。

 「わかった。 今まで殆ど休んでいないのだから、阻む理由は無い。 傷心を癒やしてくれ」

 ルー中将はそう答えると、承諾のサインを入れて、自身の決裁システムに書類を仕舞ったのであった。


 「留守中、お願いしますね」

 リウがそう言って、立ち去ろうとすると、

 「留守中? 何処か行くのか?」

 「もちろん。 だいぶ遠いところにでも行って、心を癒そうと思っています」

 リウはそう言うと、うそ泣きを始める。

 『妙に機嫌が良いし、うそ泣き......もしかして』

 ピーンときたルー中将。

 「まさか、帝」

と言い掛けたところで、リウに口を塞がれた。


 「司令長官代理殿。 余計なことは口に出さないで下さいね」

 リウはそう言うと、極秘の出征計画書をルー中将に手渡して、

 「これは超極秘です。 もし、誰かに漏らしたら先輩といえども容赦しませんからね」

 そして、笑顔で司令部室から出て行ったのであった。


 リウが部屋を出て行ってから、渡された計画書を確認するルー中将。

 「やっぱり、そうか......」

 小さく声で呟く。

 リウは先日購入した帝國軍の中古艦艇を率いて、内乱中の帝國領に潜入するという計画であった。

 「報復する気だな?」

 独自に情報収集をした結果、襲撃事件の首謀者を突き止めたのであろう。

 『ここまで準備したのであれば、もう止められない。 無事に帰って来ることを祈るよ』

 ルー中将は、心の中で呟くと、リウに渡された超極秘計画書を個人用金庫に仕舞ったのであった。



 「ケイト、どうする? ネイト・アミューに残る?」

 リウは、ただ一人レアー号に乗って、帝國領奥深くまで侵入する計画を立てていた。

 休暇申請の許可を貰ったので、5日後に出発予定と決めて、準備で忙しく行っていた。

 「どうするって......じゃあ、いよいよ行くのね?」

 最近のリウの動きから、パルトネール准将にも大体予想がついていたのだ。

 「もし私の命が、リウの帰りまで持たなかったら、死に目に会えなかったって後悔するでしょ?」

 「それは、そうだけど......」

 「この艦の方が名医のレアが居て、盤石だろうから、一緒に行ってあげるわ。 レイカーも意識が戻らないし、たった一人の復讐じゃあ、寂しすぎるでしょ?」

 「イイの? 本当に」

 「私の最後の旅が、普段絶対に行くことの出来ない帝國領内っていうのも、少し面白いかもね。 この間の極秘会談はギリギリ国内だったから」

 パルトネール准将は、その様に答えて、リウの復讐に付き合うことに決めた。

 人生の最後に、この時の様子を書き残して、後世の人達にも、リウが行ったことがわかるようにしておいてあげようと、考えてもいたからだ。

 「旅の途中で、万が一私が死んだら、あの墓地に埋葬してね。 リウの隣にしようと思ったけど、副官に取られちゃったから、その隣にさせて貰ったから」

 准将はそう答えると、病室に戻って行った。


 『相変わらず、素直じゃないのね、ケイトは』

 付いて行くと言ったのは、ただ単にリウのことが心配なのであろう。

 帝國艦艇用の燃料物資も既に調達を終えており、発動となったリウによる復讐計画。

 無人惑星に停泊させていた約800隻は、足が遅いので、レアに制御させて、一週間前に出発済みであった。


 帝國は内乱が長引く気配が漂っており、おそらく最初の目的地であるリューネ家が支配する地方星系まで、帝國軍艦艇に遭遇することは無いだろうと予想していた。

 片道切符の遠征計画。

 帰りはレアー号だけになっても構わないのだし、無人艦隊は食糧とか、余計な物資の心配も要らない。

 上手くいかなかったら、無人艦隊を自爆させて、その隙に離脱すれば良いだけ......

 そんなことを考えていたリウであったが、情報を集め、作戦を立てて、準備をしている間は、大事な護衛の2人を亡くしたという辛いことを忘れられて、気分的に楽であった。

 その様子を見ていた周囲の者達も、何も言うことは出来なかった。

 レアでさえも......



 そのレアは、レイの意識を回復させることで、余計な血が流されるのを避けようと考え、必死に努力をしていた。

 リウの詳しい作戦はレアでもわからなかったが、無人艦隊を連れて行くというので、地方軍閥の保有する戦力を消滅させようと考えていることだけは予想出来たからだ。

 帝國人とはいえ、死ぬのは一般の将兵となる。

 出来れば、それは避けさせたいと考えていたのだ。

 でも、レイの意識は戻って来ない......

 色々な原因を考え、一つ一つ対策を取ったが、どうやっても意識は回復しない。

 ついには、不老装置にも手を掛けた。

 その結果、リミッターまで外したのに......

 『しかし、不老装置を作り出したエルフィン人の誰かって、超天才じゃない? 私でも、どうしてこの装置で不老になるのか、イマイチ理解出来ないわ~』

 レアは、そんなことを考えてもいた。

 『いやいや。 関心している場合じゃないや。 レイの意識を回復させないと』



 気付くと、誰かがレアの中に居る。

 リウがレアに飲み込まれる時、リウだった人格が入る場所に誰かが居たのだ。

 「誰?」

 レアが問い掛ける。

 「思っていたより、居心地の良い場所だね」

 返事が有った。

 「その声は、もしかして......レイ?」

 「もしかしてじゃないよ。 ずっと一緒に過ごして来たのに」

 いつの間にか、レイがレアの中に入り込んでいたのだ。

 「意識が戻らない理由って......戻りたくないの?」

 レアがレイに質問する。

 「もちろん戻りたいさ。 でもこのままだとリウを護りきれないから......」

 「そんなことは無いよ。 戻ってあげて。 そしてリウを止めて」

 レアはレイに懇願する。


 レイはため息をついてから、

 「今のリウを止めるには、亡くなった2人を生き返らせないと。 でも、それは無理。 レイの意識が戻っただけでは、絶対に止められない」

 レイは断言した。

 「それに、レイもレアも判断ミスをしてしまった。 だから、あの悲劇が発生したのだよね?」


 レイの指摘通りであった。

 「レイは私への連絡が1分遅かった。 光子銃を構える前に連絡を入れるべきだった」

 「レアは決断が遅れた。 レイの緊急連絡が有ってから発進するまで85秒間判断を迷った」

 2人はそれぞれのミスをお互いに答える。


 「レアが迷った原因は、レアの中心であるこの場所に、指示をしてくれるリウが不在なことだよね?」

 レイは、真実を的確に指摘した。

 「その通りだよ。 リウがこの場所に入らないと、私は完成しない。 その様に設計されているから」

 レアも、判断遅れの原因を正確に把握していた。


 「リウに残された時間はごく僅か。 彼女はここに来る日をもう決めているよ。 今回の襲撃事件で大事な人達を失った最大の理由は、リウがこの場所に入って居なかったことだと本人も理解しているから」

 レイはそう答えると、

 「悲劇を繰り返さないため、リウがこの場所に来るまでの間、レイが代わりにこの場所に居続けるよ。 そうすれば、決断が遅れることは無くなるでしょ?」

 「でもイイの? 残り少ないリウと一緒に過ごせる時間だよ。 最後の貴重な数ヶ月の時間は、出来る限り愛し合って過ごして欲しいとレアは思うけど」

 「それは、リウがレアになってからでも、十分じゃない? それにリウとの別れがスゴく辛くなるから。 死んでしまいたくなるくらいに......」

 「......」

 

 「話は変わるけど、リウのこと、このままで良いのかな? 復讐心に煮えたぎっているけど......」

 「彼女の人生の最後に、こういう経験をしておく必要が有ると思うんだ。 それで最後に彼女がどう感じるのかは、まだわからないけど、この場所に来る前の貴重な経験だと考えているから」

 「もちろん、リウが無差別攻撃するようなら、レイがレアを通じて止めさせるから心配しないで。 ただ、艦隊同士の軍事的な攻撃と、今回の謀略に加担した者達を直接攻撃して処罰するだけならば、止める必要は無いよ」

 レイはレアに明確な方針を示した。

 レアに足りないのは、この判断力で有ったのだ。


 「ありがとうレイ。 そして、暫くの間よろしくね」

 レアは自身のコアにレイが入ったことで、ようやく安心出来る様になった。

 ヒエン元帥が『魂が入っていない』と評した通りであった。

 当面、代打とはいえ、リウのことを一番理解している人物の思考を得ることが出来る様になった。

 『これでもう迷わない』

 新生レアは、リウの依頼に応じて、いよいよ帝國領に向けて出発するのであった......


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