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【完結から1年。順次補正中】正史・銀河四國史(未来における英雄の生涯)  作者: 嶋 秀
RIU・落龍篇

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第68話(暗号通信文)


ハミルトン准将が暗号通信文を何処かに送っていた事実をリウの叔父のアーゼル准将が入手する。


一体何処へ何を送ったのか、大きな疑念を持つリウ達。


そして、ハミルトン准将のこの行動が大きな波瀾へと繋がってしまうのであった......


 それ以後暫くの間、ネイト・アミュー方面軍に大きな動きは無かった。

 平和そのもので、数ヶ月前のハミルトン准将による一騒動が嘘の様であった。


 しかし、クロノス星系の第五惑星ヘーラーでは、クリス・アーゼル准将がルコール少佐とキートラン少佐から得た新しい情報を前に、苦慮していたのだった。

 ハミルトン准将が、何処かに暗号通信文を送っている事実が発覚したのだ。

 しかし、内容が全く不明なのであった。

 「室長(アーゼル准将)。 これが暗号通信文のデータです」

 少佐2人は、データだけ確保していた。


 このデータ入手の経過はこうであった。

 ハミルトン准将の尾行を続けていた2人は、首都郊外の大型民間通信施設に入ってゆく准将の姿を確認したので、あとをつけた。

 すると、その施設から送信先不明なるも、何らかの通信文を送っている状況を見つけたので、先ずはそれを証拠化した2人。

 そして、准将が立ち去った後、情報部の使っている特殊な装置を使って、准将が使った直後のシステムから、その通信データを回収したのだ。


 「ただ、データだけではなあ〜。 暗号化されているし、専用の暗号解析ツールを別の日に送信済みだったのだろう」

 いくら監視していたとはいえ、24時間監視していた訳では無い。

 見落としも、当然有るのだった。

 「申し訳ありません、室長。 解析ツールが無い以上、通信文の内容までは......」

 ルコール少佐が謝罪する。

 「いや、とりあえず私の方で、色々な方面に解析依頼を極秘に掛けておくよ」

 アーゼル准将はその様に答えて、解析に向けた準備を始めるのだった。


 ひとまず、第三情報室の暗号解析班とアーゼル財閥の情報解析部門に依頼してみたが、どちらからも数日後に

 解析不能

との回答が来てしまった。

 その間、2人の少佐をハミルトン准将の監視専従に再指定したのだが、その後の准将に大きな動きは無く、准将が用いた暗号文の解析ツールを入手するのは難しいと判断されつつあったのだ。



 一方、ハミルトン准将。

 暗号通信文を送ってからは、異様にご機嫌であった。

 『グフフフ。 これでアーサは死ぬだろう。 葬儀に行く準備を進めておこう』

 その様なことを考えており、1か月後の惑星ネイト・アミュー行きの民間船の予約を入れたり、長期休暇の申請準備をしたりしていたのだった。

 ところが、准将の部下達は、上司の機嫌の良さに不気味な感じを抱いていた。

 「おい。 准将はなんで最近機嫌が良いんだ?」

 「知らないよ」

 「そんなに喜怒哀楽を仕事中見せる人じゃないのにな」

 「機嫌が悪いよりは、イイんじゃないか?」

 「でも軍監察官が機嫌良いなんて、普通有り得ないだろ?」

 ひそひそ話を続ける部下達。

 上司の悪口や噂話なんていうのは、いつの時代も、人間社会ではごく当たり前の出来事。

 今回の場合、上司がご機嫌な噂話が極秘にしなければならないものでは無いから、軍参謀本部内の、とあるフロアーの休憩所内で、ごく日常の茶飯事として為された会話であった。

 そんな場所での噂話を入手すべく、6つの目が動いていることについて、部下達は知らないのであるから......



 ある日の朝。

 リウはレアから新しい情報を聞いていた。

 「例のハミルトン准将が、再び惑星ネイト・アミュー行きの民間船予約を入れたよ。 到着は1か月後」

 それを聞いたリウの表情が曇る。

 「二度目ということは、何かを掴んだのだろう。 もしかして私だと気付いたのかも......」

 その呟きを聞いたレイが、

 「リウ。 警戒を強めようよ。 今度は前回の様にはいかないだろうから」

 その提言に、リウは

 「うん。 そうだね」

と短く答えるだけであった。



 その日もいつも通り統治官オフィスに出勤後、珍しく方面軍艦隊司令部に向かったリウ。

 出入口ゲートで手続きを終えてから、司令部に向かう。

 警護ロボットにIDを示してから、室内に。

 「先輩。 お久しぶり」

 突然の総司令官の登場に驚いたルー中将。

 「リウ。 どうしたんだ?」

 「うん。 ちょっとお願いしたいことがあって」

 ハミルトン准将が再び惑星ネイト・アミューに向かおうとしていることに、嫌な予感がしたリウ。

 防護防音措置が施された司令官用の特別なブースに移動してから、状況をルー中将に説明する。

 「なるほど。 それでリウは艦隊にどういう対応をすべきだと?」

 中将にも今ひとつ、リウの訪問の目的とその意向がわからなかった。


 この訪問の直前、リウは叔父に対して、最新情報を確認しており、それによると、ハミルトン准将が何らかの不審な動きをしており、いずこかに暗号通信文を送っていたという話を聞いてから、それが相当気になっていたのだ。


 「先輩。 次の国境警備部隊からは、出動部隊の数を増やして欲しいの」

 「何か、帝国軍に動きがあるという情報でもあったのか?」

 「それはないけど、だいぶ気になることがあって」

 「それで、どれぐらいの規模を出せば良い?」

 「最低でも、半個艦隊」

 それを聞いた中将は即答した。

 「わかった」

 「それと、国境警備部隊出動中は、駐留艦隊に即時出動態勢も取って欲しい」

 「全部隊に?」

 「もちろん」

 「代わりに、国境警備部隊の出動回数を減らそう。 半分に」

 「......」

 総司令官の要請に、暫く考え込む中将。


 そして、コーダイ少将を呼んだ。

 「いま総司令官から、次回以降の国境警備艦隊の出動方針を変更するよう指示があった」

 「了解しました」

 副司令も、即了承する。

 方面軍総司令官の意見は、事実上の命令であるからだ。

 しかも、三国の女神、救国の英雄リウ・アーゼルの考えなのだから。

 「総司令官からは半個艦隊動員の指示を頂いたが、念の為に次回の国境警備部隊は300隻を動員しよう。 指揮官は予定を変更して副司令官にお願いする」

 ルー中将が指示すると、コーダイ少将は、

 「はっ。 直ちに予定変更と準備に取り掛かります」

 そう答えると、総司令官にも敬礼してから、自席に戻って、準備を始めるのであった。

 「リウ。 これで良いか?」

 ルー中将が、リウの判断を尊重して、直ぐに方針を変更してくれたことに、

 「ありがとう、先輩。 持つべきものは話のわかる親友だね。 杞憂に終われば良いのだけど......」

と答えたリウ。

 「今回の変更は、軍中央にも秘密にしておいて欲しいのだろ?」

 中将は一応、その様な措置にして欲しいというリウの意思を感じ取っていた。

 阿吽の呼吸というものであろう。

 「流石、将来の宇宙艦隊司令長官殿。 今回の変更の事後報告は私の方でするから。 出動費用の予算追加の関係もあるので。 当面の費用は私が負担するよ。 計算が終わったら統治官オフィスに回して下さい。 それと先輩、出動日も少し早めてね」

 リウは最後にその様に指示をすると、司令部室内で勤務している将兵を労ってから、アルテミス王国軍の駐留司令部へと向かうのであった。

 同様の要請をする為に......



 アイザール少将は、リウが艦隊に何やら指示をしたという話を聞いて、憲兵隊のサガラ大佐に連絡を取っていた。

 「大佐。 例の准将の件だけど」

 「どうした?」

 「何か、動きがあったのか?」

 「表向きは何も無いよ。 ただ」

 「ただ?」

 「様子がおかしいみたいだね。 最近異様に機嫌が良いらしい。 准将の部下達が噂しているって情報が入っているよ」

 「それは妙だな」

 「そっちも警戒した方が良いぞ。 機嫌が良いってことは何かする気だろう」


 「核心に迫ったのかな?」

 アイザール少将は、『美女がリウだと気付いたのではないか』と、親友に確認したのだった。

 「それだったら、もう今直ぐにでも、そっちに奴は向かっているさ。 そうしていないのだから、違う線から迫っているってことだよ」

 「アーサ少将の住処を突き止めたとか?」

 「それは有るかもな」

 「事件化の準備は?」

 「もちろん、抜かりは無いさ。 大きな犯罪の証拠待ちだね」

 

 ここでアイザール少将は、一つ思い出したことがあったので、親友に確認してみる。

 「そうだ。 リウ様が独自にこの件で情報部に依頼を掛けているよ」

 すると、大佐は少し考えてから、

 「あの若いカップルは、情報部の連中か〜」

 そう呟く。

 「心当たりがあるのか?」

 「いや、時々同じカップルをハミルトン准将の周囲で見掛けるので、気になっていたんだよ」

 「そっか〜」

 「でも、情報部に依頼って大丈夫か? ハミルトン准将と同期でプロシード派の准将が幹部で居るぞ」

 「参謀本部直轄の情報部じゃないよ。 財閥派の別室の方だから」

 「それなら大丈夫だな」

 「何かあったらよろしく」

 少将は最後に改めて依頼をすると、大佐は手を上げたところで、通信は切れた。

 『アイツ(ハミルトン准将)は一体何を掴んだのだろう。 そして、何をする気だ』

 少将はそう考えながら、仕事に戻るのであった。



 約半月後。

 この日は、国境警備艦隊の出動日であった。

 今回の司令官はコーダイ少将。

 出動規模の強化に伴い、分艦隊司令官兼務のレイから変更となっていた。

 「副司令。 何か異変を感じたら、国境地帯やアワ・ドー星系を放棄して、即撤退して下さいね。 責任は私が取りますから」

 リウはコーダイ少将の手を取り、特別な指示を出すのであった。

 「総司令官。 了解しました」

 リウを安心させる様に、コーダイ少将は答えたあと、敬礼をする。

 ルー中将とリウが敬礼を返すと、副司令官以下多くの乗組員は、それぞれの艦艇に乗艦し、やがて空の彼方へと出発して行った。

 見送る総司令官以下の方面軍幹部。

 やがて、それぞれの職場へと戻って行く。


 レイは心配そうなリウに、

 「今回は出動止めても、良かったのではありませんか?」

 その様に確認をしてみる。

 「もちろん、それも選択肢だったのだけど......」

 歯切れの悪いリウ。

 「確証が無いから?」

 レイは心情を読み取ろうとする。

 「私の予感だけで、全部取りやめる訳にはいかないよ。 悪い予感だけだからね」

 リウはそう言うが、その予感がどういう内容なのかは、一言も発しなかった。

 「それに、国境警備は重要な任務だし、アワ・ドー星系が有るから、中止はなかなかね」

 アワ・ドー星系は、ネイト・アミューのヤーヌス星系から通常速度で約5日の距離であり、しかも帝國領と目と鼻の先なので、定期船は運航していない。

 必要物資は、定期的に訪れる国境警備部隊が、纏めて輸送しているのだ。

 数万人の居住者しか居ないが、軍の部隊が来なくなると、物資も途切れて、飢えてしまう。

 だから、リウの予感だけで、急遽中止には出来ないという事情が有った。

 


 リウ、レイより先に、出陣式より統治官オフィスに戻ったアイザール少将。

 すると、あとから戻る筈のリウが自席に座っているように見えたので、

 「リウ様。 先に戻っていらしたのですか?」

と声を掛けたディオ。

 すると、その人物は、

 「アイザール少将でしたね。 初めまして」

 返事をしながら振り返った。

 その姿を見て、珍しくアイザール少将が驚いた表情をする。

 リウの面影がある容貌を持つ男だったからだ。

 直ぐに、パルトネール准将の方を確認するディオ。

 准将は両手を広げて降参のポーズをして見せた。

 これも珍しいことである。


 その時、本物のリウがレイと部屋に入ってきた。

 駆け寄るその男。

 「リウ〜。 会いたかった〜」

 身構えるリウであったが、叔父と気付き、飛び付いて抱き着きそうな気配を止めさせた後、渋々ハグを受け入れる。

 そして、その男はレイを凝視して、

 「貴方がリウの旦那の少将閣下ですね。 初めまして。 叔父のクリス・アーゼルと申します」

 「初めまして。 レイカー・アーサです」

 少し躊躇気味に返事をするレイ。

 初見の人に、『リウの夫がこの程度か』と罵倒されるのが常なので、それに対して身構えたのだが、准将はレイの方が階級が上だから、流石に言葉を飲み込んだ様にも見えた。

 

 『この人がリウの叔父か〜』

 軍内部でも噂だけで、お目にかかれない謎の人物。

 『その人がここに居るってことは、リウに重要な用件が有るのだろう』

 レイはその様に推測した。


 「准将。 私の席には座らないで」

 リウの第一声は、いきなり注意から始まった。

 「全くもう。 ただでさえ紛らわしいのだから......」

 ブツブツ文句を呟くリウ。

 姪に怒られて、少し涙目のアーゼル准将。

 レイに応接セットへと案内されて、ようやく室内は落ち着きを取り戻す。

 近付いてきたリウは、立ったままぶっきらぼうに、

 「それで、持ってきたの? 例のデータ」

 叔父の准将に確認する。

 「わざわざ持って来たんだよ、こんな遠くまで。 もっと優しい言葉で労ってくれないと」

 叔父とはいえ、年下なので弟の様な雰囲気。

 しかも、ある程度似た容姿だから、周囲からは姉弟にしか見えない。

 「ああ、もう、面倒なヤツ。 早く渡せって言っているんだよ」

 いつものリウとはだいぶ異なる口調。

 その言い方に対してクリスは、

 「そんな〜。 だって......」

 そして涙目に。

 「クリス。 泣いても無駄よ。 貴方がここまで来る羽目になったのは、そのデータが何かを解析出来なかったからでしょ?」

 リウが手厳しく指摘すると、准将は嘘泣きを止めた。

 「財閥にもお願いしたんだよ。 でも」

 「御祖父様には依頼して居ないのでしょ?」

 「だって、それは......リウだって苦手でしょ? 総帥」

 「そうだけどさ~」

 「じゃあ、同じ穴のムジナだよね」

 そう言うと笑顔を見せる准将。

 「貴方とは違うわよ」

 ムッとした表情が一気に悪化し、眉間にシワがかなり寄るリウ。


 「それで、データは? こっちでも解析に時間が掛かるのだから」

 手を出して、早く渡すように催促をしたリウ。

 「わかりましたよ。 話をする前に最初に渡します」

 そう言うと准将は、渋々ハミルトン准将が送った暗号通信文のデータが入ったマイクロチップをリウに渡した。

 するとリウは、直ぐ自席に戻り、レアとのホットラインを開く。

 「レア。 これが例のデータだから、解析をお願い」

 そして、レアと直結しているシステムにデータを挿入する。

 以後は勝手にレアが操作。

 あっという間にレアが解析を開始した。

 その様子を固唾を飲んで見守るリウ。

 暫くしてレアは、

 「うーん。 これはだいぶ時間が掛かるね。 複雑な暗号プログラムだから」

と答えた。


 それを聞いてアーゼル准将は、

 「ほら、仕方がないじゃん。 財閥でも駄目だったのだから、僕のせいじゃないよ」

と言ったので、

 「准将。 色々動いて頂いていることには感謝していますよ、もちろん。 でも、貴方も将来の幹部なのだから、もっとシャキッとしなさい。 こんなの私が言うことじゃないでしょ?」 

 そう言い直したリウの表情は愛憎半々という感じにレイには見えたのだった。


 「リウは、ある程度暗号通信文の内容を予想しているのでしょ?」

 アーゼル准将は真面目な態度に戻ってから、確認をする。

 「准将も予想したからここに来たのでしょ? 憲兵隊のサガラ大佐にも極秘任務をお願いしているよね?」

 リウが質問を返す。

 「まあ、そういうことだね。 僕の予想は帝國への通信文の可能性が半分。 大掛かりなアングラ組織への殺害依頼の通信文の可能性が半分かな? リウは?」

 「同じよ。 いずれにしてもレイを殺す為の依頼」

 リウはそう答えると、レイの方を見た。

 「私を殺す為ですか?」

 レイはちょっと意外な予測に、虚を突かれた様な表情を見せた。


 「レイが死ねば、葬儀に私、まあ例の美女という表現にしましょうか?が現れる。 傷心の美女がね。 そこでその美女を強奪して、監禁。 自分のモノにするっていう算段だろうね。 ゲス野郎が考えそうなことよ」

 リウが理由を答える。

 「いきなり飛躍したのだね。 ハミルトン准将の考え方は」

 レイが2人の予測を聞いた感想を述べるとリウは、

 「暗号通信文っていう事実が無ければ、そこまでは考え無いよ。 でも誰かに見られたくない通信文を送るってことは、敵にかアサシンにか、そのどちらかしか無いじゃない?」

 確かにそうである。

 行き詰まって、邪魔者をとりあえず消そうという短絡的な思考に辿り着いたのであろう。


 「アイツだって、ノイエ国軍の若手エリート軍人なのだから、いくら何でも帝國への通信文っていうのは無い様に思えますが。 そもそも、得体の知れないそんな通信文だけで、帝國が動きますか?」

 アイザール少将が一般的な意見を述べる。

 「まあ、そこら辺りがよくわからないよね。 帝國との特別なコネクションでもあればわかるけど、そんな人ノイエ国に誰も居ないよね?」

 リウも、その点は理解し難いと考えた。

 だが念の為に、国境警備部隊を国境警備艦隊に格上げして運用を見直したのであった。


 「ところで、クリス。 もう用は済んだから、帰って良いよ」

 リウは相変わらず、叔父に冷たい言い方をする。

 「そんな〜。 もっと優しく労うべきだよ~」

 相変わらず、リウの前では軟弱な准将。

 「情報部の将校なんて、近くに居るだけで、気持ち悪いじゃない? だから、帰って」

 「イヤだ〜」

 堂々巡りの会話が始まる。

 そして結論は、暗号通信文の内容がわかったら、次の行動を考えないとイケナイので、当面それまで惑星ネイト・アミューで待機するという准将の予定をリウは渋々了承した。


 「じゃあ、私は仕事山積みだから」

 リウは准将に言うと、そのまま自分の仕事に没頭し始める。

 他の幹部も通常モードに移行したので、准将はリウにお暇して、部屋を出て行くのであった。

 「リウは随分、アーゼル准将をぞんざいに扱いますね」

 レイが質問の様に話し掛ける。

 「雰囲気がそこそこ似てるでしょ? なんだか自分自身を見ている様に感じて、気持ち悪いのよ」

 「それに、叔父のくせに弟の様な態度を取るから、面倒なの。 それだけ」

 そう言うリウの姿は、言葉とは裏腹に、数少ない親族をそれなりに尊重している様でもあった。

 レイはそう感じたが、勘違いかもしれない。

 『本当に思っていることを、裏腹な言葉で隠そうとするからね、リウは』

 そんなことを考えていたレイであった。


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