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【完結から1年。順次補正中】正史・銀河四國史(未来における英雄の生涯)  作者: 嶋 秀
RIU・龍翔篇

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第43話(ジョン・ルー)

リウの盟友ジョン・ルー。


その人となりは......


 翌朝、リウは人間の二面性について考えていた。


 『新しく探す幕僚は、出来るだけ悪い二面性の無い人を見つけていかないと......』


『私を盗撮や盗聴しようとした中央捜査局の捜査官達だって、表向きは、実績のある犯罪捜査のエキスパートで、大半は家庭も持っている善良な市民の見本のような人達だったのだから......なかなか本質を見抜くのは難しいなあ』


 『私の為だったら、一瞬の躊躇も無く人を殺せるレイも、本来の欲望を隠して、品行方正で理想的な男リウ・プロクターを演じていた私自身も、二面性の塊なのだから、他人の二面性を論じる立場には無いんだけど......』


 横で私を見つめているレイ。

 レイにも、他に裏の顔ってあるのかな?


 「ねえ、レイ」

 「レイにも他の裏の顔ってあるのかなあ? 例えば私をもっとめちゃくちゃにしてみたいとか、あの姿やこの姿を覗いてみたいとか?」

 今考えてしまった疑問を単刀直入にぶつけてみた。


 レイは突然の質問に、ちょっと戸惑った表情を見せながら、

 「どうなのでしょうね? 私の二面性、表向きは涼しい顔をしながら、裏ではああしたいとかこうしたいとか思っていると言うことですよね?」

 「リウ様と一つになる前は、ずっと好きだったので『そうなりたい』とかの欲望は有りましたよ。 『今以上の、リウ様の乱れる姿とかを見たいのか?』と言われても、もう見てますから......」

 そう言って笑うのだった。


 「惑星アルテミスでの盗撮系の出来事なんかは、典型的な人間の二面性が引き起こした事態でしょう」

 「リウ様の裸を覗き見したいとか、あの時の声を聞いてみたいとか。 あんな綺麗な顔をしていても、乱れる姿はある、それを見てみたいっていう欲望が引き起こす、人間の二面性」

 「性的なものが多いのかなと思います。人間の三大欲求の一つである性欲から来るので、そういう犯罪は多いですよね」

 かなり真面目に答えたレイ。


「その他にも、結婚する前は優しい人だったのに、結婚後は独占欲が強くて暴力的になったりとか」

 「表向きは、夫婦共にお互いを尊重している理想的な家族に見えるのに、裏では不倫していたりとか」

 「こういうのは、欲望と性格的なものが入り混じって引き起こす二面性ですよね?」

 「逆に、二面性が無い人間の方が少ないのではないでしょうか?」

 リウの質問に対して考えながら、真剣に答えてくれのだったた。


 その答えを聞いてリウは、

 「あまり、二面性を気にしすぎると、人を信用出来なくなっちゃうから、考え過ぎちゃダメだと分かっているんだけどね」

とリウは言いながら、

 「ルー先輩はどうなのかな? 案外二面性を強く持っていたりして?」

 「もしかしたら、私のこと女だと知って、『結婚していなければ、落としにいったのに』とか考えているのかな?」

 「それとも......覗いてみたいとかあるのかな?......ウフフ」

 リウは、好き放題勝手な想像をレイに話してみる。


 そこで、

 「リウ様、あまり好き放題言うのは、ジョン・ルー様に失礼ですよ。 私はルー少将はそういうタイプの人では無いと思います」

 「今だから話せますが、一時期リウ様は、ルー先輩のことが好きなのかな?と思っていた時期が有りました。 仲が非常に良かったので」

とレイは、過去の正直な気持ちを言った。


 それを聞いたリウは、

 「レイは私が先輩のことを好きだって思っていたの? 無い無い。 確かに見た目イイけどさ~先輩は」

 「でも、私のタイプじゃ無いよ。  目つきが鋭いところとか御祖父様に少し似た顔立ちだから、好みじゃない。 私が好きなのは、レイみたいに見た目も優しそうな感じで、中身も優しい人」

 そこまで言ってから、

 「あ〜分かった。 レイ、一時期嫉妬してたんでしょ? かわいい~」

 そして抱きつかれたレイは、恥ずかしそうな顔をするのだった。



 そのような噂を2人にされて居るとは、知る由もないジョン・ルー少将。

 軍の将官用官舎で独り暮らしをしていた。

 「ハックション」

 突然くしゃみが出て、

 「あいつらが噂しているな」

と皆が良く思うようなことを呟いていた。


 実は、ジョン。

 10代の頃、一時期モデルをしていたという異色の経歴を持っていて、その頃は遊びまくっていたという過去も持つ。

 ただ、多感な時期に、のし上がろうと足を引っ張ったり、金銭も絡んだ、人間の欲まみれの汚い世界を見過ぎたせいで人間不信に陥り、華やかな世界が嫌になって、傷付いて辞め、その後猛勉強して士官学校4年課程に入学。

 以後、エリート軍人の道を歩んでいる。


 荒れていた10代。

 モデル仲間の女の子を孕ませたり、飲酒して喧嘩したりと、両親に迷惑をかけまくっていた。

 それを救ってくれた女性が居る。

 14歳の時、父親の再婚に伴い、新しい母親の連れ子として姉になった『サーラ』だ。

 たった2か月歳上の姉。

 勿論、血の繋がりは無い。

 ごくごく平凡な姉であったが、真面目で勉強が良く出来た。

 この姉が家族の中で唯一、ジョンの味方であり、士官学校への猛勉強を支えてくれた存在でもある。

 18歳で家を勘当されたものの、給料が貰える士官学校に入れたことで露頭に迷わずに済んだが、合格出来たのは、この姉のお蔭。

 士官学校を卒業後、想いを伝えて、相思相愛になった2人。

 ただ、ずっと結婚出来ずにいる。

 両親の猛反対が変わらないからだ。



 前日の夜。 

 「少し待たせてごめんね。 サーラ姉、久しぶり」

 待ち合わせしたレストランで逢う2人。

 「全然待って無いよ」

とサーラ。

 「サーラ姉。 最近、仕事はどう?」

と尋ねるジョン。

 「この歳だから、徐々にお局状態よ」

 「歳の近い女の子達は寿退社か、キャリアアップで転職して、もう殆ど残っていないわ。 ジョンは?」

 「変わり映えの無い日々だよ。 戦争が終わってから」

 「でも、平和が一番。 軍人は暇な方がいい」

 お互い、近況を答える。


 それを聞いてから、

 「そうね。大戦中は、ジョンが戦死するんじゃないかって、眠れぬ日々が続いたものね」

 「もうお互い32歳なんだし、そろそろって思っているんだけど......」

 「私もそれは思うよ。でもお母さんと縁を切ることになっちゃうし、再婚する迄女手一つで育てて貰った恩を忘れるようなことは出来ない......」


 毎回、結論が出ない2人。

 両親の反対を解消出来る見込みが無いので、駆け落ち結婚するか、結婚せずに恋人同士のままの事実婚で諦めるか、2つの選択肢しか無い状況である。

 

 「もし、遠い任地に長く赴任することになったら、サーラ姉、どうする?」

 「そうなったら、結論を出さないといけないかもね」

 リウから出征計画を仄めかされていたので、近い将来、決断を迫られるだろうという予感を持ったジョンとサーラであった。

 

 

 勤務時間終了後、第三艦隊の司令部室で相変わらずのんびり過ごし始めるリウとレイ。

 これにジョン・ルー少将が混じって雑談するのが、最近の3人の日課だ。

 2人は、今朝の二面性の話の続きをしていたところに、ルー少将がやって来た。

 「先輩、お疲れ様〜」

 片手を上げて挨拶するリウ。

 「今日は2人で何を話題にしているのかな?」

と尋ねるルー少将。

 「人間の二面性ですよ」

 リウがテーマを答える。

 「2人にしたら、随分真面目な話題だね。 新婚なのにベッドの中でそんな話もするんだ~」

 ルー少将が意外そうな顔をした。


 「ルー先輩にもきっと何かしらの二面性があるって話をしたんですよ。 私の裸を覗きたいとか、私とレイの甘い生活を覗きたいとか、あるんじゃないかっていう」

 リウが冗談を言うと、ルー少将は、

 「有るよ。 別にリウのことを覗きたい訳じゃないけど、美女が居たら、モノにしたいなあ~とか、金持ちになりたいとか、二面性っていう訳でも無いけど、野心かな? 若い頃は特に有ったなあ~」

と正直に、普段の先輩の姿からすると、少し意外なことを言ったので、リウもレイも少しびっくりした。


 その様子に気付いて、

 「なんだ、俺のこと聖人君子だとでも思っていたのか、2人共。 こんな感じだから、見た目で寄って来る女性は理想みたいなのを重ねているみたいだけど、俺も三十代の独身男性だよ。 あれもするし、これもする。 そんなことしないなんて幻想を重ねられても困るよね」

と答えた。

 「レイだってそうだろ? リウと一つになる前は、 あんなことやこんなことをしていたんだよ、リウ。 それが男の現実だな」

と語ったので、リウはレイをジッと見るのだった。

 ポーカーフェイスのレイは、顔色一つ変えなかったが。


 「俺も軍に入る前は、品行方正の正反対みたいな奴の見本でね~。 女の子を妊娠させたり、喧嘩したり、しょっちゅう親に迷惑掛けてさ。 高校卒業と同時に勘当されて、以後両親と会って無いよ」

と、普段のルー少将の言動からは想像出来ない話を初めて聞き、

 『やっぱり、先輩でも二面性が有るんだ』

と思うリウとレイだった。


 「若い頃の話したのは久しぶりだな~。 別に隠していた訳じゃないぞ。 そういう時代が有って、今の自分が在るんだよ」

 若い頃のやんちゃを少し懐かしむ少将。


 「でも、よく立ち直りましたね。 誰かが支えてくれたのですか?」

 レイが尋ねる。

 「サーラ姉が支えてくれたんだよ」

と答えるルー少将を見て、2人は顔を見合わせながら、

 『シスコン?』

と、お互い心の中で会話した。


 「俺は、サーラ姉が好きでね~。 結婚したいんだけど、親がハードルで、ずっと独身なんだ」

と告白したので、リウの目が『近親○○』だと思って、点になっていた。

 「2人共、勘違いしないで欲しいんだけど、血縁関係無いからな。 親同士再婚で、それぞれ連れ子だから」

と説明したことで、ようやくリウとレイは通常状態に回復した。


 「そうだ、リウ。 サーラ姉と友人になってくれないか? サーラ姉は真面目過ぎて、女友達が殆ど居ないんだよ。 リウだってノイエ国内だと女友達、皆無だろ?」

 「今度セッティングするから頼む。 女性同士、リウと話すことで、もしかしたら行き詰まっている俺達の結婚話が動くかもしれないし......」

 逆にリウはルー少将にお願いされてしまった。

 「イイよ。 先輩がより幸せになってくれるのなら、ちゃんとアシストもしてあげる」

 「勿論、私の秘密は当面、サーラさんにも守って貰うけど」

とリウは答えて、OKの返事をした。



 その週の週末、リウはレイを連れてルー少将が予約した司令部近くのカジュアルレストランに来ていた。

 先に来ていた、ルー少将とその姉サーラの元に、リウが向かう。

 レイは、今回は護衛として付いて来たので、テーブル席から少し離れたカウンターに座った。


 「リウ、悪いなあ。 仕事終わりにわざわざ来てもらって」

 ルー少将が挨拶してから、

 「こっちがサーラ姉。 俺の姉だ」

 「サーラ・ルーです。 よろしくお願いします」

 「リウです。 こちらこそお見知り置きを」

 挨拶を交わして、リウは3人席に座る。


 「こういう風な感じでリウと話すのは、初めてだな」

と少将が話を切り出す。

 「そうですわね。 普段は結構粗野な喋り方なので」

 「どうした、サーラ姉?」

 「綺麗な方なので、緊張してしまって」

 「緊張する必要無いよ、サーラ姉。 普段はかなり雑な人だから、リウは」

 緊張を解そうとジョンは姉に語りかける。


 リウも、

 「緊張しないで下さい。 私まで緊張しちゃいますわ」

 「緊張させないために、普段着でふらっと来た感じにしたのですから」

 先日、少しオシャレして、目立ち過ぎて怒られたばかりなので、この日はランニングがてら立ち寄った感じのいつもの服装で来たのだ。


 サーラは、ひとまず当たり障りない話題を振ってきた。

 「弟は、職場でどうですか?」

 リウは、

 「誰にでも親切で、人当たりが良くて人気者です」

 「サーラさん、早く決めないと、最愛の人、他の女性に取られちゃうかもしれないですよ~」

と、少し煽ってみる。


 「サーラさんが迷っている理由を当ててみます。 弟さんがイケメン過ぎて、自分には勿体無いって思っていらっしゃるんでしょ?」

 「勿体無いとか考えちゃダメですよ。 それを考えていたら、前に進まないです」

 「私なんか、人生の半分が過ぎちゃったので、かなり強引に迫って既成事実を作って、結婚しました。 勿論、相手が私のこと好きだって分かっていたからですけど。 時間は永遠じゃありませんよね?」

 リウは畳み掛ける。


 「それは、わかっているのですが......」

 「母と縁を切ることになるんでは無いかと......」

と迷いが消えないサーラ。


 「早く一緒になって子供を作ることですね。 孫の顔を見れば、わだかまりなんて溶けちゃうと思いますよ」

 「先輩もだらしない。 どうしても一緒になりたいんなら、一度想いをご両親にぶつけてみたらどうですか?」

 「先輩だって、少将閣下ですよ?32歳で。 世間一般的に言えば、人生の勝ち組のカテゴリに入っているんですから」

とルー姉弟をくっつけようと煽るリウ。


 「3か月位後、先輩は遠くの星系に遠征します。 そして成功すれば暫くクロノス星系に戻って来ることはありません」

 「惑星ヘーラーから片道約1か月掛かる場所に、長期間駐屯することになるのです」

 「先輩。 そうなったら、ご両親と話し合うチャンス無くなりますよ?」

 「サーラさんも、先輩に逢えなくなります」

 「まだ猶予は、3ヶ月位あります。 お二人共よく考えて、人生を決める行動をして下さいね」

 リウはダメ押しするのだった。


 話をしながら、一つの案を思いついたリウ。

 そこで、

 「ところでサーラさん、明日暇ありますか?」

 「いいえ、何も予定はありませんが......」

 「それなら、私と遊びましょう。 オシャレしなくて良いです。 私も今日みたいな普段着の適当な格好で来ますから。」

 「先輩も、レイと2人で来て下さいね。 男同士のデートで」

と言って笑うリウ。


 要はダブルデートしないか?と言っているようだ。

 「それは、ダブルデート?」

 「みたいなものだけど、私は基本サーラさんと過ごすので、先輩はレイと過ごして下さいね」

 「ちょっと変則なダブルデートってことだな。 分かったよ」

と答えて、なんとなく理解したルー少将。


 「場所は、そこで良いでしょ?」

と、アーゼルタワーに隣接する巨大複合施設を示し、

 「じゃあ、明日AM8時、アーゼルタワー前集合ね~」

 リウは約束を決めて、ルー姉弟は同意したのであった。

 その後は、夕食を食べながら、雑談に興じる3人。


 その様子をチラ見しながら、レイはグラスを傾け続ける......



 翌朝。

 突然レイは、休日の朝からリウに叩き起こされた。

 「リウ、起きて。 ダブルデート行くよ」 

 「何ですか、それは? リウ様、聞いてませんが......」

 そう答えられて、リウは思い出した。

 レイがその場に居なかったことを。

 「昨晩、私達は先輩姉弟とダブルデートの約束したの。 早く支度始めて」

と急かされ、渋々着換え始めるレイ。

 「さあ、行くよ~。 レア留守番お願いね」

 寝ぼけたままのレイの腕を引っ張り、艦をあとにした。


 2人は身分証を示して、軍事宇宙港のゲートを通過する。

 レイは、

 「今日は、少将として外出するんですか?」

と確認すると、

 「帽子は脱いで、髪結外すよ~。 まああんまり変わらないかもしれないけど......」

 「タワー前でルー姉弟と合流したら、私はサーラさんを少し変身させるので、レイはその場でちょっと待っててね」

と今後の予定を話す。


 タワー前に到着すると、既に姉弟が待っていたので、

 「先輩は、レイとここで待ってて下さい。 サーラさん私と一緒に来て」

とリウは言い残し、サーラを連れてタワー内に入って行った。

 三十分程して、2人は出てきたが、サーラの髪型がオシャレに変わっており、メイクもプロの手で、見違える程になっていた。


 「レイ、先輩は?」

 姿が見えない、ジョン先輩の所在を確認すると、

 「ここで待っていると、先輩が女の子達にナンパされるので、面倒になって、トイレに隠れたよ」

と笑いながら説明した時に、タワー内から先輩が出てきた。

 そして、サーラを見て、

 「サーラ姉、見違えたね~」

 少し感動している様子なので、リウは

 『よし』

と内心ガッツポーズをしながら、

 「さあ、準備完了。 行くよ~」

と合図をして、変則ダブルデートに出発した。


 先に、先輩とレイを歩かせて、リウはサーラの腕を組んで後ろを歩く。

 すると、行く先々で、女性グループから声を掛けられる、先輩&レイのコンビ。

 その様子にリウは、

 『予想どおり』

と納得しながら、サーラに、

 「弟さん、モテますね~」

 少し煽りの言葉を掛ける。

 「まあ、昔はもっと凄かったですよ~。 家に迄押し掛けて来られたりして......」

 10代の頃を少し懐かしそうに話すサーラ。

 

 レイは面倒くさそうに知らんぷりしているが、ジョン・ルーは、イチイチ断りを入れている。

 その姿を後ろから見ながら、

 『2人の性格の違いが露骨に出て、面白いわ~』

と目を輝かせるリウ。


 そして、サーラに

 「先輩は、やっぱりイイ人ですね~。 キチンと声を掛けてきた全員に断りを入れている。 それに比べて私の旦那は......愛想ゼロ」

 苦笑いしながら、話し掛ける。

 サーラは、

「素敵な旦那様じゃないですか? 妻以外に、全く興味が無いってコトでしょ? それに比べて弟は八方美人過ぎると思います」

と答えて、ちょっとイラッとした感じを見せた。


 その後、4人でアトラクションやバーチャル空間などを楽しみ、サーラも先輩も笑顔を見せ続けてくれたことで、企画者のリウはご満悦の様子だったと、レイは後に語るのだった。


 軽い昼食を買って、スタンドで立ちながら、お互いの買った食べ物を交換して食べたりしている様子は、仲良しの学生グループという感じで、端から見ても楽しげであった。


 ただ、アラサーの4人。

 実年齢19歳のままのリウ以外は、やっぱり三十代ということもあり、やや息切れ状態となって来た。


 サーラの化粧直しで、リウとサーラが化粧室に行ってしまうと、ちょっと疲れた様子のジョンとレイは、近くのベンチに座って話し始めた。

 「レイ、ちょっと疲れたなあ」

 「先輩もですか? 私もです」

 「リウは疲れ知らずなのか?」

 「リウ様は、永遠の19歳ですから......」

 「そうだった、忘れてた~。 2人が戻って来たら、何処かカフェでも入ろうと言おうか?」

と相談しているところに、女性2人組が声を掛けて来た。


 「お二人さん、イケてるね~」

 レイが面倒臭そうに、ソッポを向くと、

 「私達と遊ぼうよ~」

と言って、かなりしつこく誘って来た。

 ジョンが、

 「ごめんね~。俺達連れが居るから〜」

と言っても、

 「そう言っても、何処にも連れの女性居ないじゃない。 断る為のウソでしょ? いいから私達と過ごそうよ~」

 かなりしつこくて、流石のジョンも困り果てていた。


 すると、何処から戻って来たのかリウが、

 「ゴメンナサイ。 私の夫なの」

 レイの腕を引っ張り上げながら、しつこい女性2人に声を掛けた。

 リウを見た女性2人組。

 『イケてる女。 負けたわ』

と思い、

 「なんだ、既婚者かよ。 早く言えよ」

 捨てゼリフを残して去って行った。


 ジョンが、

 「助かったよ~」

と言うと、リウは、

 「先輩、早く決断しないと。 こういうことが続くと、サーラさんを心配させ続けることになりますよ」

と、忠告。

 レイは、

 『リウ様、超カッコイイ』

と内心思っていて、目をキラキラさせていた。


 「2人共疲れたみたいだから、ティータイムにして、その後お開きにしましょうか」

 リウとサーラが提案し、近くのカフェに移動。

 4人でゆったりした席に座り、リウはサーラに話し掛けた。

 「先輩のモテぶりは凄かったですね」

 サーラは、

 「昔からだけど、今日は改めて思い知ったわ」

と答える。

 「でも、隣にサーラさんが居れば、誰も声掛けて来ませんよ。 だから自信を持って。 決断して下さいね、猶予は3か月ですから......」

 「先輩も、デレっとしない。 サーラさんを心配させないためにも、嫌でしょうが一度ご両親に最後のお願いをしてみては?」

 「サーラさん。 サーラさんみたいに心が綺麗な人は、自分で思っている以上に、周囲には綺麗に見えるものですよ」

 「ドス黒い私やレイに比べて、お二人は心が綺麗なのですから......」

 その様に本音をリウは語り、ルー姉弟もその心遣いに感謝した。


 1時間程お茶をしてから、4人のデートはお開きに。

 軍の将官用官舎に向かう姉弟を見送るリウとレイ。



 姉弟が見えなくなってから、リウはレイと腕を組み、アーゼルタワー内の特別ラウンジに向かった。

 ラウンジに入って、夕食を注文した2人。

 ゆったり過ごしながら、レイはリウに、

 「キューピッド役、ご苦労さまでした」

と労うと、

 「上手く行くかなあ~」

と感想を尋ねる、リウ。

 「先輩がモテるというのをサーラさんに改めて認識させようとしたのですね」

 「モタモタしてないで、早く決断させる為に......」

 レイが今回のダブルデートの目的を指摘すると、

 「そうなんだよ。 お互いあと一歩ずつ歩み寄れば、結婚出来ると思うんだけど......」

 「レイも、先輩程じゃないけどモテてて、妻として安心しました」

とリウは言いながら、

 「何回声を掛けられても、他の女の子に一度も色目を使わず、嬉しかったよ」

 満面の笑みで言ってから、レイにキスするリウであった。


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