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【完結から1年。順次補正中】正史・銀河四國史(未来における英雄の生涯)  作者: 嶋 秀
RIU・龍翔篇

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第27話(リュウとレイ)

リュウの思惑とは......

ついにレイの長年の憧憬が、憧れ以上に花開くが......


その代償も出てきてしまうのだった......

 ついに、出張当日。

 レイカー・アーサ大佐は、リウでは無くリュウに呼び出されていた。


 指定された場所に着くと、リウ・プロクター少将では無く、変装したリュウ・アーゼルが待っていたのだ。

 「レイ、待ってたよ」

 「リュウ様......」

 「さあ、惑星アルテミスに向かうよ」

 眼の前には、通常の宇宙港に向かうシャトルが停車。

 「早く乗って」

と急かすリュウ様......


 シャトルの中で、レイは質問をした。

 「リュウ様、軍の艦艇でアルテミス星系に向かうのでは無いのですか?」

と。

 するとリュウは、

 「今回のリウの出張は軍務じゃないから、民間船にしたの」

と言い、なんだか嬉しそうな様子。

 それを見て、昨日のリウに言われたことを思い出す。


 「レイ、明日から、何があっても驚かないでね」

 「恐らく、レイが想像していないような出来事が沢山あるかもしれないけど......」


 『これもリウが言ってたことの一つなのかな』

と無理矢理自分を納得させたレイ。


 宇宙港に着くと、豪華な民間船にリュウが乗り込もうとしたので、

 「リュウ様、この船で向かうのですか?」

とあまりの凄さに、気押されしたレイ。

 「つべこべ言って無いで乗るよ、レイ」

とリュウらしい急かし方で、異論を封じられ、素直に従わざるを得なくなるレイだった。


 係の者に案内されたスイートルームに入ると、リュウは直ぐ鍵を掛けた。

 そしてレイは、リュウの強い力で抱き寄せられ、いきなりキスされたのだった......


 一瞬、何が起こったのか判らず、

 「リュウ様......」

と一言発したきり、固まってしまったレイ。

 リュウは、その様子を見て、

 「感動し過ぎて固まっちゃったかな?」

 「少将になったリウに、『9年間影ながら守ってました』っていうあの告白で、どうしても、レイを欲しくなっちゃって......」

 「ちょっとイジワルしちゃった~ごめんなさい」

 「ここまでお膳立てすれば、この後どうすれば良いか、わかるでしょ?」

とリュウは言ったものの、レイは固まったまま......

 「憧れの存在だったんだものね? 仕方無いなあ~」

とリュウは言うと、レイの上半身から下半身へと触れていくのだった......


 結局、リュウの割り切った性格から、リュウの主導でヤることをヤった2人。

 ほぼリュウに襲われたも同然のレイ。

 既成事実を作られたレイは、

 「現実なのだろうか?」

と、半ば放心状態のままであった。

 流石にリュウが、

 「レイ、現実だよ~」

と頰をツネリながら言い、

 「私も、ただの女の子だったっていうこと。 女神とかじゃ無いから」

と、他人の評価が間違っていることを指摘したのだった。


 レイは、

 「リュウ様は、その......私なんかで良かったのですか? 初めての相手が......」

と相変わらず、謙遜して言うので、

 「『で』じゃなくて、レイだから、イイんだよ」

と言い、

 「もう少し自信持てよ~。レイはかなりイイ男だぞ」

とリュウにべた褒めされる始末。

 「それに......」

と言って、リュウが珍しく少し恥ずかしそうな顔をしたので、

 「それに?」

とレイが確認すると、

 「結構、長い付き合いだろ〜」

と、初めて会ってから、もう9年近く経っていることを指摘した。


 「リウは表面上男だけど、中身は女の私で、リウの目を通して、ずっとレイのことを見てきたんだから」

 「女のリュウは、レイのことを親友じゃなくて、少し恋心を持っていたってことだよ」

と、以前からの気持ちを告白したのだった。


 「でも、本当に好きなのか、まだよくわかんないけどなあ~」

と今更の発言に、再び固まるレイ。

 「いや、冗談。 でも恋愛経験ほぼゼロだから......」

と少し恥ずかしそうなリュウ。


 「この間司令部室で、レイが初めて間近で私を見た時の反応と言葉で、もう我慢出来なくなっちゃったの」

 「どうしても、リュウはレイと一緒に居たいって」

と、今回強引にリウを押し退けてリュウになった理由を説明したのだった。


 「自分の気持ちを押し殺して迄、総帥の命令に従い続けるレイカー・アーサ」

 「リュウが知らないところで、命を掛けて守って来てくれていたんでしょ? リウじゃなくてリュウの為に......」

 「あ~〜ゾクゾクする。 そういうの大好き」

 「事情を明かさないまま、自分を密かに守ってくれていて、しかも好みのタイプの男なのだから、好きになるの当たり前だと思うよ」

と、ずっと嬉しそうに告白するリュウ。


 「リュウ様が、そこまで私のことを気に掛けてくれていたなんて、本当に光栄です......」

と相変わらず、固い口調のレイ。

 「まだ、そんな固い言い方......」

 「まあ、そこがレイの良いところかな?」

 「でも、私がリウに戻ったら、リウの顔見れるか? 恥ずかしくて見れなくなるだろうから、そこは演技してよ」

と言い、再び男性以上の強い力で抱き寄せるのだった......


 惑星アルテミスに着くまでの一週間、夢の時間を過ごし続けた2人。

 乗船したまま行えるVIPでの入国手続き終了後、下船直前にリュウは、

 「みんなには、まだリウが必要。 だからリウは消えないから安心して。 リウの邪魔はしないから」

 「じゃあ、レイ、またね~」

と言って、リュウ様はリウに戻ったのだった。


 リウは、一週間ぶりに戻ると、

 「レイ、ごめん。 これが現実なんだ。 ずっと言えなかったけど」

と言い、凄く恥ずかしそうにした。

 「何だか、おとぎ話みたいだよね」

とレイは言う。

 そして、リウを見る。

 やっぱりリウだけど、よく見るとリュウ様そのものだ。

 当たり前だけど。

 「ちょっと恥ずかしいけど、やっぱり嬉しいよ」

 「十三年前、ひとめぼれして憧れてた人と、本当に出逢うことが出来て、気持ち迄一つになれるなんて」

と、まだ夢の中に居る感じでかなり嬉しそうなレイ。

 『こんな姿のレイ、初めて見るなあ』

と思ったリウは、リュウに感謝していた。


 「ところで、レイ?」

とリウはイタズラ顔を見せ、

 「ちょっとヤりすぎたんじゃない? 一週間ずっとだもんね。 腰が痛いんだけど......」

と言ったので、レイは顔を真っ赤にしたのだった。


 惑星アルテミスに到着すると、リウはいつものリウだった。

 大歓迎に、手を振るリウ。

 そのまま、王室に招待され、修復中の王宮に入る。

 そして、育ての母のアルテシア王妃と王に面会する。

 馴れた感じで、王家の儀式を完璧にこなすリウ。

 『やっぱり凄いなあ~』

と護衛として付いていて、感動するレイ。

 儀式が終わると、奥に案内され、リラックスした雰囲気になった。


 アルテシア王妃が嬉しそうに、リウに抱き付く。

 「成長したわね~」

と言ったものの、

 「そうだった、9年前と1ミリも変わって無いのよね?」

と聞かれるとリウは、

 「髪を伸ばしているところだけは、変わりましたよ」

と即興の切り返しをして、笑顔で答える。

 すると王妃は声を潜めて、

 「そろそろ、イイ男見つかったの?」

と質問したところリウは、レイをチラッと見た。

 その様子に気付いた王妃は、レイに近づき、小声で、

 「リュウちゃんをお願いね」

と言うと、笑顔で奥の方に消えて行ったのだった。


 その後、王の双子の姉妹が挨拶にやって来た。

 『結構、容姿の異なる双子だなあ』

と思って見ていると、挨拶が終わって双子が去っていってから、リウがレイを呼んだ。

 何事かと思って

 「どうかしましたか?」

と尋ねると、

 「かわいい子の方だけど、自分の初めての相手だよ」

と、とんでもない告白が......

 「本当に?」

と確認すると、

 「嘘つかないよ、男はレイが初めてだけど」

と少し笑いながら、

 「若気の至りだね~」

と宣った。

 『まあ、かつては2人共美少女だった訳だし』

と訳の分からない理由を付けて、納得するレイだった。


 暫く久しぶりの王室で、くつろいだリウ。

 ただ王宮は帝國軍の嫌がらせ攻撃を受けて、大規模修復中なので、ゲストの滞在はできない状態。

 なので、今回の滞在中は、アーゼル財閥系のホテルを予約していた。


 レイは、

 「ホテルもリュウが予約したの?」

と確認すると、リウは、

 「僕だよ、予約したのは」

と答えたものの、

 「まあ、どっちでも一緒だよ」

と言い、

 「そんなに続きがしたいの?」

 「今回はリウとヤってみる?」

と余計な確認をされてしまったのでした。


 そして、この夜、リュウと再び愛し合った2人。


 その翌朝のことだった。

 リュウがレイを叩き起こした。

 レイが寝ぼけ眼で、リュウを見ると......

 リュウのままだったのである。

 「リュウ、様、どうしたの?」

とレイは尋ねる。

 するとリュウは、

 「リウが居なくなった......」

と。

 レイは、冗談を言っていると思って、

 「リュウ様、朝から誂わないで下さい」

と言うと、リュウは、

 「マジだから」

と今迄に無い真剣な顔......


 レイは飛び起きて、

 「会議とか、どうしようか?」

と確認すると、リュウは、

 「とりあえず、私がリウを演じるよ。 それしか無いだろ?」

と男前発言するも、レイは、

 「すぐバレるよ。 話し方が全く違うから」

 「とりあえず、シヴァ丞相とかに相談しよう」

 「今日は体調不良で欠席ということで、誤魔化そうか」

と善後策を提案した。


 リュウによると、夢の中でリウが、

 「『僕達は、いよいよ1人になる時が来た。 作られた僕が消えるべきだと思う』

 『大丈夫。 リュウならきっと僕以上になれるさ。 オリジナルはリュウの方なんだから』

 『レイとみんなを頼んだよ、リュウ。 バイバイ。 レイとお幸せに......』

って言ったんだ。 もう二度と出て来ないと思う......」

と非常にまずいという顔をしているリュウ。


「リュウとリウは同じ人なんだから、同じように出来ないの?」

とレイが確認するも、

「分からない......儀式とかは出来ないんだよね。 私だと」

と不思議なことを言う。

「とりあえず、秘密を知っている人達を招集しよう。 ちょうど、この惑星に大半の人が居るから......」

とレイが提案すると、リュウは

「わかった」

と言い、連絡を取り始めた。


 色々な会議が続いているので、みんなが集合したのは、午後6時。

 場所は、アーゼル財閥が運営する新しい最高級ホテル「セレーネー」の特別ルーム。

 集まったのは、

  リョウ・シヴァ丞相

  ショウ・イ・ヒエン国務長官兼大将

  シュン・コトク開拓使長官兼大将

  エミーナ・シヴァ丞相夫人

  アルテシア・アルテミス王妃

  レミ・アルテミス王女(双子の妹の方)

  リュウ・アーゼル(当人)

  レイカー・アーサ大佐 

であった。


 集まると丞相が開口一番、

 「リュウお嬢、お嬢が引き継ぐしかないよ。同一人物なのだし」

と言うとリュウは、

 「そのダサい呼び方、止めて貰えます?」

と、いきなり本筋を外れた発言で、始まったこの会議。

 「ヒエン大将もコトク大将も、みんなの居るところで、『おじょ』とか『リュ』とか言ってさ〜。 冷や冷やものだったよ」

とリュウが文句を言う。

 「エミーナだよ、お嬢ってみんなが言うようになった原因は」

と少し怒りが収まらない、リュウ様。

 今の会話で、レイは気付いた。

 「リュウ様、なんで大将閣下達がリウと会話した内容を知っているのですか?」

と質問。

 すると、リュウは、

 「共有出来ている部分も有るんだよね。 その境目はよく分からないんだけど......」

と答えた。


 エミーナがじっとレイを見て、

 「リュウ、この人が彼氏?」

と質問。

 リュウ様が、

 「うん」

とちょっと恥ずかしそうに頷くと、

 「超カワイイリュウとあまり釣り合いが取れてないような気がするけど...... まあ人のこと言えないか~私」

と25歳も歳上と結婚した身であることを思い出して、感想を述べてから、

 「リュウは、こういう感じがタイプだったのか~。 まあまあイケてる方かな?」

と、議題からハズレっぱなしの会議となってしまった。

 

 大物は集めたけど、グッドアイデアのある人は居ない。

 同一人物の異なる人格を統合する方法なんて、わかる筈がないからだ。


 とりあえず西上国関係は全く問題が無い。

 リュウが交渉したものばかりで、リウが殆ど絡んでないからだ。

 アルテミス王国は、王と王妃、レナ王女でなんとか誤魔化すことになった。

 鈍感なリク・ルーナ大将だけ気を付けておけば良い。

 問題は、ノイエ国関係だ。

 これは難しい。

 記憶喪失にするしかないという結論で、艦隊指揮はレイが代行するということに......

 『女性だったって公表しちゃえば?』という意見も出たが、記憶喪失で少し様子見して、ダメなら公表するという方針になった。


 情報共有と一応の方針が決まってから、

 『リュウ久しぶり会』という題目でパーティが始まった。

 こんな時でもパーティをするところが面白い。

 まあ、人格は消えても当人は存在しているのだから......

 「エミーナ、結婚おめでとう〜。 子供6人だって?」

とリュウが祝福。

 「リュウ、おそーい」

と言ったものの、嬉しそう。

 「リュウは残念だよね? 子宮無いから」

と、緊急の不老装置の埋め込みが、他の人用のものを急遽使ったため、少し不具合が出てしまったのだ。

 「体外受精で作れば良いだけだから」

と楽観的なリュウ。

 9年近く消えていたリュウ・アーゼルだから、みんなから、

 「大人っぽくなったね〜???(よく覚えていない)」

という感想が寄せられていた。



 パーティが解散して、宿泊のホテルに戻りながら、レイはリュウに言った。

「記憶喪失の演技、大丈夫ですか?」

と。

「半分記憶喪失みたいなものだから、大丈夫でしょう」

と楽観的なのはリュウ様らしい。

「問題は、ルー少将とかですかね?」

と言うと、

「記憶喪失で覚えていないって言えば大丈夫だよ。本当にルー少将のことは分からないから」

と笑ったので、

「もの凄く仲良かったのに、不思議ですね?」

と人格の違いで同一人物なのに、記憶が共有出来ない不思議さに翻弄され始めた2人であった。

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