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第1話(全ての始まり・ヴィジョンを見る少年)

時は、西暦で3✕✕✕年。人類は太陽系から銀河系へと進出し、大いに勢力を広げていた。

人類社会は、長い間緩やかな連邦制であったが、腐敗した連邦は、1人の英雄が地球圏を中心に建国した専制国家「太陽系帝國」に敗れて崩壊し、帝國は勢力を強めていた。

この強力な軍事専制国家に対し、抵抗すべく若き人物が登場しつつあった......


 「ママ〜。ママ〜。......(涙)」

 僕が泣きながら、死んだ母にすがりつく......


  夢?

  夢じゃない、今眠っていないし......

  これはリアルなヴィジョン?


 近頃、何度も見るようになった不思議なヴィジョン。

 育児を放棄し、心を病んでしまった母の代わりに僕の面倒をみてくれている母の親友アルテシア王太子妃に、このことについて話すと、僕を見て不思議そうな顔をしながら、

 「リウ、お母様が亡くなる夢を見るの? 心配ね。 でもなんだか不吉な夢だから、あまり周囲まわりに言うものじゃないと思うの」

と優しく諭されてしまった。

 当たり前のことだけど......


 こんなリアルなヴィジョンを何度か見たある日、アルテシア王太子妃が涙ぐみながらやって来て、

 「お母様が亡くなられたわ。 直ぐリウのお祖父様のところに向かうから、準備を始めて......」




 巨大財閥の最高実力者の一人娘として生まれ、「社交界の華」と呼称され、優雅な上流社会での楽しい日々を過ごしてきた若き頃のリウの母。


 とある日。

 偶然パーティーで見かけたある男。

 その人物は、成功しつつあった若き実業家であり、やや粗野だが頭の回転の良さと即断即決の姿勢という、今迄近付いてきた男達とは大きく異なる部分に魅了されてしまう。

 やがて恋に陥ち、周囲の懸念の声に聞く耳を持たず、結婚に至った若き日のリウの母。

 でも、この「プロクター」という姓の男は、アーゼル財閥総帥の一人娘という肩書きでしか、リウの母を見ていなかったのだ。

 より大きな成功を収めたいという目的の為に、母と恋仲になり結婚しただけ。


 見た目は美しいものの、ブランド品や上流社会の人物の肩書きに詳しいぐらいの凡庸な才能しかなく、中身が空虚なご令嬢というリウの母と、野心家で超多忙な新興実業家との結婚生活が長期に渡り円満に続く筈も無く、母が僕を妊娠中、夫にはビジネス界の美女と浮気をされてしまい、最後は家にも全く帰ってこなくなって約2年で離婚。


 捨てられたことでプライドをズタズタにされ、心を病み、生きる気力も無く、最近は長く病床に臥せっていたというのが母の実情。

 だから、母が亡くなるヴィジョンは遅かれ早かれ現実になるだろうというものだったのだが......


 まだ僕が幼かった頃から、母は調子の悪い時、僕の姿を見ると別れた夫のことを思い出すのか、

 「近づかないで!!」

と大声で威嚇するように......

 そんな母だから、楽しい思い出は少なかったけど、やはり悲しい......



 僕がいま居るアルテミス王国から、巨大財閥の指導者(総帥)であるお祖父様の豪邸がある僕の故郷「新合衆国(ノイエ共和国)」迄は、高速艦艇でも一週間程度掛かる距離があり、葬儀にはとても間に合わないけど、埋葬される前に最期ひと目会うため、旅路を急ぐ。



 地球人が宇宙に進出してから、過ぎること約千数百年。

 銀河系内の幾つかの可住星系を見つけ、分散して住むようになった時代。

 その一つアルテミス王国は、立憲君主制の共和制国家だ。

 僕の故郷ノイエ共和国とは盟友の関係にあり、もう一つの共和制の大国「西上国(通称シヴァの国)」と3つの共和制国家が同盟を結んで、銀河連邦崩壊後、最大の経済圏である地球圏を拠点として勃興してきた巨大専制国家「太陽系帝國テラ」と対峙に至っている......



 ノイエに向かう船の中で、少しウトウトしていると、またヴィジョンが......


  今回のは......

  いま隣に座っている王太子妃が撃たれるヴィジョン

  えっ。本当に!


 気のせいかと思っていると、暫くしてまた同じヴィジョン。


  血を流して倒れたアルテシア王太子妃の横で泣きじゃくる僕

  お付きの護衛2人が一人の男を取り押さえている.....

  流血が止まらず、みるみる顔が青土色になってゆく王太子妃

  非常にリアルなヴィジョン......


 びっくりして周囲を見渡すと、侍女と何か話をしている王太子妃が居る。

 その直ぐ側には護衛が2人。

 ちょっと安心したものの......

 護衛は......

 ヴィジョンと全く同じ人物......

 これって、これから直ぐに起きる出来事なのか?

 不安に駆られる僕。


 心配になった僕は少し経ってから王太子妃に、

「また、リアルなヴィジョンを見ました。 今回のは王太子妃がテロリストに撃たれるものです」

と話をしてみる。

 すると王太子妃が怪訝そうな顔をしながら、

「私が襲われるの? 護衛も付いているし、そんなことは起きないんじゃない?」

と答えたのだ。

 しかし、僕の深刻で心配そうな表情を見て、

 「私はテロに狙われるような重要人物じゃないですよ。 出自が一般市民ですし、王国っていっても王室は大きな実権が無いですからね。 そんな王室の、それも一般市民上がりの私を狙う人は、先ず居ないでしょ?」

 そう言いながらも、僕を安心させる為か、向き直って素敵な笑顔で、

 「でも、ありがとう。 私を心配してくれているのね」

と言い、頭を撫でられる僕。


 アルテシア王太子妃は本当に優しい。

 母とは幼少の頃から16年間同じ学校に通っていたそうで、王家に嫁ぐ迄は、いつも行動を共にしていた間柄。

 大学在学中にアルテミス王国の王太子に見初められて、卒業後直ぐに結婚し、ノイエ国を離れたので、以後会うことは少なくなってしまったとのこと。


 ただある時母が、心の調子が良い時、王太子妃に

 「リウを預かって欲しい。 お父様が財閥を率いる後継者をキチンと育成したい気持ちは分かるけど......」

と言い出し、

 「私みたいな中身の無い人間にならないように、一人しか居ない孫だから、帝王学を完璧に仕込みたい、立派に育てたいという考えからとはいえ、リウへのスパルタ教育は行き過ぎだと思うし、心配だから......」

との依頼があったのだ。

 そこで、何とか色々理由を付けてお祖父様を長年説得した結果、漸く王立学校への長期留学という名目に許可が出て、11歳になった僕を引き取ることが出来たと言う経緯で、僕はアルテミス王国に居る。



 アルテシア王太子妃は、

 『心配要らない』

と言ったけど、このままだとヴィジョンと同じことが起きてしまうのでは?

 不安に駆られる僕。

 どうしたらいいのか。

 どうしたら、ヴィジョンの出来事を防げるのか......


 まだ子供の僕に、いい考えが思い付く筈も無いまま、ノイエ共和国の首都星系クロノスに着いてしまい、船を降りる僕を含むアルテシア王妃一行。

 宇宙港は多くの人達が行き交い、本当に人だらけ。

 流石、銀河系随一の経済大国であるノイエ国の首都星系第5惑星ヘーラーの宇宙港であり、非常に活気に充ちている。

 ヴィジョンで見た取り押さえている男の顔はなんとなく覚えているけど、こんなに人が多かったら、見つけることは不可能。


 王太子妃一行を出迎えるノイエ国政府の関係者は、誰も居ない。

 『せめて、少しでも警備体制が立てられていれば、発生しないようなヴィジョンの出来事なんだけどなあ......』

 急遽、しかもほぼお忍び訪問なので、致し方無い状況ではあるけど。


 入国ゲートは流石にアルテミス王国の王太子妃なので、特別扱い。

 あっという間に通過し、

 「案内の者を付けましょうか?」

と入国審査官からの申し出があったが、

 「慣れた場所なので大丈夫です。 お気遣いありがとうございます」

と丁重に断ってしまったアルテシア妃。

 そして王太子妃は言葉通り、迷うことなくスイスイと歩いて宇宙港の出口へ向かい、迎えの車列へと向かう。


 あと少しで宇宙港ターミナルの出入口......

 その時だった。

 この場所は、ヴィジョンと同じ光景。

 咄嗟に僕は、

 「アルテシア様、ここは......危ない......」

と叫びながら、王太子妃の前に立ちはだかる。

 その瞬間、僕の体を突き抜ける何か熱いものが......

 僕は倒れる。

 激しい痛み......

 体が燃えるように痛い......

 何かを叫ぶ王太子妃。

 王太子妃を守るように体を盾にしながら、レーザー銃を持って、射撃した人物を追い掛け走ってゆく護衛の2人。

 ターミナル内は、人々の悲鳴や怒声が飛び交う......

 王太子妃の顔が僕の視界に大きく近づいてきたところで、僕は完全に意識を失った......




 気が付くと、物々しい精密機器に囲まれて横たわっている僕。

  痛みが......

  あれっ。痛みが無い。

 きっとあれはレーザー銃の熱さだろうと思い、体をあっちこっち触ってみるものの、傷口らしいものすらない。


  あれは夢?

  ここはどこ?


 でも体は固定されていて、腕しか動かせない。

 暫く腕を動かしていると、耳が大きく尖っており、背は非常に高いが、それ以外は地球人と見た目があまり変わらない異星人の顔が近づいてきて......

 「気付いたようです」

と誰かに話しかける。

 すると、その人が近づいてきて......

 この人も同じ異星人。

 「そのようだね。 家族を呼んでこよう」

 恐らく、この人たちは医師なのであろう。



 確か、昔お祖父様から受けた教育で、地球人に似た顔立ちで耳の尖った異星人はエルフィン人と言って、遺伝・バイオ分野でオーバーテクノロジーを有し、JJ・R・アーガン社を運営している人達だった筈。

 JJ・R・アーガン社は、バイオ・医薬・医療機器に特化した巨大企業体。

 オーバーテクノロジーとは地球人(テラ人)が有している技術力を遥かに超過する特殊なテクノロジーを総括する言葉。

 JJ・R・アーガン社は、ノイエ共和国内で地球人に溶け込んでさり気なく生活しているエルフィン人達が運営し、そのオーバーテクノロジーを一部利用して、共和制国家に住む地球人に還元・提供している企業である。



 その医師に呼ばれてやって来たのは、

 王太子妃。

 他には、僕の苦手なお祖父様も......


 王太子妃は、涙ぐみながら、

 「リウ、ありがとう。 貴方が私の前で盾になってくれなかったら、私は死んでいた。 そして、ごめんなさい......」

 王太子妃が言葉に詰まって、涙が止まらなくなる。


  僕は生きているんでしょ?

  痛みも傷も無い。

  どうしてごめんなさいなの?


 僕が不思議そうな顔をしている事に気付いたお祖父様が、重い口を開いた。

 「リウ、所謂いわゆる不老装置って知っているよな?」

 「はい」

 僕のの返事を聞いて、お祖父様が続ける。

 「リウを助けるには、不老装置を体内に埋め込むしか手段が無かったのだ。 お前が撃たれた現場に、たまたまJJ・R・アーガン社のお医者様が居てな」

 「はい」

 「直ぐ止血措置をしてくれた。 傷口の凍結と体全体を仮死状態にして......。 そして、緊急でここに運ばれた。 JJ・R・アーガンの特別施設だ」

 そこまで説明すると一呼吸入れる。

 「ここは、不老装置を埋め込む手術も出来る場所なのだが、お前の負傷状況が極めて悪く、仮死状態を解除すれば直ぐ死亡すると言うことだった。 唯一助かる手段が不老装置を即埋め込む。 これしか無いと」

 お祖父様は、僕の目から視線を逸らすと、続きを話す。

 「不老装置は埋め込んで体と同化する際、強力な再生能力を一回だけ発揮するらしい。 その力が破れた動脈や傷付いた内蔵を全て元通りにするのだそうだ」

 ......少しの時間、沈黙が流れる。


 ここで僕が口を開き、

 「不老装置って歳を取らず、若さを保てる代わりに寿命が著しく短くなるっていうものですよね? それに超高価で一部のお金持ちしか買うことが出来ないっていう話ですよね?」

と尋ねると、お祖父様は、

 「うちは運良くその金持ちに該当しているからな。 私の独断で手術を決断し、既に手術代は支払った。 一人娘が死んだばかりなのに、その唯一の孫であるリウも死んだら、当家は跡継ぎが誰も居なくなる。 それを受け入れることは私には出来なかった......」

と答えたお祖父様は、目頭を抑えるのであった。


 こういうお祖父様を見るのは初めてだ。

 冷徹な経営者として知られる立派なお祖父様。

 その双肩に巨大財閥で働く数千万人の人生・生活が重くのしかかっている。

 だから、普段は喜怒哀楽を全く見せない人だけど......


 「リウは、祖父である私よりも先に死ぬことになるが、それでも50歳前後までは生きることが出来る。  跡継ぎの話は、もう無しだ。 これからは好きに生きて構わない。 そして......」

 お祖父様は、更に何か言おうとしたが、結局それ以上は何も言わなかった。


 僕は、「好きに生きろ」というお祖父様の言葉に本当にびっくりした。

 状況もイマイチ飲み込めて無くて、実感がないままだったが、

 「お祖父様、ありがとうございます。 お祖父様の決断が無ければ、僕は死んでいたのですね。 僕は生かされた残りの人生で、何か成し遂げたいと思います。 僕にしか出来ないことを見つけて......」

等と答え、お祖父様に素直に感謝の意を伝えた。


 少し経ってから、今回の出来事を少し振り返ってよく考えてみると、

 『王太子妃が撃たれた筈なのに、僕が立ちはだかったことで、結果が変化した。 見えたヴィジョンは僕の行動次第で結末が変わるんだ』

という事に気付いたのだ。

 今後も、色々なヴィジョンを見るのだと思う。

 その時に、

 『ヴィジョンの悪い結末が現実にならないよう、行動出来るような人にならなければ』

と決意したのだった。


 この決意が、今後見続けることになる大きな災いのヴィジョンに対し、努力し続ける姿勢を産み、その結果「英雄」と讃えられる程の人物へと成長する、幼き日のリウ・プロクターであった。



 その後の出来事。

 退院は、予定より数日遅れに。

 緊急で行われた不老装置の埋め込み手術であった為か、術後の経過がイマイチで、不調となった一部臓器摘出の再手術を受けることになったので、傷は無くなったのに、即退院出来なかった。


 そして、母の亡き骸と対面出来たのは、首都星系に帰ってきてから10日後。

 凍結保存され、ヤツれた母の亡き骸を見て、リウの目に涙は滲んだものの、かつて見たヴィジョンのような大泣きの光景は発生しなかったのが不思議な気もした。

 これはきっと、王太子妃を庇ってリウが怪我をしたことで、ヴィジョンの結末が全て変わったのが原因なのだろう。


 テロ事件の後、アルテシア王太子妃は、僕の姿を見るたびに、

 「大丈夫? ゴメンね......」

と言うと、直ぐ涙ぐんでしまい......


 今後のことについては、リウが財閥の跡継ぎとしての長命が望めないことから教育方針も変更となり、アーゼル家での家族会議の結果、現状追認だが、母亡き今、王太子妃が母代わりとなり、アルテミス王国へ戻って引き続き修学することも決まった。



 その後、埋葬に参列。

 参列者は、お祖父様・お祖母様に、僕とアルテシア王太子妃、それと同行してきた人の僅か7人。

 人心は遷ろいやすいとは言うものの、十年前迄は社交界で人気者だった母を埋葬する際としては、極めて寂しい状況であった。


 そして、母の遺骸がアーゼル家の墓地に納められ、もう二度と会うことが出来ないのだと実感するようになると、僕は大泣きに......

 直接遺骸を見ても、涙が滲む程度で、

 「僕って冷たい人間なのかな?」

と少し心配するぐらいだったが、ただ亡くなった実感がなかったからだけであろう。



 巨大な屋敷に、今後住み続けるのは、お祖父様とお祖母様のみ。

 ガランとした御屋敷。

 「お嬢様がまだ未婚の頃は、沢山のお友達が毎日の様にやってきて、色々な笑い声が響いていたのにね~。 いまは本当に寂しくなったものだね~」

と、昔から居るお手伝いさんから聞かされ、何だか物悲しくもなった。

 でも、それを聞いても、僕はこの屋敷に戻る気は無い。

 次戻る時は、おそらく成人してからになるだろう。



 アルテミス王国へ帰る前に、再度JJ・R・アーガン社の医療施設へも立ち寄った。

 経過を見てもらったところ、異常無し。

 不老装置についての説明も簡単に受けた。

  寿命は50〜60歳

  二十歳前後の容姿と体力等、所謂若さが死ぬまで維持されること

  特に生活面で何か気を付けなければならないことは何も無いこと

  次は5年後に来るように

と言われ、医療施設を後にした。


 5年後には僕ももう少し大人になっているから、遺伝・バイオ分野のエキスパートであるJJ・アーガンの異星人達に、

  ヴィジョンのことも含めて、色々質問が出来るようになっているかな?

と自分に少し期待をして......


 帰りの船では、ヴィジョンは何も見えなかった。

 王太子妃は、ずっと半べそ状態。

 だから僕は、

 「お母さん、レン・レナの双子の姉妹もお母さんの帰りを待っています。 当面僕という息子も一人増えるんだから、いつも通り明るくいきましょ!」

ってわざとらしく言ってみたところ、益々大泣きとなってしまい、船内はだいぶ賑やかな感じになりながら、帰国への旅路を急ぐのであった......


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