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涼凪 雫(スズナギ シズク)

開いてくださりありがとうございます。

読み終わりましたら感想をくださるとモチベになります。


今回はまた雫視点です。

ねぇ、どうして?

嘘って言ってよ!!

なんで、なんで返信しないのよ!!

電話に出てよ!!

お願い、お願いだから………。


あれからどうやって家に帰ったかなんて覚えていなかった。

今が何時なのか、何日なのかも分からない。

知っているのは夜天が死んだことだけ。

だけど私は信じない。


あの子が死ぬ?

そんなわけない!!


夜天は性別とか性格とかそんなの関係なく、困っていたら悩んでいたら救うまで傍にいるような子だ。

いつも笑顔で明るくて、自分が酷い目にあっても相手を責めない優しい子だ。


どうして死んでしまったの?

あなたは何かした?

何も悪いことしてないのに…。

つい最近まで一緒に笑いあったのに。

どうして……?


私はあの子を救えなかった。親友失格だ。

待ってて、夜天。私もあなたのところに行くから。


私は包丁を首に当てた。死ぬのなんて簡単だ。

怖くない。夜天だって出来たのだから……。


そう言い聞かせるも手の震えは止まらなかった。

大丈夫、大丈夫……。


「雫、もう朝よ下りてきなさい!!」


ああ、最悪だ。


「はーい、今行く!!」


―――――――――――――――


身だしなみを完璧にし、リビングに行った。

妹はまだ来てないようだ。


「もうあんた遅すぎるわよ」

「お義母さん、ごめんなさい……」

「はいはい、謝るくらいなら勉強しなさい」

「はい……」


私の父親は再婚した。

最初はお母さんが出来ることを喜んだが、今となっては後悔している。


「ママ~おはよう~」

「あら、陽葵(ヒマリ)おはよう。今日の服可愛いわね」

「えへへ、でしょ!! お姉ちゃんもおはよ!!」

「おはよう……」


新しく来たお義母さんは、妹ばかりを可愛がる。

お父さんですらそうだ。

私になんて興味ない。必要ないのだ。


「ママ、パパ見て!! この前のテスト85点取った!!」

「凄いじゃないか陽葵」

「学年でも21位だったんだよ!!」

「ふふ、陽葵は凄い子ね」


………。

私は全教科90点以上取っても、学年で1位でも、褒められなかったのに。


これ以上リビングにいたくなかった。


「私、上で勉強してくるね」

「勉強なんていいわ。それより今日おばあちゃんが来るの。買い出し行ってきてくれる?」

「分かった」


断ったらお父さんに何言われるか分からない。

それを知っていて何事も押し付けてくる。

どうせ断れないのだから素直に受け入れるしかないのだ。


「行ってきます」

「待って!! お姉ちゃん私も手伝う!!」

「陽葵は駄目よ。お姉ちゃん1人で足りるわ。あなたは部屋の飾り付けお願いできる?」

「むぅ、分かった。お姉ちゃんごめんね、行ってらっしゃい!!」


陽葵を危険な目に合わせたくないのだろう。

そんなことすぐに分かった。


(私はどうなってもいいのね……)


私は家にいなくて済むいいチャンスとポジティブに考え家をあとにした。


―――――――――――――――


(嫌だな……)


何事も完璧にしてきた私は買い出しなどすぐに終わらせてしまった。

つまり、もう家に帰らなければならないのだ。


どれだけ早く帰っても遅いと怒られる。

こんな家なら私も死んでしまった方が幸せかもしれない。

なんせ私を救ってくれる人はもういないのだから。


そんなことを考えながら歩いていると、後ろから耳鳴りがするくらいの大きな声が聞こえてきた。


「危ないッッッッ!!!!!!」

「え……?」


何が起きたか分からなかった。

ただ暑くて痛くて五月蝿くて。

だんだん視界が歪んでいった。


私、熱中症にでもなっちゃったのかな?

朝から水分とってないもんな。

あ、れ……、?なんか赤いのが見えるような……?

ああ、きっと死ぬのかな。

でもそしたら、みんな、しんぱいしてくれる、……?

夜天と、あえ、る……?


私はそのまま意識を失った。

読んでくださりありがとうございました。

誤字がありましたらご報告宜しくお願い致します。

感想もくださると幸いです。


次回、また夜天視点に戻ります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 引き続き読ませていただきました( ´ ▽ ` ) 話に乗っかっていく話は楽しいと思います( ˆОˆ )♪
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